ワクチン開発、研究拠点の形成事業を中間評価…文科省

 文部科学省は2024年9月5日、「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」の中間評価を公表した。5か年計画の3年度目にあたる中間評価では、目標の達成状況や成果などを踏まえ、事業の必要性、有効性、効率性を高く評価した。

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ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業中間評価について
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 文部科学省は2024年9月5日、「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」の中間評価を公表した。5か年計画の3年度目にあたる中間評価では、目標の達成状況や成果などを踏まえ、事業の必要性、有効性、効率性を高く評価した。

 ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業は、2021年に閣議決定された「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を踏まえ、文部科学省が2022年度から日本医療研究開発機構先進的研究開発戦略センター(SCARDA)のもとで実施している取組み。国産ワクチンの実現に向け、世界トップレベル研究開発拠点を整備するとともに、平時から同研究拠点を中心として、出口を見据えた関連研究を強化・推進するため、新たな長期的支援プログラムとして創設された。

 今回、同事業の公募要領に基づき、事業開始3年度目である2024年度にSCARDAが行った課題評価を踏まえ、目標の達成状況や成果などを把握し、今後の有効な事業展開につなげるため中間評価を取りまとめて公表した。

 事業期間は2026年度までの5年間。予算は515億円。支出額は、2022年度実績が40億4,700万円、2023年度実績が110億2,600万円。2024年度~2026年度見込額は364億2,800万円。予算の執行状況によると、交付された515億円は着実に支出される見込みとなっている。

 中間評価は、「事業に期待される役割や意義(必要性の観点)」「プロジェクトの目標達成に向けた進捗状況(有効性の観点)」「事業の運営(効率性の観点)」「事業の今後の事業設計」「その他」の観点で実施した。

 評価結果によると、「国費を投じる意義および科学的・技術的意義から必要性は十分にある」「今後解決すべき課題はあるものの事業開始から2年弱という期間において、拠点の形成・運営状況および研究開発の進捗状況および成果を上げている観点から有効性はある」「効率的な体制構築およびSCARDAの各研究開発機関への支援状況等の観点から効率性はある」と、事業の必要性、有効性、効率性をいずれも高く評価した。

 事業への提言(今後の事業の方向性)については、今回の評価結果を踏まえ、2026年度までの事業期間では現在のフラッグシップ拠点、シナジー拠点、サポート機関の採択機関を維持しながら事業を行うことが妥当だとした。

 また、当初設定した拠点形成に係る重要業績評価指標(KPI)については、おおむね達成し、人材確保の点でも着実な成果をあげている点が評価された。文部科学省において、今後さらに有効なKPIを新たに設定し直す必要性なども指摘された。

《奥山直美》

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