神奈川県教育委員会は、多様化や生徒数の減少といった社会の大きな変化に対応するべく、2016年度から2027年度までの12年間の県立高校改革に関わる教育内容、学校経営、再編・統合などについて「県立高校改革実施計画(全体)」として取りまとめ、学校改革を進めている。今回は、III期となる2024年度から2027年度のうち、2025年度以降に計画されている再編・統合等の情報を、実施年度ごとにまとめて紹介する。
2025年度
学科改編:1校
二俣川看護福祉高校は、従来より設置する看護科・福祉科のうち、看護科を「普通科」に改編。普通科3クラス・福祉科1クラスの2学科体制へと生まれ変わる。それにともない、校名を「二俣川高校」へと変更。看護科は2024年度入学生が卒業する2026年度まで設置する。
2026年度
学校再編・統合:2校
田奈高校(横浜市青葉区)と麻生総合高校(川崎市麻生区)を再編・統合し、新たに単位制総合学科のクリエイティブスクールとして新設する。既存の田奈・普通科と麻生総合・総合学科は、2026年度入試より募集停止とし、2026年度より新設校の総合学科として募集を開始する。校舎・敷地は田奈高校のものを活用。
小田原城北工業高校(小田原市)と大井高校(大井町)を再編・統合し、普通科と工業科を併設した新校としてスタートする。設置学科は、普通科(クリエイティブスクール)、機械科、電気科、建設科、デザイン科。校舎・敷地は小田原城北工業のものを活用。2026年4月より、両校の生徒が小田原城北工業の校舎で学習を開始する。
定時制課程の募集停止:6校/学科改編:2校
横浜翠嵐高校、向の岡工業高校、磯子工業高校、茅ケ崎高校、秦野総合高校、伊勢原高校の6校が、2026年度入試より定時制課程を募集停止とする。
神奈川工業高校は、2026年度より単位制へと改編し、工業科に加え普通科を新設。従来の工業科(定時制)は2026年度より募集停止となる。
神奈川総合産業高校は、定時制の単位制総合学科を単位制普通科に改編。2026年度より総合学科の募集を停止し、普通科としての募集を開始する。
2027年度
【学校再編・統合:3校】
旭高校と横浜旭陵高校(ともに横浜市旭区)を再編・統合し、普通科の新校としてスタートする。横浜旭陵は2025年入試より募集を停止。2026年度末に最後の卒業生を送り出した後、旭と統合となる。校舎・敷地は旭高校のものを活用。
横浜桜陽高校(横浜市戸塚区)と永谷高校(横浜市港南区)を再編・統廃合し、単位制普通科の新校となる。永谷は2025年入試より募集を停止。2026年度末に最後の卒業生を送り出した後、横浜桜陽と統合となる。校舎・敷地は横浜桜陽高校のものを活用。
藤沢清流高校(藤沢市)と深沢高校(鎌倉市)を再編・統合し、単位制普通科の新校となる。深沢は2025年入試より募集を停止。2026年度末に最後の卒業生を送り出した後、藤沢清流と統合となる。校舎・敷地は藤沢清流高校のものを活用。
神奈川県では、再編・統合などの取組みにより、少子化社会における適正な規模での高校運営を目指すほか、生徒の個性や優れた能力を伸ばす教育に重点を置いて取り組んでいる。具体的には、学力向上進学重点校や教育課程研究開発校、プログラミング教育研究推進校、STEAM教育研究推進校、グローバル教育研究推進校など、15の項目において指定校を選定。それぞれの分野で教育研究成果を目指した取組みを行っている。