【とっておきの私立中学校2025】成立学園中学校…見える学力・見えない学力を共に身につける

　2025年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。

　リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。

　本記事でご紹介するのは、成立学園中学校。東京都北区にある中高一貫の共学校だ。学校長・福田英二先生からのメッセージの他、進路進学に対する考え方、特色のあるプログラムを紹介する。

教育目標

「見える学力」×「見えない学力」

　2025年に本校は創立100周年、中学開校15周年を迎えます。歴史は変わっても変わらないものは、「見える学力」と「見えない学力」です。予測不可能な時代を生き抜くためにどんな力が必要になるのか、私たちは真剣に考えています。

　「見える学力」は、以前からの知識習得型の学びで身に付き、具体的な結果として現れます。「見えない学力」は、好奇心に基づく自己探究型の学習によって身に付き、幅広い教養と問題解決力、そして発信力のベースとなります。この両輪がこれからの時代は必要なのです。未知の世界に興味をもつ心、失敗を恐れずやってみようとするチャレンジスピリッツ、自分の興味を深く掘り下げていく探究心。そうした力を養うための機会と、勇気をもって一歩踏み出す行動力を独自のプログラムによって育てていきます。世界が大きく変化する中、本校も進化し続けます。

　オールマイティーでなくて良い。生涯をかけて生かせる自分の能力を見つけ、未知なる社会で活躍できる生徒を、次の100年に向けて育ててまいります。

進路、進学に対する考え方は？

　数十年後には今ある職業の半分近くはないと言われる中、どの分野に行っても通じる力を身に付けてもらうため、アース・プロジェクトをはじめさまざまな取組みを用意しています。そうした取り組みを通じて、自分の興味や関心のありかを探り、広い視野をもって、自分の希望する進路へと妥協することなく、目標を実現できる力を養い、結果につなげます。

　1～3年次で基礎学力をつけ、内進クラスでは4年次でほぼ全教科の高校の履修を終え、5年次からは進路に応じた選択をし、「見える学力」を高めます。講習を利用し、カリキュラムを前倒しすることで、6年次では視野を狭めることなく、自分の次のステップに向けてしっかり準備する時間を作ります。

　国公立大学、早慶上理、GMARCH、日東駒専、海外大学と幅広い進路にも多く進学し、医療系や理化学系にも合格しています。各学年、適切なタイミングで保護者会と三者面談を実施し、学校と保護者の間でバックアップする協力体制を築いています。

“見える学力”を徹底サポートする「成立メソッド」

　日々の積み重ねで確かな力を養うための学力向上サポートプログラムが、「成立メソッド」です。小テストなど毎日～2週間の短期、定期試験など2か月ごとの中期、模試など4か月ごとの長期という3つの繰り返しサイクルで学習習慣の定着を図る「繰り返し主義」。コーチングやコンサルティングの研修を受けた教員が、生徒の良さを引き出し、導く「定期試験ごとに行う年5回の面談」。

　そして校内完結型の学びで学習計画の相談やわからないところを質問できる学内の自習支援「STSC=Seiritz school Tomas Study Center」を整備。卒業生のチューターが毎日常駐しており、授業の質問や日々の授業の悩み、学習計画の相談などを行うことができます。STSCは、部活後にも利用することができ、平日・土曜は原則20時まで開室。日曜・祝日・GWなども開室しているので、多くの生徒が塾に通わずSTSCを活用して大学現役合格を果たしています。

進路・進学

“見えない学力”を体験して学ぶ「アース・プロジェクト」

　体を使って、頭を使って、手で触って、本物を体験し、発見するのが、アース・プロジェクト。本物の思考力や理解力を育むには、本物の体験が重要です。教科書では学べない「発見」「驚き」「感動」を共有し、日々の学習と繋げながら、本物の知識と教養を身に付けます。

　お米の栽培を田植えから脱穀まで全工程に携わる「水田学習」、世界遺産の地、屋久島を自分の足で歩いて自然の雄大さを感じ、種子島の宇宙センターで最新科学技術に触れる「アース・ツアー」、入学後にクラスメイトと親しむ「コミュニケーションキャンプ」、富士山周辺を歩いて歴史、地質、植物、動物などを学ぶ「チャレンジキャンプ」、房総半島・館山で潜水観察や磯観察を行う「海のフィールドワーク」などがあります。

アース・プロジェクト

2025年に100周年！思い新たに、さらに次の100年へ！

　成立学園は1925年3月、東京開成中学（現・開成中学高校）の幹事であった福田英爾氏が、東京・神田淡路町の東京開成中学の旧校舎地に開校したことから始まりました。その後、1931年に現在の地、北区・東十条へと移転しました。2004年に男女共学となり、2010年に成立学園中学校が開校しました。2012年には、高等学校のコース・クラス編成を2コース・6クラスにアップデートしました。そして2025年2月には創立100周年、中学開校15周年を迎えます。

　都心にありながらもその充実した施設には、さまざまな特別教室、人工芝の校庭、体育館や武道場なども完備。また、埼玉・久喜市には2つのサッカー場とフットサルコート、野球場、屋内練習場を備えた鷲宮グラウンドもあり、高校の硬式野球部・男子サッカー部・男子バスケットボール部は、強豪校が集う都内でもトップレベルに位置しています。現在、同校の次の100年に向けて、地上5階建ての100周年記念棟（仮称）が建築中です。新しい学びを実現するための新校舎のようで完成が楽しみです。