埼玉県、学力調査結果を公表…多くの学年・教科で伸び

 埼玉県教育委員会は2024年10月23日、2024年度(令和6年度)埼玉県学力・学習状況調査の結果を公表した。2024年度は初めて、県内全域でCBT方式の調査を実施。多くの学年・教科で、学年が上がるごとに着実な「学力の伸び」が見られたという。

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調査結果「学力のレベル」の経年変化
調査結果「学力のレベル」の経年変化 全 3 枚 拡大写真

 埼玉県教育委員会は2024年10月23日、2024年度(令和6年度)埼玉県学力・学習状況調査の結果を公表した。2024年度は初めて、県内全域でCBT方式の調査を実施。多くの学年・教科で、学年が上がるごとに着実な「学力の伸び」が見られたという。

 「埼玉県学力・学習状況調査」は、児童生徒の学力や学習に関する事項を把握することで、教育施策や指導の工夫改善を図り、ひとりひとりの学力を確実に伸ばす教育を推進しようと2015年度から実施。学力の経年変化という視点を加えることで、児童生徒の学力の伸びが把握できる特長がある。

 2024年度はタブレット端末などを活用したCBT調査を4月24日から5月22日にかけて、県内全域で実施した。調査対象は、県内の公立小中学校等(さいたま市を除く)に在籍する小学4年生から中学3年生の全児童生徒。教科に関する調査、学習意欲や生活習慣などに関する質問調査、学校や市町村委員会に対する調査があり、教科は国語、算数・数学、英語(中学2~3年生のみ)で実施した。

 調査では、学力を「学力のレベル」として36段階(12レベル×3層)で掲示。結果の分析によると、多くの学年・学科で、学年が上がるごとに着実な学力の伸びがみられた。その一方で、学力の伸びが小さい、または横ばいの教科や学年もあった。

 努力調整方略(苦手などの感情をコントロールして学習へ向き合おうとする意識)は、すべての学年・教科で学力の伸びと相関が大きく、努力調整方略の高い児童は学力も高い傾向にあった。努力調整方略の値を伸ばしている児童生徒は、学力も伸ばしている傾向がみられた。

 また、2015年度の調査開始から蓄積してきたデータの分析によると、良い学級経営が主体的・対話的で深い学びや学習方略・非認知能力の向上につながり、学力に影響。学力が低い学校でも、学力を大きく伸ばしている学校があることがわかったとしている。

 調査結果は、PDCAサイクルのツールとしても定着しており、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)と県独自の学力調査の結果をもとに指導改善に取り組む学校も多いという。

 埼玉県教育委員会では、埼玉県学力・学習状況調査の質問項目を学校でいつでも使えるよう調査セットを作成。教員と児童生徒が授業を振り返り、「主体的・対話的で深い学び」の視点から見つけた授業の良さを共有したり、改善方法を検討したりするきっかけにできるよう、アンケート用紙や集計表などを提供し、優れた指導技術の共有や授業改善の推進を支援している。

 埼玉県のWebサイトでは、調査で出題した問題概要を学年・教科別に掲載。市町村別結果一覧なども公開している。

《奥山直美》

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