幼児教育調査、好奇心育成が72.4%で1位

 2025年2月5日から2月12日にかけて新興出版社啓林館は、東京、大阪、広島、静岡に在住する3歳から6歳の子供をもつ保護者を対象に「幼児教育」に関する調査を実施した。幼児教育でもっとも重要だと思われることとして「子供の好奇心や創造性を育むこと」が72.4%で1位となった。

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幼児教育で重要だと思うこと
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 2025年2月5日から2月12日にかけて、新興出版社啓林館は、東京、大阪、広島、静岡に在住する3歳から6歳の子供をもつ保護者を対象に「幼児教育」に関する調査を実施した。調査の結果、幼児教育でもっとも重要だと思われることとして「子供の好奇心や創造性を育むこと」が72.4%で1位となった。また、家庭での幼児教育における最大の課題として「時間が足りない」が33.0%でもっとも多くあげられた。

 幼児教育の重要性が高まる中、保護者はどのような教育が子供にとって最適かを模索している。調査では、幼児教育で重要だと思うこととして「子供の好奇心や創造性を育むこと」がもっとも多く選ばれた。ついで「社会性やコミュニケーション能力を育てること」(46.6%)、「基本的な生活習慣や自立心を身につけること」(46.3%)が続いた。

 さらに、子供に幼児期から身につけさせたい能力としては、「創造力」(49.8%)がもっとも多く、ついで「言語能力」(44.9%)、「自己肯定感」(41.7%)があげられた。これらの結果から、将来の学習や人間関係構築に直結する能力を重視する傾向がうかがえる。

 一方で、子供の教育に対する不安としては、「スマホやゲームなどのデジタル依存」(37.2%)がもっとも多く、続いて「園でのいじめやトラブルの可能性」(26.8%)、「子供の健康管理」(19.5%)があげられた。デジタル機器の影響やトラブルによる子供の精神面、健康管理に関する不安が浮き彫りになった。

 家庭で幼児教育を行ううえでの課題としては、「時間が足りない」(33.0%)がもっとも多く、ついで「どのような教育をすればよいかわからない」(31.4%)、「親自身の仕事や家事で手一杯」(28.5%)が続いた。時間的制約や教育方法に関する悩みが大きな課題となっている。

 幼児教育にかける費用については、「6,000円~1万円未満」(17.1%)や「1万円~1万5,000円未満」(13.7%)の層が多くを占める一方で、「0円(お金をかけていない)」(22.6%)という家庭も一定数存在した。費用の使い道としては、「習い事(学習系)」(46.0%)、「習い事(学習系以外)」(42.9%)、「市販のドリル」(33.3%)などが主流となっている。

 保護者が幼児教育において求める内容としては、「自然体験や野外活動を通じた環境教育」(46.7%)や「運動遊びや体操教室」(45.3%)、「基本的なマナーや生活習慣の指導」(42.7%)があげられた。これらの結果から、単に学力を伸ばすだけでなく、子供の身体的・社会的な成長を促す教育が求められていることがわかる。

 幼児教育機関に期待するサポートとしては、「安全な環境の提供」(45.1%)、「個別指導やひとりひとりの特性に応じた対応」(36.4%)、「保護者への定期的な報告やコミュニケーションの強化」(27.9%)があげられた。特に「安全な環境の提供」は、子供を預けるうえでもっとも重視される要素であり、施設の設備や教育方針が安全面に配慮されているかどうかが、保護者の選択基準になっている。

 家庭で幼児教育を行う時間が十分に取れない場合のサポートとしては、「保育園や幼稚園での教育の充実」(46.4%)がもっとも多く求められていた。これは、共働き世帯の増加などによって、家庭内での教育だけでは補いきれない部分を幼児教育機関に期待する傾向が強まっていると考えられる。

 今回の調査から、幼児教育に求められるのは、単なる「知識の詰め込みによる学力向上」ではなく、子供の興味や個性を尊重した上で「創造性」や「社会性」、「基本的な生活習慣」など、幅広い分野にわたる成長のサポートであることが示された。しかし、その実現には家庭だけでなく、幼児教育機関、地域社会、さらには行政のサポートが不可欠であることも明らかになった。

《風巻塔子》

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