2025年3月12日(水)、令和7年度(2025年度)大阪府公立高等学校入学者選抜のうち、一般入学者選抜の学力検査が実施された。3月7日の出願締切時点(2025年3月7日発表)で、単位制を除く全日制普通科(専門学科併置校を含む)は募集人員2万75人に対して、学校全体の志願者数が2万271人、競争率は1.01倍となった。
リセマムでは、開成教育グループの協力を得て、「国語」(C問題、B問題)の講評を掲載する。このほかの教科(全5教科)についても、同様に掲載する。
大阪府<国語>講評
(開成教育グループ 提供)
C問題
<総論>
大問1 論説文 やや難
大問2 古文 やや難
大問3 漢字の読み書き・漢文 易
大問4 論説文 やや難
大問5 作文 標準
問題構成は昨年度から大きな変更はなかったが、設問が1問減少した。難易度は若干下がった。
説明的文章の読解問題2問のうち、1問は情報化に関する問題で、現実の事物とは異なる情報やイメージの留意すべき側面について論じた文章であった。もう1問は、感覚的素材を通して美しいものを永遠的なものとする芸術の本質について論じた文章で、いずれも哲学的・概念的な議論の理解が求められた。
設問は段落ごとの要点、接続語、指示内容、主題の要約など、素直でわかりやすいものが多く、本文の理解度や記述力が反映される内容であった。一方、記述説明問題の指定字数は、今年度は3問合計で最大180字となり、昨年度からは大幅に増加し、一昨年と同じ水準に戻った。
古文では、韻文の引用はなかったものの、俳句の発句について論じた俳論が出題された。過去にも和歌の技法や巧拙を論じた歌論の出題例があり、丁寧な読み取りと正確な口語訳が求められた。また、漢文では引き続き返り点に関する問題が出題された。
言語事項では、文法で動詞の活用形の識別が問われ、漢字は昨年度に比べかなり易しくなった。作文は、グラフや数値を資料として示す、公立高校の標準的な傾向に近い出題に戻った。全体として、複雑で注意を要する設問は減り、実力が素直に反映されやすい問題であったといえる。
<トピックス>
・昨年より記述説明問題の字数が増加
B問題
<総論>
大問1 論説文 標準
大問2 古文 標準
大問3 漢字の読み書き・敬語 標準
大問4 論説文 やや難
大問5 作文 標準
問題構成は昨年度と同じであったが、難易度はやや上昇した。
読解問題では、1問は「哲学とは何か」という抽象的なテーマについて読みやすく説明した文章が出題された。もう1問は、日本の建築の内と外の境界にある「中間領域」について説明したやや難解な文章が出題された。どちらも文脈を読み取り、適切な表現を選ぶ力が求められた。記述問題の字数は大幅に増えた昨年度からさらに増加した。
古文は、鑑賞文を伴った複数の読み取りを要求する内容であったが、基本的な理解を重視した問題が出題された。
言語事項では、修飾語の係り受けや敬語に関する問題が出題された。
作文は、一昨年までの標準的な傾向に戻り、グラフや数値を資料として示す形式での出題となった。
<トピックス>
・鑑賞文をともなった古文の出題
このレポートは2025年3月13日(木)に開成教育グループが作成したもの。
協力:開成教育グループ