関西・関東を中心に約280教室を展開する開成教育グループ(成学社)が運営する個別指導学院フリーステップが、「イード・アワード2024塾」高校生・大学受験生の個別指導部門で、「全国 優秀賞」と「関西 優秀賞」を受賞した。成学社の代表取締役社長 永井博氏に、指導への思いと、確実に合格へ導くための独自の仕組みづくりについて聞いた。
満足度調査の際に聞いた「入塾の際に重視したポイント」で、個別指導学院フリーステップは特に「面倒見の良さ」97.7%(平均84.0%)と、「カリキュラムの良さ」95.3%(平均66.6%)が全国平均より突出して高かった。また、認知経路として「兄弟姉妹からの紹介」が全国平均の倍にあたる18.6%(平均9.3%)と、保護者や家族からの支持が高いという特徴がみられた。
指導の最適化で好循環を実現
--今回のご受賞をどのように受け止められているかお聞かせください。
全国と関西で優秀賞をいただけて大変ありがたく思っています。また、「面倒見の良さ」と「カリキュラムの良さ」が評価されて入塾につながっていることは嬉しい限りです。兄弟姉妹からの紹介が多く、家族からの強い支持を受けていることも励みになっています。
--今回、高評価を得られた理由については、どうお考えですか。
ご存知のとおり、フリーステップでは、講師の多くが大学生です。授業は、講師1人に生徒2人で80分の授業ですから、単純に割算すると生徒1人に対して講師が指導できる時間は最大40分になります。実際は、この時間をフルに指導に使えるわけではないので、30分ぐらいの説明時間で成果を出す必要があるわけです。こうなると、遠回りしている時間はありません。
私たちが常に意識してきたのは、講師個人の力量のみに依存するのではなく、ノウハウを形あるものに落とし込むことです。カリキュラムやテキスト、テストなどの形で知識やノウハウを蓄積し、共有することで、どの教室でも質の高い指導を提供できる体制を整えてきました。
実は限られた時間で最高のパフォーマンスを出す「指導の最適化」を行っている個別指導塾は少ないため、必然的に「カリキュラムの良さ」や「面倒見の良さ」でのご評価につながったのではないかと思います。
近年は進路選択の幅が広がっており、以前よりも講師に対する評価は厳しさを増しているように思います。講師採用にあたっては、難関大学に合格した元塾生の採用が一定割合あることで、フリーステップの指導を理解した講師が確保できることと、その講師たちから紹介という形で難関大学生の応募数、採用数が確保できていることで講師の質の高さにつながっています。

目的に応じた大学受験対策
--今年の大学受験も結果が出揃いましたね。
フリーステップ通塾生のみの2025年度合格者数(4月8日時点)は、関関同立が計1,405人、早慶上理とGMARCHに185人が合格。国公立大は、京都大学と大阪大学、神戸大学の合格者数17人を含む303人が合格しています。
合格実績は毎年度公表しており、個別指導塾としては評価をいただいていると自負しております。しかし、実際に保護者が求めておられるのはほかの生徒の合格実績ではなく、「うちの子を、どうやって合格に導くのか?」ということ。そうした保護者の想いに応えるために、合格実績はもちろん、合格に導く学習システムを充実させることに力を注いできました。こうした取組みが、確かな信頼につながっていると感じています。
-- 大学受験の変化と、その対応について教えてください。
大学入試は早ければ年内に合否が決まるというのは周知のとおりです。私立大学は一般選抜の合格者よりも指定校推薦や総合型選抜などを含む推薦入試の合格者が多く、国公立大学でも学校推薦型・総合型選抜による入学者数は年々増加しています。
総合型選抜向けの対策は、厳選された専任講師が対応するオンラインコースで展開しており、高3生・高卒生の受付は「小論文対策コース 基礎編」「志望理由書対策コース」が原則6月開始まで、「面接対策コース」が8月受講開始までとなっています。ただし、国公立2次試験など志望校の受験日程により6月以降も受講が可能な場合もありますので、お気軽にご相談ください。
最近の傾向をみると、一般選抜の入試問題は、各教科ともに問題文が長くなっています。たとえば、英語では長文の資料や図表の読み取りをともなう問題が増え、試験時間内に速く、正確に読み、考える力が必要になりました。2025年度の共通テストでは総語数が約5,700語にまで増えています。従来の模擬試験の結果で苦手な単元や範囲がわかっても、自分にとって「対策が必要なスキル」を把握しきることは非常に困難です。
フリーステップでは、英語力を細分化して無料測定できる独自の「大学入試英語ステータス判定テスト」を用意しており、従来の模試ではわからなかった「単語」「文法」「精読」「速読」の4つの力を測定します。このテストにより、生徒の強み・弱みを明確にし、志望大学の入試で求められる能力とのマッチングを図り、「あなたはこの大学に向いています」「この大学を目指すならここを頑張る必要があります」といった具体的なアドバイスを提供しています。現在、新高3生のみ、塾生以外の方も参加費無料で受けていただけます。
個別最適な進捗管理を実現する2つのカリキュラムテンプレート
--アプリも独自開発されているとのことですが、どのような活用をされていますか。
現在は、成果を体感できる「点数アップシステムS-CUBE」に加え、学習管理システム「My Step Log」、先ほどご紹介した志望校の入試問題との相性を診断する「ステータス判定テスト」など、弱点を強化できるアプリを多数展開しています。
直近で力を入れているのは、フリーステップが30年以上にわたって蓄積してきた膨大なデータの中から、在籍校や志望校をもとに最適なカリキュラムをフォーマット化した「カリキュラムテンプレート」です。目的にあわせて「学校別定期テスト対策版」「志望校別入試対策版」の2種類を用意しています。
推薦入試など通知表を使用する受験方法の場合は、高校1・2年生の成績が評価全体の中で占める割合が大きくなる傾向にあります。「学校別定期テスト対策版」は、各高校で実際に行われた定期テストの問題や範囲表を回収して内容を分析したうえで、学校ごとのカリキュラムを作成しています。そのため、通っている高校で「本当に出題される」定期テストに沿った内容で対策が可能です。
「志望校別入試対策版」は、過去の合格者の受講履歴、確認テストの得点などの軌跡をもとに、志望校合格から逆算して、「いつまでに何をやれば最短距離で合格に繋がるのか」を明確化しています。このカリキュラムテンプレートをもとに教室責任者がひとりひとりの学力にあわせて最適なカリキュラムに調整しているため、個別最適な学習を進めることができます。
カリキュラムと聞くと単なる計画表と思われがちですが、重要なのはその後の進捗管理です。「カリキュラムテンプレート」はアプリでの進捗管理が可能で、現在地がすぐにわかるようになっています。忙しい高校生には、ひたすら問題を解くという勉強方法だけではなく、さまざまな受験パターンに完全対応した弊社のカリキュラムで効率よく対策してほしいと考えています。
全国約280教室と教育格差解消に貢献するオンライン個別指導「LinkOne」
--関東でも「個別指導学院フリーステップ」の看板を見ることが増えてきました。エリア展開について教えてください。
関東にフリーステップ第1号店ができたのが2011年で、14年経って現在は、関西・関東・四国と全国約280教室、1都3県では現在、フランチャイズも含めて66教室を展開しています。
また、オンライン個別指導「LinkOne」を2022年9月に開設しており、地方との教育格差にも対応しています。全国、海外どこにいても難関大学の講師陣がマンツーマンでメリハリのある指導を行い、学習計画カウンセリングで自立学習も確立します。学習管理システム「My Step Log」での豊富な映像授業コンテンツや、デジタルテスト「Lapテスト」が利用でき、学習記録の確認や成績データ分析もできるようになっています。
--今後の計画について教えてください。
新たなサービスとしては、日本語の問題文を正確に読み取る力を判定するテストがあります。これは、各教科において日本語の問題文自体を正確に理解できていない生徒が一定数いることがわかり、開発したものです。テスト結果を分析したところ、たとえば数学では計算ができないというわけではなくて、問題文を読み間違えて正解までたどり着けていない生徒も多いということがわかりました。また判定テストで読み取りが不十分と判定された場合の対策も準備しています。

--ありがとうございました。
「個別指導学院フリーステップ」が選ばれる理由
入試問題を徹底分析し、どの教室でも同等のサービスを提供する個別指導学院フリーステップ。「演習」と「解説」を交互に行う効率的な指導と、「自ら学ぶ力」を育てる授業スタイルに加え、ビックデータを活用した「カリキュラムテンプレート」や「大学入試英語ステータス判定テスト」など、独自のシステムを駆使して、ひとりひとりにあわせたきめ細かな対応を提供する。「点数アップ」と「志望校合格」のための仕組みとともに、限られた時間で手厚い指導を実現し、保護者からの支持を獲得。インタビューを通して、「個別指導学院フリーステップ」が選ばれる理由が見えてきた。