東京大学の松尾・岩澤研究室(松尾研)は、全世界で受講可能なAI教育プログラム「GCI Global」を開講した。アフリカやASEANをはじめ世界33か国436大学から7,721人の受講申込みがあり2025年9月17日、初回講座をベトナム・ハノイ工科大学で開催した。10月開講の国内講座は10月半ばまで募集を受け付けている。
「GCI Global」は、これまで国内で展開してきたデータサイエンス講座「東京大学グローバル消費インテリジェンス寄付講座(GCI)」をベースに英語化した世界で受講可能なAI教育プログラム。この講座の開講は大きな反響を呼び、アフリカやASEANをはじめ世界33か国436大学から7,721人の受講申込みがあったという。
ベトナム・ハノイ工科大学にて開催した初回講義ではセッション1となる「Introduction:Why learn data science?」を実施。今後、PythonやNumPy、Pandas、Matplotlib、SQLなどを取り上げ、セッション14まで開講する予定となっている。
松尾研は「知能を創る」ことをビジョンに掲げる研究室で、AIの基礎研究をもとに年間30講座以上を開講。国内においては、中学生から大学院生まで幅広い学生が文理を問わず受講し、累計講座受講者数は7万5,000人を超える。
近年は、講義のグローバル展開を推進。TICAD(アフリカ開発会議)では、石破総理と松尾研がアフリカで3万人のAI人材を育成する目標を発表したことも注目を集めた。今回の「GCI Global」はその延長線上にある取組みで、国際協力機構(JICA)などと連携し、アフリカやASEANをはじめとする世界の学生に学びの機会を提供する。
今後の展望として、2025年度内にさらなる拡充を図り、世界各地での現地講義や共同プロジェクトを予定。各国の大学と連携しながらAI教育の裾野を広げ、グローバルなAI人材の育成とコミュニティ形成を推進する。また、日本の産業の発展にも寄与することを目指す。
GCI Globalは、東大生はもとより全国の学生が完全無料で受講可能。10月開講の国内講座は10月半ばまで募集を受け付けている。詳細はGCI Webサイトにて確認できる。