【大学受験2026】国公立大の理工・情報系で相次ぐ再編、情報I配点化も…旺文社分析

 旺文社教育情報センターは2025年9月、各大学の選抜要項が出そろったことを受け、入試動向分析「2026年の国公立大入試はこう変わる!」を公表した。新課程入試2年目となり、共通テスト「情報I」の扱い見直しや、推薦型・総合型選抜の拡大、理工系・情報系の学部新設・再編が引き続き進む。

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旺文社教育情報センター
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 旺文社教育情報センターは2025年9月、各大学の「選抜要項」が出そろったことを受け、入試動向分析「2026年の国公立大入試はこう変わる!」を公表した。新課程入試2年目となり、共通テスト「情報I」の扱い見直しや、推薦型・総合型選抜の拡大、理工系・情報系の学部新設・再編が引き続き進む。偏差値の高い大学や志願者の多い大学でも方式・配点・募集人員を変更する動きがみられる。

 国公立大の2026年入試「選抜要項」がすべて出そろい、各大学の募集人員、入試科目・配点等が正式に発表された。旺文社教育情報センターでは志願動向に影響しそうな変更点を分析し、紹介している。

 学部の新増設・改組は、文部科学省の理系人材育成強化支援政策を受け、理工系や文理融合の情報分野を中心に動きが活発になっている。山口大学は工学部知能情報工学科を改組する形で情報学部を新設、佐賀大学はコスメティックサイエンス学環を、熊本大学は共創学環を新設予定。公立では旭川市立大学、長野大学、福井県立大学が新学部を開設する。また、既存の学部で複数の学科を整理する動きも最近の傾向としてみられ、信州大学や兵庫県立大学、九州工業大学、熊本大学などが既存学部の1学科化を進める。

 共通テストでは「情報I」を必須化・配点化する動きが広がる。北海道大学は全学で情報を配点化、北見工業大学は前期で選択から必須へ変更し科目数を7から8へ増加。富山県立大学は全学部で5から6科目に増やし、高知大学も一部学部で情報を配点化する。初年度は平均点が上昇したが、2年目は難化が予想され、出願はより慎重になるとみられる。

 学校推薦型・総合型選抜は引き続き募集枠が拡大し、特に理工・情報系で「女子枠」の新設・拡大が目立つ。京都大学理学部や大阪大学基礎工学部は前期の募集人員を減らす一方で推薦型・総合型の女子枠を新設。広島大学工学部でも同様の枠を設ける。

 2段階選抜では、東京大学理科三類が前期の予告倍率を約3倍から約2.8倍に引き締め、東京科学大学も理工学系全学院で予告倍率を4倍から3.5倍に調整。前橋工科大学工学部の中期、奈良県立医科大学医学部の後期でも、同様の引き締めが行われる。一方で、横浜市立大学理学部は後期の予告倍率を約10倍から約15倍へ緩和、お茶の水女子大学は全学の前後期で2段階選抜を廃止するなど対応は分かれる。

 そのほか、山形大学は地域教育文化学部を「教育学部」に改組、定員を20人減の145人とし、さらに教育学部・医学部の後期を募集停止。茨城大学の地域未来共創学環、広島大学の法学部(昼・夜)などでも後期を募集停止する。北海道大学医学部保健学科は前期の募集人員を増員。旭川医科大学医学部医学科は後期を募集停止し、前期の募集人員を増員する。筑波大学日本語・日本文化学類は前期を新設。福井県立大学は2年連続の学部増設を行い、地域政策学部を新設する。岡山大学の法学部・経済学部は夜間を募集停止とし、佐賀大学・熊本大学は両大学の教育学部に共同教員養成課程を設置する、といった動きがみられる。

 旺文社教育情報センターは、2026年度の一般選抜は大きな制度変更は少ないが、推薦型・総合型の拡大や「情報I」の配点化など個別要素が出願に直結すると指摘。受験生・保護者には、科目数や配点、2次の出題範囲、前後期の実施有無を確認し、早めに併願計画を固めるよう呼びかけている。なお、募集人員や方式は今後変更の可能性があるため、各大学が発表する最新情報を随時確認してほしい。

《畑山望》

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