愛知大学は2027年4月に「社会情報学部(仮称)」を設置する構想を発表した。同学部は、これまで社会科学系学部が蓄積してきた教育・研究をベースに、経済学・経営学を中心とした社会科学の知識を授けるとともに、情報科学のツールを用いて社会問題の解決に貢献する人材育成を目指す。
社会情報学部(仮称)は、入学定員が185名で、名古屋キャンパスを拠点とする予定。大学卒業者には「学士(社会情報学)」の学位が授与される。
同学部の設置理念は、愛知大学の「新たな世界平和と文化に貢献できる国際的視野と教養を備えた人材を養成するとともに、地方文化の振興を目指す」という建学の精神・理念に基づいている。情報通信技術の特性を正しく理解し、社会科学の視点から現代社会の諸課題を解決するための有益な知見を導き出し、それを地域社会および国際社会に向けて発信する能力を備えた人材の育成を目指す。
アドミッション・ポリシーとして、知識を得ることを喜びとし、それを論理的に考える学生を求めている。加えて、現代社会の問題に関心を持ち、問題解決に主体的に取り組む意欲を持つ学生を受け入れる。
育成する人材像は、経済学・経営学などの社会科学に加え、統計・データサイエンス、AIを学び、変革の激しい社会に適応できるスキルを身に付けることが求められる。具体的には、(1)経済学・経営学などの知識を基に情報技術と社会の相互作用を理解して問題解決に取り組む人材、(2)他者と協力して知識を効果的に伝えることができる人材、(3)新たな技術を学び、これを実践に生かす能力を備えた人材である。
学びのポイントとしては、(1)社会科学の知識の習得、(2)情報科学の基礎と実習、(3)3つの専門コース(経済情報、経営情報、情報・AI)を設け体系的に学べるカリキュラムが組まれている。また、実務に即したProject Based Learning(PBL:問題解決型学習)の導入により、企業や自治体からのデータ提供を活用した実習も予定されている。
学生は2年次から興味に応じて3つのコースに分かれ、深く専門的な学びを続けることができる。経済情報コースでは、経済学の基礎からデータを使った分析手法を学ぶ。経営情報コースでは、経営学の基礎分野を学んだあと、流通やファイナンスの専門的知識を深める。
情報・AIコースでは、情報システムやAIの基礎理論を学び、統計学と合わせて利用する実践的なスキルを習得する。また、全体のカリキュラムを通して、社会科学の基礎知識を学び、実社会での応用方法を習得することを目指す。
卒業後の進路として、政府機関や地方自治体における政策分析・調査研究、公的データ整備や、製造業でのデータ分析、流通・販売管理などが見込まれている。金融業界ではリスク管理や将来予測に、商社や通信、運輸業界では市場データの分析に携わることが想定されている。
さらに、経営幹部候補としての企業貢献や、教育・学習支援分野での活躍も可能で、高度専門職業人材や社会科学、データサイエンス、AIなどの関連領域の大学院への進学も選択肢として考えられる。
「社会情報学部(仮称)」の特設サイトも愛知大学公式Webサイトにて公開されており、学部の特徴やカリキュラムについて詳しい情報が提供されている。なお、設置が構想中であり、内容が変更となる場合もある。

