発掘された明石の歴史展「船上城から明石城へ」11-1月…明石市立文化博物館

 明石市立文化博物館は2025年11月13日から2026年1月12日まで、企画展「発掘された明石の歴史展『船上城から明石城へ』」を開催する。明石地域で城郭から発掘された出土品を取り上げ、城の歴史を紹介する。観覧料(税込)は、大人200円、大高生150円、中学生以下無料。

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「明石御料地其一」明石名所写真帖(宮内庁書陵部蔵)
「明石御料地其一」明石名所写真帖(宮内庁書陵部蔵) 全 5 枚 拡大写真

 明石市立文化博物館は2025年11月13日から2026年1月12日まで、企画展「発掘された明石の歴史展『船上城から明石城へ』」を開催する。明石地域で城郭から発掘された出土品を取り上げ、城の歴史を紹介する。観覧料(税込)は、大人200円、大高生150円、中学生以下無料。

 この企画展は、「船上城から明石城へ」をテーマに、明石地域の中世から近世にかけての城郭の歴史を紐解くもの。近年、船上城下跡や明石城下町跡の発掘調査が盛んに進められており、そこから出土した瓦や陶磁器類から、当時の城を取り巻く城下町の姿が徐々に明らかになってきている。最新の調査成果も含め、明石地域で展開した城の歴史を多角的に紹介することを目的としている。

 見どころの1つは、魚住城など明石地域の中世城郭の紹介である。明石市内の海岸沿いには大蔵谷や和坂、魚住に中世の城があった。また、明石川やその支流沿いの神戸市には端谷城や枝吉城などの城が存在した。これらの城跡の発掘調査で見つかった遺構や遺物から、城の縄張りやその歴史的推移をたどる。特に、端谷城跡から出土した「甲」は、この時期の武士の装いを知るうえで貴重な資料である。ほかにも、福中城の土師器鍋や備前焼壺、脇村構居の青磁碗、魚住城の五輪塔地輪部など、各地の城郭からの出土品が展示される。

 また、船上城跡の調査成果を一堂に集め紹介する。船上城は、天正13年(1585)に明石に転封してきた高山右近によって築かれた。近年の発掘調査の成果により、大きな堀をめぐらせた城であったことがわかってきている。会場では、当時の鬼瓦や軒丸・軒平瓦、織部焼などの陶磁器類を展示し、港を背景に栄えた城下町の姿を紹介する。土師器や陶器、瓦など、当時の人々の生活をうかがわせる資料も公開される。

 さらに、明石城の特徴が絵図や出土物から明らかにされる。明石城内および、城下町の武家屋敷跡や外堀、町屋跡の発掘調査から得られた知見と、残された絵図との対比を通して、その構造や当時の武家、町人の暮らしぶりを解き明かす。中でも、明石城の本丸にあった御殿の屋根を飾っていたとみられる「鯱瓦」は一見の価値があるという。このほか、鬼瓦や陶磁器、絵図なども展示され、明石城と城下町の全体像に迫る。

 展示資料は、中世城郭から近世城郭、近代の舞子砲台に至るまで多岐にわたる。中世城郭関連では、端谷城から出土した宝袋文鬼板や天目茶碗、枝吉城の土師器や瓦、蟹坂構居の唐津焼皿などが並ぶ。近世城郭では、明石城の鯱瓦や明石城下町の土器・陶磁器などが展示され、時代の移り変わりと共に変化した城のようすをたどることができる。

 会期中には関連事業として講演会も開催される。日時は2026年1月10日の午後1時から午後3時まで。明石市歴史文化財担当の稲原昭嘉氏による報告「船上城の発掘調査成果から」と、城郭研究家の本岡勇一氏による講演「CG再現で考える明石城の構造」の2本立てで行われる。定員は80名で、事前の申込みが必要。申込みは2026年1月9日まで、同館Webサイトの申込フォームにて先着順で受け付ける。手話通訳や要約筆記の希望にも対応する。

 観覧料は大人200円(税込)、大学・高校生150円(税込)で、中学生以下は無料。20名以上の団体割引や65歳以上の高齢者割引、各種手帳による割引制度もある。また、11月16日と12月7日は無料開館日となっている。休館日は月曜日だが、11月24日と1月12日は開館する。

◆企画展 発掘された明石の歴史展「船上城から明石城へ」
日時:2025年11月13日(木)~2026年1月12日(月・祝)9:30~17:30(入館は17:00まで)
※休館日:月曜日(ただし11月24日、1月12日は開館)
※無料開館日:2025年11月16日(日)、12月7日(日)
会場:明石市立文化博物館 特別展示室1階(兵庫県明石市上ノ丸2-13-1)
対象:誰でも
参加費:大人200円(税込)、大高生150円(税込)、中学生以下無料
※各種割引あり
申込方法:不要(直接会場へ)

◆関連事業 講演会
日時:2026年1月10日(土)13:00~15:00
会場:明石市立文化博物館 2階大会議室
対象:誰でも
募集人数:80名(先着順)
締切:2026年1月9日(金)
参加費:無料(ただし観覧券が必要)
申込方法:明石市立文化博物館Webサイトの申込フォームから申し込む

《風巻塔子》

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