旺文社教育情報センターは2025年11月21日、教員向け教育情報サイトに「2026年入試 女子枠拡大続く」と題したPDFの資料を公開した。2026年入試の女子枠の実施状況と、多様性に配慮したほかの入試の事例などをまとめている。
資料によると、国立大学における理工系分野での「女子枠」募集人員は、2026年入試で前年度比184人増の736人に達したという。これは3年前の実施時と比較すると、19倍に相当する拡大ペースになる。
文部科学省が大学入学者選抜実施要項で、「理工系分野の女子」に初めて言及したのは2023年入試向けの要項からで、これを受けて多くの大学が女子枠を導入し拡大を進めてきた。私立大でも理工系で女子枠を実施する大学が増加しており、久留米工業大のように女子の受験料を免除する例も見られる。一方で、東京家政学院大や太成学院大(看護)では、男子を対象とする入試を導入する動きもあるという。
多様性に配慮した入試は女子枠に限らず、児童養護施設出身者や生活保護受給世帯を対象とした特別選抜、働きながら学ぶ意欲のある者に対して大学が就業の場を用意する入試など、家庭環境や社会的背景などに配慮した枠も拡がりを見せている。いずれも受験生の適性や学習意欲を丁寧に見るため、総合型選抜・学校推薦型選抜で実施されることが多いという。
2026年入試で新たに女子枠を設ける国立大学は、岩手大や山形大、埼玉大、大阪大、広島大、愛媛大など。私立大学は北陸大や大阪歯科大、大阪電気通信大などが新たに設置する。さらに2027年入試では横浜国立大、静岡大、九州大が新規導入を、2028年入試では三重大が実施の拡大を予告している。
旺文社の資料では、2026年入試で女子枠を設ける大学の情報などを一覧で掲載しており、募集学科・専攻・コース、募集人員、入試名を大学ごとに確認できる。

