気づけば、2025年も残りわずか。大学受験の準備が気になり始める高校生にとっては、「進級したらがんばろう」「学年が上がってから本気を出そう」そんな思いがよぎる時期だが、実はその一歩を少し早めることで、4月のスタートダッシュに大きな差がつく。
駿台予備学校(以下、駿台)では、大学受験準備に向けた最初の一歩を力強く後押しするために、「0学期スタート講座」の受付を開始した。新しい学年が始まるにあたり、良いスタートダッシュが切れるよう、学年ごとの課題にあわせて「正しい受験勉強法」を早期に確立させる駿台の新たな取り組みだ。その狙いと効果を、駿台現役フロンティア吉祥寺校の校舎責任者・新井佑太朗氏に聞いた。
1月は新学年のゼロ学期。早めに不安を解消
--1月以降は多くの生徒が新学年を意識して勉強を始めることから、「新学年のゼロ学期」とも呼ばれています。駿台でも、新学年を見据えて生徒や保護者からの問い合わせが増えているそうですね。
11月ごろから、「新しい学年に向けて早めに動きたい」というご相談が増えてきます。新高1生(現中3生)の場合は中高一貫校の生徒が中心で、特に保護者の方が大学受験を見据えて情報を集めるために来られるケースが多いです。ただ、志望大学はもちろん、入試方式も一般選抜か総合型選抜か、あるいは学校推薦型選抜かなど、決めきれていない段階ですので、どの入試方式にも対応できるようにしておきたいというご相談をよくいただきます。新高1生では保護者の方が危機感をもっている一方で、生徒本人はそこまで実感がないことも多いです。
新高2生(現高1生)は、高校生活にも慣れて、勉強や部活が軌道に乗ってきた時期。少し余力が出てきたので、「勉強量を増やしたい」「負荷を上げたい」と、塾・予備校探しを始める生徒が多くなります。ちょうど高1の秋ごろに文理選択をする学校も多く、それが志望校や勉強の方向性を考えるきっかけになっているようです。また、一般選抜をメインで考えているけれど、総合型選抜や学校推薦型選抜といった年内入試も視野に入れておくため、学校の成績も大事にしようと学校の勉強に並走してもらえる塾・予備校を探している方も多いです。

4月から高3になる現高2生は、いよいよ受験生ということで、焦りを感じながら相談に来ます。同じ学年の友達や先輩からの情報で「少しでも早いスタートが必要」という意識が浸透しているように感じます。吉祥寺校でも、部活を続けている生徒が多く、「受験勉強を始めたいけど、部活もまだ終わっていない」というご相談も多いので、限られた時間の中で、どう始めるかを一緒に考えていきます。
駿台では通常、4月スタートで年間カリキュラムを組んでいますが、「学校とちゃんと両立できるか」「授業の内容についていけるか不安」という不安は早めに解消しておきたい。4月からの本格的な授業にスムーズにつなげられるように、良いスタートダッシュを切りたいという生徒の意欲を後押しするために、新学年を見据えた「0学期スタート講座」を開始することとなりました。
着実な基礎固めを図る講座+自習室利用や個別相談も可能
--0学期スタート講座の特徴と内容について教えてください。
0学期スタート講座の基軸は、4月から新学年の学習にスムーズに入っていけるよう、1~3月で学習内容の抜けや不安を確認する基礎固めです。地域や校舎の特色にあわせた内容で、新高1・2生には英語と数学、新高3生には英語と数学に加えて理科や社会、難関大志望者向けの講座など多数用意しています。
英語と数学に関しては、新学年の迎えるにあたって、押さえておくべき単元を確認し、定着を図る講座が中心です。この2つは積み重ねの科目と言えます。自分の弱点を把握し、土台を整えておくことで、4月以降に伸びやすくなります。
新高3向生向けの理科や社会については、高1のころに学んだ範囲をもういちど整理し直す基礎固めに加え、先取りできる講座も用意しています。

授業は、50分×3コマの構成です。多くの高校が採用している50分を1単位としているので、集中力も保ちやすく、普段の生活リズムから大きく崩れることもないと思います。
--志望大学など、どのような生徒が対象となる講座でしょうか。
基本的には、志望大学の難易度や学部系統を問わず対応できるよう、基礎固めをするための構成になっていますが、早慶大や難関国公立大、医学部に対応する講座も用意しています。そうした講座では、基礎から発展へとつながっていく「難関大に必要な基礎力」をしっかり養う内容になっています。
--学習面でのサポートもあるのでしょうか。
もちろんです。0学期スタート講座の受講生も、自習室の利用や学習相談が可能です。駿台では、受験指導や生徒指導のプロである「進路アドバイザー」と、駿台OB・OGの現役大学生である「クラスリーダー」によるダブルサポート体制を整えています。進学相談はもちろん、学習方法に関する質問など、さまざまな相談に対応しています。
また、個別質問アプリ「manabo」も活用できます。スマホやタブレットでわからない問題を撮影・投稿すると、遠隔で講師(PT=プライベートティーチャー)が丁寧に解説してくれる仕組みです。
こうしたサポートを生かして、1月から学習習慣や新学年の勉強への意識づけを始めてほしいですね。
-- 1月から入学し授業に慣れておくことで、4月から本格的に始まるカリキュラムへの向き合い方がつかめるのも大きなメリットに感じます。
そうですね。高校生は部活もあって忙しいですし、どうしても「まだ時間があるし」と思ってしまいがちなのですが、一方で「周りが勉強を始めているな」「成績が追い越されそう」と焦りを感じている生徒も多いのです。
焦りを感じてしまうと、先取り学習でテクニックの取得に走りがちですが、基礎が抜けていると、どんなに応用をやっても成果につながりにくく、結局は時間の無駄になってしまいます。そういう生徒たちにとって、1月からスタートして勉強に向かう姿勢を作っておくのは、漠然とした不安感を解消する意味でも良いと考えています。
良い先取り学習には、明確な目的と計画性が大切
--個人で先取り学習を取り組む場合、どのような落とし穴があるのでしょうか。
先取り学習には「良い先取り」と「悪い先取り」があるんです。うまくいっている先取り学習は、「何のために学ぶのか」という目的をしっかり意識できている状態です。その結果、「小さな成功体験で自信がつく」「得意分野を自覚して効率良く学べる」「好奇心が刺激されて学ぶことが楽しくなる」といった良いサイクルが生まれます。
一方で、先取りすること自体が目的になってしまうと、うまくいきません。「勉強が嫌いになる」「詰め込みで理解が伴わない」「他人と比べて焦る、あるいは見下す」といった悪循環に陥りやすい。個人で先取り学習を進めようとすると、目的意識が曖昧になりやすく、結果的に効果がわかりにくいということが考えられます。
だからこそ、「良い先取り」にするには、今するべき学習が十分に定着しているかを確かめながら進めることが大切です。定着していないまま先取り学習に取り組んでしまうと、結局どちらも中途半端になってしまう。これが、先取り学習のいちばんの落とし穴だと思います。
--うまく軌道に乗せるには、どのようなことに注意が必要でしょうか。
落とし穴を避けるためには、基礎をしっかり固めることが大切です。もし今やっている内容が十分定着しておらず、振り返る必要がある段階なら、焦って先に進むよりも、理解を深めることのほうが、結果的に力になります。
また、先取り学習をする場合、多くの生徒は自分でスケジュールを立てて学習を進めることになると思います。そのときに大事なのは、「学習の指針」と「スケジュール管理」です。

せっかく先取りをしても、気づいたら学校の授業が追いついてきて、結局は先取りになっていないこともあります。そうならないためには、きちんと計画を立てて、「いつまでにどこまでやるか」を明確にしておくことです。今回の「0学期スタート講座」であれば、1月のうちに現状を把握し、基礎を固めておくことで、効率的に先取り学習ができるよう構成されています。
勉強の本当の楽しさがわかる! それが駿台の授業
--1月から始めることのいちばんのメリットは何でしょうか。
1月から「予備動作」として動き始めておくと、4月を迎えるころにはしっかりとした準備が整っている。新学期からはすでに決めた計画に沿って勉強をスタートできる。それが、いちばん大きなメリットですね。
逆に、「4月からで良いか…」と先延ばしにすると、その分だけ差が広がってしまうことも。さらに多くの受験生は、4月になってもまだペースがつかめず、学習計画を立てきれないまま進んでしまうケースも多いのです。
大学受験で最終的に合否を分けるのは、他の受験生にどれだけ差をつけられるか。先取り学習というのも、「早く始めることで差がつく」取り組みです。学習計画を立てるのも、早めに準備しておけば、それだけ先手を打てます。学年別のメリットは次のとおりです。
1月スタートのメリット
新高1生(現中3生)
高校生活のスタートダッシュを切ることができます。年内入試を視野に入れた場合、高1の成績からすでに評価が始まっています。この時期にしっかりと準備を整えることが、高校生活を大きく左右します。特に中高一貫校の生徒は中だるみしやすいタイミング。自分の進路を考えて、入学後の授業をスムーズに理解できるという成功体験があれば、自信をもって高校生活をスタートできるでしょう。
新高2生(現高1生)
受験を見据えた学習基盤を固めることができます。「まだ大丈夫」と思っているうちに、実は周りが動き出していて、気づいたら差がついていたというケースが少なくありません。英・数の基本をおさえながら、〇〇大学を目指すならここまで必要というラインを私たちが明確に示しますので、2年生としての学習をより実践的に進めることができます。
新高3生(現高2生)
受験本番に向けた良い学習習慣を早めに確立できます。この時期に勉強のペースを整えておくことで、春以降の伸びが大きく変わります。また、これから過去問演習など大学受験対策が本格的に始まっていきますが、その段階に入ると、基礎に戻る時間がなかなか取れなくなります。高3になる前の今の時期に、自分の弱点や抜けている部分をしっかり把握しておくと、応用にスムーズに移れる地盤づくりになるでしょう。
--駿台の卒業生インタビューでは「学問の本質を教えてくれる駿台の授業を通して、学ぶ楽しさを知った」といったメッセージをよく聞きます。それをいち早く実感できるのも0学期スタート講座の良い点ですね。最後に大学受験準備に不安を感じている生徒と保護者にメッセージをお願いします。
まずは、大学受験に向けた正しい勉強法を体験する場として、ぜひ0学期スタート講座を活用してもらいたいです。大学受験の勉強法は、中学受験塾での学習経験や中学生までの勉強とは大きく異なります。特に中学受験ではテクニック中心の勉強をしてきたという方も多いと思いますが、駿台の授業ではそうした詰め込み型の学習は行いません。どの学年の生徒にも「量より質」を大切に、「勉強っておもしろい」「理解できるって楽しい」と感じてもらえるような授業を用意しています。
0学期スタート講座では、今後どのような勉強スタイルを身に付けていけば良いのかがわかりますし、なんとなくでも志望校のイメージがある生徒さんにとっては、「最終的にここまで必要なんだ」という感覚をつかむ良い機会になります。しっかり計画を立て、それをこなす経験を積むことで勉強の達成感が生まれ、モチベーションも維持できます。実際に通ってみることで、「勉強の悩みをすぐに解決できる環境がある」「思っていたよりも先生が丁寧で面倒見が良い」と感じていただければ嬉しいです。
入学説明会や個別相談も随時開催しており、0学期スタート講座ご参加後に入学のお申込みいただくと入学金が割引になります。興味のある方はお気軽に説明会にお越しください。
--ありがとうございました。
0学期スタート講座は、早めに学習のリズムをつくり、4月から本格的に学習をスタートできる「準備期間」としての価値が大きい。基礎固め、計画的な学習、そして先輩や講師のサポート、自習室完備という要素が揃っている駿台なら、生徒ひとりひとりが自分のペースで着実に力を伸ばすことができるだろう。先取り学習や新しい学年へのスタートに不安を抱える生徒も、この環境で安心して一歩を踏み出せるはずだ。
「始めるなら早い方がいい。」駿台の1月スタート

