【共通テスト2026】凡事徹底こそ力になる…駿台大宮校に聞く共テ1か月前にやるべきこと

 大学入学共通テストが約1か月後に迫っている。緊張感が高まるなか、限られた時間で実力を伸ばし、合格に近づくためには、いま何を優先すべきなのか。駿台予備学校大宮校・教務課課長代理の田口亜季氏に、直前期だからこそできる学習法や当日の心構えを聞いた。

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【共通テスト2026】凡事徹底こそ力になる…駿台大宮校に聞く共テ1か月前にやるべきこと
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 大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が約1か月後に迫っている。緊張感が高まる中、限られた時間で実力を伸ばし、合格に近づくためには、いま何を優先すべきなのか。

 駿台予備学校(以下、駿台)大宮校・教務課課長代理の田口亜季氏に、直前期だからこそできる学習法や当日の心構えを聞いた。

埼玉・群馬・栃木から通える大宮校、多様な生徒をサポート

--とても大きな校舎ですが、大宮校の特徴について教えてください。

 大宮校の特徴は、高校生・既卒生ともに、理系・文系・医学部・国公立大・私立大専願まで幅広い志望に対応している点です。多様な進路希望をもつ生徒が集まり、それぞれの目標に向かって学んでいます。

 志望校としては、地元の埼玉大学に加え、東北大学を目指す生徒が多く見られます。これは、大宮駅から仙台まで新幹線で約1時間とアクセスが良いことが影響していると考えられます。さらに、大宮駅から数駅の場所には寮もあり、金沢や新潟など遠方出身の既卒生も在籍しています。こうした多様な背景をもつ生徒が共に学んでいることも、大宮校の大きな魅力です。

駿台予備学校 大宮校・教務課課長代理 田口亜季氏

 高校生クラスは随時入学を受け付けており、特に高1の早い段階から通い始める生徒は、近隣の中高一貫校に多い傾向があります。地域的に公立高校の生徒も多く在籍しています。授業は平日18時半開始で、土曜授業も設置しているため、部活動との両立がしやすい環境です。

 一方、既卒生クラスには近隣の生徒だけでなく、路線アクセスの良さから群馬、栃木から通う生徒も多く在籍しています。

--駿台予備学校では地方格差なく、受験勉強ができる環境を整えられるよう工夫されています。大宮校の学習環境や指導の特徴について教えてください。

 駿台では、地域による学習機会の差が生まれないよう、どの校舎でも受験勉強に集中できる環境づくりに力を入れています。大宮校も、「第一志望は、ゆずれない。」という駿台のスローガンのもと、多様な生徒ひとりひとりの思いに寄り添い、目標に応じたきめ細かな対応を行っています。入試形態の多様化にも対応し、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜など、それぞれに合わせたサポート体制を整えています。

 学力面では、得意不得意を含めて個人差がありますので、授業で基礎力を高めることはもちろん、第一志望合格に向けた対策講座も提供しています。たとえば、医学部志望者向けに医学部の大学教授を招いた講演会、東北大の入試問題に精通した講師による特別講座、早慶大志望者への対策講座など、志望大学別の取り組みも積極的に実施しています。こうした特別講座は、生徒たちにとって最新の入試情報を得られるだけでなく、目標を具体化し、モチベーションを高める機会にもなっています。

 駿台の授業の中心はあくまで対面指導ですが、英単語や苦手科目の単元別補強にはICTコンテンツを取り入れ、ひとりひとりの学力や進度に合わせて学習できるよう工夫しています。また、大宮校の特徴として、教室の充実があげられます。ブースで区切られた自習室、入試本番に近い形式で学習に取り組める大教室、質問アプリmanaboでの音声通話や英語の音読練習が可能なmanabo・音読ルーム、休憩スペース(フロンティアホール)など、目的に応じて使い分けることができます。

ホワイトボード付きのブースが並ぶmanabo・音読ルーム

 朝から夜21時まで常に席を確保できるようにしており、いつ来ても安心して利用できます。最近は「自宅では集中できない」「誘惑を断ちたい」と考える生徒が増えているため、自習室の利用を積極的に勧めています。静かな環境の中で、周囲の生徒が真剣に学ぶ姿に触れることで、自然と「自分も頑張ろう」という気持ちが芽生えるようです。

個別ブースで集中できる、駿台・大宮校の自習室のようす

新課程の共通テスト:科目別の注意点とポイント

--共通テストまで残すところ約1か月となりました。ここから本番まで各教科でどのように勉強を進めればよいかを教えてください。

 共通テスト移行後、問題文の長さ、グラフや図表を読み取って解く設問など、情報処理力が求められるようになっていますので、2026年度本番に向けて大まかに科目別の変更点・注意点をご紹介します。

国語

 問題構成が大きく変わり、近代以降の文章の問題が従来の大問2題から3題へ、試験時間も10分延長され90分となりました。大問数は増えたものの、平均点は前年の116.5点から126.7点へと上昇し、難易度としてはそれほど高くなかったといえます。分量の多い設問も含まれているため、「どの大問から解き始めるか」という戦略的な練習が必要です。

英語(リーディング)

 出題形式が一部変更となり、平均点は上昇しました。リーディングは量が多いと言われていますが、2025年度は素材文語数が前年より約700語減少しており、分量面でやや読みやすくなったと考えられます。ただし、2026年度は語数が増える可能性もありますから、語数が多いと想定して対策しておく必要があります。

数学

 数学②は、出題範囲が「数学II」、「数学B」および「数学C」となり、選択解答する項目数が2から3へ増加され、試験時間も10分延長し、70分となりました。新設された数学Cの「平面上の曲線・複素数平面」からは、「複素数平面」のみの出題となりました。過去問に取り組む際は、試験範囲や時間設定が異なることに注意しながら取り組んでください。

理科

 2025年度は、化学の平均点が前年と比べ下がりました。一見すると「見たことがない」ように感じられる問題もありましたが、本質的な考え方、解き方は同じです。教科書の内容をしっかり理解し、問題文を丁寧に読むことで解けるようになります。教科書は暗記するだけでなく、内容をきちんと理解して使える知識になるようにすることが大切です。

情報

 新しく導入された「情報I」は平均点69.3点と、他科目に比べると高めでした。初年度でもあり、比較的易しい問題でしたが、2026年度がどうなるかはわかりません。2025年度の問題を基準にすると、本番で難化した際に焦る原因にもなります。プログラミングに苦手意識をもつ受験生は多いと思いますが、しっかり対策しておくことが重要です。過去問が1年分しかありませんので、予想問題を積極的に解いて慣れておく必要があります。

地歴公民

 地理歴史は「地理総合」と「歴史総合」、公民は「公共」が新設されました。この3つは、過去問が2025年度分のみのため、学校の授業と教科書を軸に勉強をすすめていきましょう。図やブラフ、写真等様々な資料を読み取りながら、学習した知識を活用して、考えながら解く問題が出題されます。単なる用語の丸暗記では対応できませんし、読む分量も多いので注意が必要です。 


 2025年度は新課程初年度だったこともあり、6教科予想平均得点率が上がりましたが、2026年度は難化を想定し、対策しておきましょう。本番で難しい問題や見慣れない問題に遭遇するとパニックになり、問題の内容が頭に入ってこなくなることがありますが、「難しいのは自分だけではない」と心を落ち着け、淡々と解き進めていく平常心が大切です。

 駿台では、科目ごとのポイントをより詳しく解説した『共通テスト全科目解説YouTube動画』を公開しており、非常に好評です。ぜひこれらも活用しながら、本番に向けてしっかり備えてください。

駿台YouTubeチャンネル:「【2026共通テスト】科目別の傾向と対策を解説します。」(2025年11月25日現在7.5万回再生)

直前期は本番想定の演習で、得点最大化を目指す

--共通テスト対策を進めるにあたり、必ずやっておくべきことがあれば教えてください。

 まず、共通テストは総合点で勝負が決まります。得意科目を伸ばすことも大事ですが、どれほど得意な科目であっても満点以上は取れません。苦手科目や苦手分野の補強を念頭にバランス良く学習を進めることが非常に大切です。

 特に直前期には、本番を想定した演習をしっかり行うこと。本番で努力の成果を発揮するには、過去問や予想問題を本番と同じ制限時間の中で取り組み、時間配分の感覚をつかむことが欠かせません。時間不足に悩む受験生は多く、「解けそうだ」と思って時間を使ったのに結局解けず、解けたはずの問題が手をつけられないまま終わってしまうケースも珍しくありません。どの問題にどれだけ時間をかけるのかという「判断力」が得点を左右しますので、限られた時間の中で、自分が取り組む問題の得点を最大化する意識をもって演習に取り組んでください。

 また、共通テストになってからは日常生活を題材にした問題が出題されています。こうした形式に対応するためにも、予想問題に触れ、出題の流れに慣れておくことが欠かせません。駿台では、2026年度版の『共通テスト実戦パッケージ問題 青パック(駿台大学入試完全対策シリーズ)』(駿台文庫)を販売中です。2025年度の出題傾向を踏まえて作成していますので、前年版より精度が高くなっています。マークシート付きで1回分が1冊子となっているのが特徴です。

『共通テスト実戦パッケージ問題 青パック(駿台大学入試完全対策シリーズ)』本番と同じ装丁の冊子でマークシート付き


 予想問題を解く際は、「本番と同じ条件でやる」ことがとても重要です。本番では罫線入りルーズリーフを使った計算はできませんので、普段から問題冊子の余白を使って計算・メモをする練習が必要です。また、マークシートも丁寧に塗ると時間がかかります。時間配分を意識して、細かな部分まで本番に近づけて練習しておくとミスを防げます。英語のリスニングも同様で、1日目の最後に行われるため、集中力が切れた状態で聞き取らなければなりません。疲労した状態でも聞き取れるよう、練習を重ねておきましょう。

「弱点克服」と「凡事徹底」が合否を分ける

--共通テスト1週間前、前日、そして当日はどんなことに気をつけるべきですか。

 学習面では、「直前だからこそ、埋められるところを埋める」姿勢が大切です。わからないところを諦めて放置する姿勢は危険で、伸びる機会を逃すことになります。抜けている知識を確認することで、類似の初見問題にも対応できるようになります。弱点に向き合い、優先順位を判断しながら進めることが、当日の安定した得点につながります。駿台の生徒には、最後まで質問サポートアプリmanaboを活用して、「わからないところをわからないままにしない」ことを徹底するように伝えています。

 勉強はすればするほど課題が見つかるものです。課題があるということは、努力してきたという証拠ですから、悲観することなく、優先順位をつけて解決していってください。

 生活面では、当日は朝からしっかり集中できるよう、生活リズムを崩さずに過ごすことが大切です。受験票や筆記用具、確実に作動する時計の準備、暑さ・寒さへの対策ができる服装も事前に考えておくことが重要です。アルファベット入りの服やスマートウォッチの持ち込みなど、禁止事項にも注意が必要です。長丁場ですので、エネルギー補給に何を持っていくかも大事ですね。このような基本的な確認を前もって済ませておくことで、当日の不安要素を減らし、実力を最大限に発揮しやすくなります。

「直前だからこそ、埋められるところを埋める姿勢が大切」

--共通テスト本番でうまくいく受験生に共通点はありますか。

 「凡事徹底」と言いますが、まさに当たり前のことを当たり前に継続できることだと思います。毎日勉強時間を確保する、基本を大切にする、間違えた時にはきちんと復習する、そして丸暗記ではなく理解して説明できるレベルまで仕上げる。こうした基本の積み重ねが何より大切です。本番は緊張しますし、想定外のことも起こります。そうした場面においても、日々の取り組みを続けてきたという自信が、力を発揮する支えになります。

--共通テストを終えると、それぞれの志望大学での2次試験など、遠方に出向く受験生も増えてきます。各校舎ならではのサポートも行っていると思いますが、大宮校を例に取組みを教えてください。

 共通テストが終わった後は、すぐに切り替えて、私立大入試、国公立大2次試験に向けて学習を継続していくことが重要になります。大宮校では、医学部志望者や東北大などの総合型選抜に向けて面接練習、試験科目に小論文が課される受験生に向け、小論文の個別指導も実施しています。これらは駿台生であれば、すべて追加料金なしで受けることができます。駿台生以外にも、自習室利用が可能な時期を設けていますので、ぜひ活用していただければと思います。

--本番まであと約1か月となった受験生および保護者に向けてメッセージをお願いします。

 本番1か月前は不安や焦りが出てくる時期で、受験生の皆さんはいろいろな気持ちが入り混ざっていると思います。ぜひ「やれることはやり切った」と思える1か月を過ごしてほしいです。最後の最後まで諦めない人が合格します。体調管理に気を付けて、自分自身と丁寧に向き合ってください。

駿台 大宮校の最上階「フロンティアホール」で、勉強の合間にひと息つく学生たち

 保護者の皆さまには、感染症予防など体調管理も含めて“受験はチーム戦”という意識で見守っていただければと思います。合格した生徒からは、ご家庭で「いつもどおりに接してもらえたのがありがたかった」という声が多いです。いつもどおりの生活が送れるようにサポートしながら「頑張っているね」と応援してあげてください。

--来年、または再来年に向けた高1・高2生に向けて、学習に関するアドバイスをお願いします。

 受験勉強は高1・高2からの積み重ねが何より大切です。「思い立ったら吉日」です。早めのスタートを心がけてください。2026年度の共通テストの問題には、未履修分野もあると思いますが、まずは実際に解いてみると良いでしょう。「解けるようになりたい」と具体的な目標をもつきっかけをつくってください。

--ありがとうございました。


 共通テストを直前に控え、心が波立つ時期だからこそ、田口氏の語る「凡事徹底」という言葉が一段と重みを帯びて響いた。特別なことより、日々積み重ねてきた頑張りの継続こそが、最後に自分を支えてくれる力になる。受験生の皆さんが、自分の歩みを信じて、本番で存分に力を発揮できますように。

第一志望は、ゆずれない。
駿台の冬期講習・直前講習
大宮駅より徒歩3分
駿台予備学校 大宮校

《なまず美紀》

なまず美紀

兵庫県芦屋市出身。関西経済連合会・国際部に5年間勤務。その後、東京、ワシントンD.C.、北京、ニューヨークを転居しながら、インタビュア&ライターとして活動。経営者を中心に600名以上をインタビューし、企業サイトや各種メディアでメッセージを伝えてきた。キャッチコピーは「人は言葉に恋♡をする」。

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