世界に通用する英語力と思考力が伸びる子の育て方…J PREP代表が語る「英語教育のこれから」

 英語を使って“世界を理解し、考え、表現する”ことを理念に掲げる英語塾「J PREP」。英語を通して子供の思考力、そして知力を伸ばす秘訣はどこにあるのか。リセマム編集長・加藤紀子が、J PREP代表・斉藤淳先生に英語教育の本質と今後10年を見据えたビジョンについて話を聞いた。

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JPREPには英語力を楽しく、バランス良く身に付け、国際社会で十分通用するレベルまで伸ばせる環境があります。J PREP代表・斉藤淳氏
JPREPには英語力を楽しく、バランス良く身に付け、国際社会で十分通用するレベルまで伸ばせる環境があります。J PREP代表・斉藤淳氏 全 12 枚 拡大写真

 2012年の創設以来、右肩上がりで成長を続け、今や2歳から高校生まで約1万人が学ぶ英語塾J PREP。高い評価を受けているのは、留学や海外経験に頼らずとも、世界水準の英語力を身に付けることを可能にした独自のカリキュラムだ。英語力はもちろん、知力、思考力までを伸ばす秘訣はどこにあるのか。

 J PREP代表・斉藤淳氏に、入試のためではない「未来を生き抜く力としての英語」の本質と、今後10年を見据えたビジョンについて語ってもらった。(聞き手:リセマム編集長 加藤紀子)

J PREPの原点は「日本人留学生は圧倒的に英語が話せない」という危機感

--斉藤先生はアメリカ・イェール大学、韓国・高麗大学などのトップ大学で教鞭をとられた後、2012年にJ PREPを設立されました。当時すでに英語塾は競争過多、さらに少子化という逆風しかない中、それでもなぜ、J PREPを立ちあげようと思われたのですか。

斉藤先生:私が海外で教鞭をとった経験から強く感じたのは、「日本人留学生は圧倒的に英語ができない」という危機感でした。正確に言うなら「普通に受験勉強して難関大学に合格しても、実用レベルには達しない」という事実です。日本の受験勉強にも長所はたくさんあるものの、こと英語に限ってみると、到達できていない、指導も評価もできていないスキルがたくさんあることに気付かされました。特に、自分の考えを筋道立てて整理し、相手に伝えるための力が弱いことを痛感する場面が多く、その土台となる思考力と表現力を伸ばしたいという思いがありました。

 現実的には、大学まで日本国内で教育を受ける子供が圧倒的に多いとは思います。しかし、彼らが将来、社会でさまざまな仕事をしていくうえでは、入試を突破するためではなく、海外の大学で学べるくらいの英語力は身に付けておいたほうが良いのではないか。母語である日本語を犠牲にせずに、英語を「自由で開かれた世界での意思疎通手段」として、英語で自ら考え、判断し、発信できる人を育てたい。そんな問題意識から、J PREPという英語教育機関を立ちあげました。

J PREP代表・斉藤淳氏

J PREPが支持される理由とは…?

--設立から10年以上が経ち、難関中高一貫校の生徒・保護者からも高い支持を集めています。数ある英語塾の中で、J PREPがここまで信頼を得ている理由はどこにあると思われますか。

斉藤先生:それは「総合的なバランス」ではないでしょうか。J PREPは、何歳から始めても、いちばん良いバランスで指導を受けられることが最大の強みであり、支持していただいている理由だと感じています。
  実は言語を操る能力というのは、音楽やスポーツの技能に近い側面があります。楽譜が読めても演奏できるとは限りませんし、一方で楽譜が読めないと音楽を構造的に理解できない。スポーツも体幹を鍛えるだけでは競技で活躍できないですし、一方で技術を磨いても体力がなければ続きません。 英語も同じで、単語や英文法の意味をきちんと理解するための指導ももちろん必要ですが、それを使いこなす練習をしないと実際に使えるようにはならないわけです。

 J PREPはその両方を提供している。つまり、「体幹」にあたる部分をきちんと作ったうえで、将来その子がどんな職業に就いても使えるようにデザインしたカリキュラムなのです。

--英語学習では「なるべく早期教育を」と考える保護者も多いですが、J PREPでは「年齢に応じた最適解」が用意されていますね。

J PREP代表 斉藤淳氏とリセマム編集長による対談

斉藤先生:はい。私は、英語には「間にあわない」とか「手遅れ」といったことはないと考えています。J PREPでは、始める年齢に応じて、何をどの順で、どの深さまで学ぶかを徹底的に考えたトレーニングメニューを設計しています。

 英語教育で失敗するケースの多くは、「年齢にあわない学習内容」を押し付けてしまうことです。 たとえば幼児期であれば、音声を敏感に聞き取り、何度も繰り返したり、音のかたまりで覚えたりする力に長けています。ですから、英語特有の音やリズムに親しみ、楽しむことが有効です。むしろこの時期は、親が自分の受験勉強の成功体験から、無理に単語を詰め込んだり、文法の間違いを訂正したりといったやり方を強いると逆効果です。

  一方で、中学生あたりから始める場合は、論理的な思考力が育っている時期なので、文法はもちろん、発音についても理論的に理解してから進めると一気に習得が速くなります。 幼児期から良いスタートダッシュを切れても、継続して学び続けなければ、社会に出たときに武器となるような英語力には到達できません。そのため、我々は年齢にあわせて知的好奇心をくすぐるような教材を用意し、継続して学び続ける意欲を引き出していくのです。

英語学習の世界標準は「音と文字の対応関係」から

--卒業生への取材では「中1からのスタートでも英語が飛躍的に伸びた」という話が印象的でした。J PREPの英語教育にはどんな秘訣があるのでしょうか。

斉藤先生:J PREPの英語教育の根幹は「フォニックス」です。これは、英語の音を理論的に理解する世界標準の学習法で、英語圏で英語を第1言語として育つ子供たちも学んでいます。日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5つしかありませんが、英語の母音は5文字で20種類、子音は21文字で25種類あります。さらに英語には母音の長音(long vowel)と短音(short vowel)が存在します。たとえばacornのaは長音、appleのaは短音です。英語は文字と音の関係が多層的で、日本語にはない音も多く含まれるということを理解し、正しく発音できるようにするのがフォニックスの目的です。

 このように、新しい言語を学ぶときには「音」から入るのが王道です。第二言語習得理論という学問の研究では、英語を効果的に習得する方法として、「耳から入り、真似をしてみる。次に文字を正しく読む練習をする。書く練習は最後」という大きな流れがベストプラクティスだということがわかっています。つまり、英語を学ぶうえで最初に身に付けるべきは「音と文字の対応関係」です。日本語とは根本的に異なるからこそ、英語は英語のルールで学ぶ必要があるのです。

 J PREPのフォニックス指導では、幼少期には音感を体で覚え、中高生には音と文字の対応関係を理論で理解するといった、年齢にあわせたベストな方法で進めています。フォニックスを身に付けると、英語を正確に発音できるだけでなく、初めて見る単語を読めたり、聞いただけで書けたりできるようになる。そして、英語を英語のまま理解することができるようになるので、話す・書く・読む・聴くの4技能の習得が圧倒的に早くなります。

英語の音を理論的に理解する世界標準の学習法「フォニックス」

--フォニックスは、親世代には馴染みのない学習法ですね。

斉藤先生:保護者の方は、ご自身が受けた英語教育を思い出してみてください。中1の中間テスト前には「オランゲ」とか「フリエンド」とか、教室で不思議な呪文が飛び交っていたのではないでしょうか(笑)。orangeやfriendをローマ字読みで無理やり覚えていましたよね。実は、このローマ字読みが日本人の英語学習においては大きなつまずきの原因となっています。

 本来ローマ字というのは、外国人が日本語を読むために考案されたものなので、英語をローマ字で読むのは、高速道路を逆走するような危険行為なのです。保護者の皆様には、英語学習ではフォニックスを優先すべきということをぜひアップデートしておいていただきたいですね。

世界の最新トピックを教材に…データ分析に基づいたJ PREP独自の教材開発

--もうひとつ、卒業生のお話で印象的だったのは「J PREPの授業は楽しい」という意見でした。長く通われる生徒さんも多いそうですね。

斉藤先生:うれしい意見ですね。J PREPの授業では、ただ英語を学ぶのではなく、さまざまなテーマや教科科目を英語「で」学ぶ教育手法(CLIL:Content and Language Integrated Learning=教科言語統合型学習)をすべてのクラスで取り入れています。これも、世界中の語学授業で取り入れられている手法です。

 たとえば中学生レベルのテキストには、「点字ブロック」をテーマにした文章があります。意外と知られていないのですが、実は日本は障がいをもつ人が社会に参画しやすいよう、さまざまな取組みを創意工夫して実践してきた国の1つで、点字ブロックも日本で生まれたアイデアです。何を目的に作られたのか、なぜ黄色なのか、世界で今どのように活用されているのかといった内容で、生徒たちは興味をもって取り組んでくれます。

「点字ブロック」をテーマにした教材

 「知りたい」という感情は学びの大きな原動力です。生徒たちは、「英語で学ぶことで知識が増える」→「英語でもその知識が伝えられるようになる」→「もっと新しいことを知りたい」という好循環から、楽しみながら英語力を伸ばしていけるのだと思います。

--生徒さんたちの興味・関心が掻き立てられる教材は、すべて独自に開発されていると伺いました。こうしたオリジナル教材の開発はどのように行われているのでしょうか。

斉藤先生:教材を自社開発している理由はシンプルで、理念と教材の内容を一致させるためです。第二言語習得理論の考えに基づいて英語を体系立てて学ぶためには、文法だけ、単語だけ、と英語のパーツを切り取って学ぶわけにはいかず、教材をゼロから作る必要がありました。私自身が世界中の英語教材を幅広く研究してきているので、基本的な方向性は示しつつも、開発には国内外から集まったさまざまなバックグラウンドをもつ人材が関わっています。

 弁護士、研究者、エンジニア、データサイエンティスト、フォトグラファーやジャーナリストといった多分野の専門家で、海外大学院で学んだ経験をもつ人も多く、こうした学際的な知のネットワークのおかげで、幅広い年齢層の生徒たちがワクワクするような充実した教材が作れているのだと思います。

小学生の入門レベルの教材

 小学生の入門レベルであれば、子供が興味をもちやすいお祭りや日本の行事、動植物、天気、食文化などの身近なテーマを選んでいます。一方、中学生くらいになると、政治学、心理学、社会学、言語学、数学、物理学、アートなど、大学に進学したらどんな科目を学ぶかがわかるようなものが増えていきます。

中学生の上級レベルの教材

 留学経験のある方ならピンとくるかもしれませんが、日本に関する話題が出れば説明を求められます。でも、意外と答えに窮する日本人が多い。私自身も若いころはうまく英語で伝えられず、フラストレーションを感じた苦い思い出があります。

 だからこそ、J PREPの教材には、先ほど述べた点字ブロックもそうですが、禅の思想、神道と仏教の違い、歌舞伎、アニメ、茶道や食、長寿といった、日本の精神性や伝統文化などを英語で学べる要素を教材に入れ込んでいます。

 たとえば、「浮世絵は19世紀ヨーロッパの印象派画家たちに大きな影響を与えた」という話をすると、外国の人たちはとても興味をもってくれます。実際に塾生からも、「留学先ではJ PREPで学んだことが役立った」という声も多く、日本はどんな国なのか、自分はどんな人間かといったことを英語で話せるようにしておくことは、社会に出るうえでおおいに役立つ準備になるのです。

AIを活用し、生徒ひとりひとりに最適化を目指す

--教材はどうやって改良していくのですか。

斉藤先生:社内にはデータ分析を専門とするスタッフもいるので、教材の効果をデータで検証する仕組みを取り入れ、問題ごとの識別力や難易度を統計的に分析しています。これにより、どの教材がどの層の生徒に効果的だったかを数値で把握し、問題を入れ替えるというPDCAサイクルを回しながら、教材は常にアップデートしていますね。

--J PREPでは早くからAIを学習にも導入してきたとのことですが、どのように活用されていますか。

斉藤先生:J PREPは、小学校4年生までは週1回2時間半、それ以上は週1回3時間の授業を行っていますが、もちろんそれだけで十分とは言えません。楽器やスポーツと同様、毎日少しずつでも練習を続けることが重要ですので、家庭学習のほうも効果を最大化したいという思いからAIを活用し始め、今では欠かせない存在となっています。

 具体的には、独自に開発した総合英語学習アプリ「J PREP DOJO」を使って、AIが生徒の音声データや回答履歴を解析し、発音の精度や発話のスピード、読解の傾向を可視化し、講師はその結果をもとに授業を再設計しています。語学というのは間違いを許容しながら徐々に修正を繰り返すことで上達していくものです。ところが、10代の多感な時期だと人前で声を出すのを恥ずかしがったり嫌がったりします。AIを使いながら一人で「影練」できる環境は非常に効果的です。

独自に開発した総合英語学習アプリ「J PREP DOJO」

 これはまだ一部の機能で、2026年に本格的な開発フェーズに入り、2027年には完成版をリリースする予定です。今の英語学習環境を見ると、たとえば単語を覚えるアプリ、発音を矯正するためのアプリなどいろいろありますが、残念ながらそれぞれが連動しているわけではありません。「J PREP DOJO」は裏側でデータがすべてつながるので、生徒ひとりひとりに最適化したメニューを組み、週1回の授業と家庭学習がシームレスにつながるような完成図を描いています。

日本語で理解し、英語で実践する…ハイブリッド指導の強み

-- J PREPの教育の質は、先ほどお話にあった「国内外から集まる多様なバックグラウンドをもつ優秀な人材」にも支えられているように感じます。授業で講師はどのような役割を担っていますか。

斉藤先生:J PREPは、日本語母語の講師と英語ネイティブの講師によるハイブリッドでの指導を行っています。英語の習得には英語漬けになるのが望ましいと思われるかもしれませんが、実は学び始める段階では、英語の音に触れながらも、日本語で音の構造や英文法の説明を聞く方が効果的に習得できることがわかっています。見様見真似が上手な小学生でも、日本語母語の講師が英語特有の音の成り立ちやルールを丁寧に説明することで、理論をしっかりと理解し、正確な英語の音が発音できるようになるのです。

 中高生では、フォニックスに加えて文法指導も日本語母語の講師が教えます。一方で、ディスカッションや英作文、プレゼンテーションなど、英語を運用していくところはネイティブの講師が磨いていきます。楽器の演奏にたとえるなら、日本語母語の講師が楽譜の読み方を教え、英語ネイティブの講師が演奏の仕方を教えるようなイメージです。理解と実践を両輪で支えることが、英語で考える力、発信できる力を育むのです。

日本語で理解し、英語で実践するハイブリッド指導

英語教育を通じて育みたい力とは…次の10年に見据えるビジョン

--AIやグローバル化の進展など、教育を取り巻く環境は急速に変化しています。次の10年、J PREPはどんな未来を描いているのでしょうか。

斉藤先生:自動翻訳など、AIが活用できる場面ではどんどん使っていけば良いと思います。しかし実際には、英語で深い対話をするとなると、日本語と英語を直訳してもわかりあえないことが多いものです。英語を学ぶということは、機械的に日本語を英語に置き換える方法ではなく、英語圏ならではの文化を理解し、コミュニケーションの方法を学ぶことだと思うのです。また、比較の視座をもつことで、母語をより深く理解することにも繋がります。

 日本国内でもグローバル化が進む中、これからの未来を生きるうえで、「自分はどのように世界と関わるのか」を考えることが欠かせなくなるでしょう。本人にその気がなくても、日本人は誰もが「日本代表」です。そのためには、日本人としてのアイデンティティの言語化が必要です。

 J PREPは、大学入試を突破することを最終目標にはしていません。英語というもうひとつの思考ツールを使って、より多くの情報に触れ、多角的に物事を見つめ、論理的に考えて判断する。世界と対話し、自分の立場を言語化できる英語力をもつ人たちを送り出していきたいです。

--最後に、子供の英語教育に向きあう保護者の方々へメッセージをお願いします。

斉藤先生:何より大切なのは焦らないことです。今日お話ししたように、英語学習に手遅れはなく、いつから始めてもその年齢にあわせた学習法で追い付くことができます。目先のテストや検定の結果に振り回され、無理に引っ張りあげようとしても、子供を「英語嫌い」にしてしまうだけです。過度な期待や過干渉はやめて、温かく見守ってあげてください。

 そしてもうひとつ、ぜひ保護者ご自身が学ぶ姿を見せてあげてほしいと思います。親が楽しそうに学ぶ姿は、子供にポジティブな影響を与えます。ニュースや本を子供と一緒に読み、気になるテーマについて意見交換をしてみる。そうした知的な時間を家庭で共有できれば、子供は社会に興味をもち、積極的に関わっていきたいと思うようになるでしょう。

 J PREPには英語力を楽しく、バランス良く身に付け、国際社会で十分通用するレベルまで伸ばせる環境があります。ぜひ説明会で、お子さまの知的な養分になるようなカリキュラムを体感してみてください。

--ありがとうございました。


 対談を通して、生徒ひとりひとりが英語を通じて知性を磨き、考え、自らの言葉で語れるようになってほしいと願う斉藤代表の熱い思いを感じた。そして、大きな成長を遂げた今もなお、最先端のテクノロジーと世界中から集まる多才な仲間の力を借りながら、教育の質を高め続けようとする姿勢には頭が下がる。J PREPが育む英語力は、間違いなく子供たちが未来を力強く生きる力になるだろう。

 12月6日からは、2026年度新規入塾生の募集が始まる。「英語を教科としてではなく、思考と表現のツールとして学んでほしい」と考える保護者にとって、J PREPは最良の選択肢の1つとなるはずだ。

J PREPが育む英語力 詳細はこちら

《畑山望》

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