クリスマスケーキ平均4,740円…各社コスト削減で「簡素化」

 2025年のクリスマスケーキ平均価格は前年比179円増の4,740円(税抜)となることが2025年12月6日、帝国データバンクの調査結果から明らかとなった。チョコ・フルーツの高騰でコストを削減するため「簡素化」がトレンドになっているという。

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2025年冬シーズン「クリスマスケーキ」価格調査
2025年冬シーズン「クリスマスケーキ」価格調査 全 4 枚 拡大写真

 2025年のクリスマスケーキ平均価格は前年比179円増の4,740円(税抜)となることが2025年12月6日、帝国データバンクの調査結果から明らかとなった。チョコ・フルーツの高騰でコストを削減するため「簡素化」がトレンドになっているという。

 帝国データバンクは、全国の大手コンビニエンスストア・百貨店・スーパー・洋菓子店などのうち、前年と価格が比較可能なオリジナルケーキブランドを対象に2025年冬シーズン「クリスマスケーキ」価格調査を行った。調査対象は100社・ブランドで、標準的な苺ショートケーキ5号サイズ(15cm、ホール)、または目玉ケーキの税抜価格を比較した。

 同じ対象企業のケーキ価格を比較すると、1年前に比べて179円増(3.9%増)の4,740円(税抜)となった。原材料価格の高騰や包装資材、配送費用の上昇など、物価高の影響を受けて多くのクリスマスケーキが値上げを余儀なくされた。前年から値上げとなった企業(ケーキ)は100社中62社となり、過去3シーズンでもっとも少なかった前シーズンから5社増加した。

 値上げ幅も前シーズンに比べ拡大。値上げ幅「200円台以下」が27社を占め最多となったものの、「400円台」の値上げが9社、「500円以上」が17社となった。一方、「価格据え置き・値下げ」に踏み切った企業は38社で、前シーズンから減少したものの、過去4シーズンでは2番目に多かった。

 ホールあたり3,000円~4,000円台前半の価格が多いスーパーなどの量販店では、定番となるイチゴの使用数を減らすほか、高値が続くチョコレート素材を敬遠するなど装飾・デザインの簡素化、ホールケーキの高さを抑えるといった小型化でコストを削減し、値上げ幅を最小限に抑制する動きがトレンドになっている。また、イチゴの代わりにジュレペーストを使用したり、クリームを代用することで価格の据え置きを目指すほか、原価がより安価なタルト類のメニューを新たに増やすなどの対策もみられ、例年以上に消費者を意識した値付けが目立った。

 スポンジ生地等に欠かせない鶏卵は、生産コストの高止まりに加え、鳥インフルエンザの感染拡大による供給懸念を背景に前年比2割高で推移し、「エッグショック」と呼ばれた2023年にせまる高値圏となった。ショコラケーキなどでは、チョコレートの原材料となるカカオが主産地である西アフリカでの異常気象の影響で記録的高値となり、前年比で3割以上の値上がりとなっている。また食材以外にも、テイクアウト用の化粧箱や食品フィルムなど包装資材では前年に続き大幅な値上げが続くほか、電気・ガス代、人件費、宅配ケーキでは配送コストも上昇傾向が続き、ケーキ価格を全体的に大きく押し上げる要因となっている。

 リクルートが全国の高校生と、その保護者を対象にした調査では、物価高の影響で「家族のクリスマスを簡素化することを検討した」と答えた保護者は41.7%にのぼった。前シーズン同様に、低価格品への人気集中といった「値上げ疲れ」が色濃く反映されている一方、「特別な日に高級ケーキを楽しみたい」というメリハリ消費の傾向もみられるなど二極化の様相を呈しており、今シーズンもクリスマスケーキ商戦の成り行きが注目される。

《吹野准》

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