東大が求める本質的な理解力を着実に身に付ける場として、長年にわたり東大受験生から選ばれ続けているのが、東大に特化した専門校舎「河合塾本郷校」だ。知識の詰め込みや大量の演習に走るのではなく、生徒ひとりひとりが東大合格に近づくために最適な環境づくりを徹底している。
本郷校には、現役生向けの東大特化コース「MEPLO」、既卒生向けの「大学受験科」、さらに無学年制で数学や物理、情報科学などをより高度に深く学ぶ「K会」が揃い、小学生から既卒まで切れ目なく東大をめざせる体制が整っている。生徒に「ここなら自分も東大をめざせるかもしれない」という気持ちにさせ、東大合格へと導く秘訣はどこにあるのか。河合塾本郷校・校舎長の功刀氏、校舎運営チームチーフの水野氏、MEPLO本郷教室長の伊久間氏に話を聞いた。
◆インタビュイー(話を聞いた人)
功刀(くぬぎ)亮氏:河合塾本郷校 校舎長
伊久間未央氏:<現役生向け>東大進学塾MEPLO(メプロ)本郷教室長
水野雄介氏:<既卒生向け>本郷校 大学受験科/校舎運営チームチーフ
河合塾本郷校の独自の熱気とは…“東大をめざすことが当たり前になる”環境
--河合塾本郷校は、全国の河合塾で唯一の「東大専門特化校舎」です。この校舎の雰囲気や生徒の皆さんのようす、他校舎との違いなどを教えてください。
功刀氏:本郷校のいちばんの特色は、「東大をめざすことが“当たり前の選択肢”になっている環境」です。現役生向けコース「MEPLO」も、既卒生向けコース「大学受験科」も、東大に挑戦することを前提に学んでいます。東大入試に精通した講師陣による授業、東大を分析し尽くして作成した専用カリキュラムやテキスト、過去問題や東大入試オープンなどの模試・添削まで、東大対策のすべてがそろう、ほかにはない環境です。栃木や静岡などから毎週新幹線で通う生徒、出身が北海道から沖縄まで河合塾の寮から通う生徒もいて、校舎にいる全員が「東大を本気でめざす」という目的意識の高さが、本郷校ならではの熱気となっています。
生徒たちは目的が明確な分、勉強に対してとても真面目でひたむきです。授業前後の講師室には次々と質問に訪れるのですが、「なぜその解法に至るのか」「背景にはどんな考え方があるのか」といった本質に踏み込む内容が多いのも本郷校の特徴です。
--“本質に踏み込む”という言葉が印象的です。生徒の皆さんが本質について深く考えるようになるのはなぜでしょうか。
功刀氏:本郷校では、「わかったつもり」をそのままにしないことを徹底しているからです。知識をただ覚えるのではなく、自分の言葉で説明し、応用できる状態をめざしています。
これは、東京大学が入学試験の基本方針の1つとして掲げている「知識を詰め込むことよりも、もっている知識を関連づけて解を導く能力を重視する」という考え方と一致しています。本郷校が重視している「本質の理解」とは、まさにこの能力を育てることにほかなりません。
ですから授業では、講師は生徒と一緒に深く思考のプロセスをたどることを大切にしています。「その解法は正しいけれど、条件が変わったらどうなる?」「別の見方をしたら、どんな可能性がある?」と問い返すのは、解答の裏側にある思考の構造を生徒自身に意識してもらうためです。こうした対話を日々積み重ねることで、表面的な知識から本質的な理解へと深まり、考える力へと変わっていきます。

--東大をめざす生徒さんたちがもっともパフォーマンスの良い状況で勉強できるよう、環境づくりの面で工夫されていることはありますか。
功刀氏:ブース型と開放型合わせて300席以上の自習スペースを備え、授業から自習まで校舎内で完結できるようにしています。質問にはいつでも対応できるよう、担当講師のほか、フェロー(質問応対専門の学習指導員)やクラスサポーター、職員チューターが常駐し、帰宅後はWeb質問にも応じる手厚い体制も好評です。


東大をめざす生徒が集まると、どうしても過度な競争の雰囲気を想像されるかもしれませんが、本郷校の場合は「競い合う」というより「切磋琢磨する」という表現がしっくりきますね。周りにはいつも同じ目標に向かって真剣に勉強している人たちがいる。そうした空気が本郷校らしさであり、誰かと比べるのではなく、昨日より今日、自分が伸びていくためのモチベーションにつながっているのだと思います。
学校と塾を両立し、東大に現役合格できる手厚いMEPLOの手厚さとは
--現役の中高生の場合、学校生活や部活との両立など時間の制約も大きいと思います。限られた時間の中で、MEPLOではどのように東大現役合格に向けて力を伸ばしていくのでしょうか。
伊久間氏:おっしゃるとおり、現役生はとにかく時間が足りません。その中で力を伸ばすには、「限られた時間をどう使うか」がすべてです。MEPLOでは、カリキュラムを東大現役合格から逆算して組み立て、徹底した基礎固めから東大の入試問題のレベルまで、必要な力がしっかり着実に定着するよう学習設計しています。エッセンスを絞って集中して取り組むことで、忙しい現役生でも学校生活や部活動と両立しながら、無理なく東大合格まで届くのがMEPLO独自のメソッドです。
--現役で東大合格をめざすとなると、教科書の履修範囲は早々に終えて、高校生の早い段階から受験対策にひたすら取り組むイメージがありますが、MEPLOは少し違う印象ですね。
伊久間氏:はい。東大をめざすというと、やはりそうしたイメージが根強いかもしれませんが、MEPLOでは中高一貫校のカリキュラムに合わせた進度で学校の勉強と相乗効果が出るようにカリキュラムを組んでおり、過度な先取りはしていません。学校での学習は共通テストに必要な知識を得るだけでなく、東大入試で求められる「知識を関連づけて解を導く力」の重要な土台になります。ここをなおざりにしたまま難しい問題を大量に解いたところで、東大合格のために必要な力は一向に身に付きません。むしろ、学校とMEPLOの両輪を無駄なく、そしてタイミング良く回すことで、定着度はぐっと高まるのです。
--特に高3あたりになると、「間に合うのか」という焦りに駆られることが多いと思いますが、やみくもに急げば良いということではない、と。
伊久間氏:そこは強く感じているところです。高3の秋まで部活や文化祭に熱中していた生徒でも、やり切ったあとに一気に伸びて東大に現役合格するケースは毎年数多く経験しています。本気で取り組める期間は人それぞれですが、限られた時間の中でも「何を優先して取り組むか」が整理されていれば、現役生も焦る必要はないと思います。MEPLOとしては、学習内容の整理や優先順位付けのサポートをしております。

--東大現役合格をめざすうえで、学校との両立の悩みや学習への不安などを抱えた際、MEPLOにはメンタル面でのサポート体制もあるのでしょうか。
伊久間氏:MEPLOには、学習面だけではなくメンタル面で中高生を支えるクラスサポーターがいます。現在本郷校には48名が在籍し、東大をはじめとする難関大学に通う現役の大学生です。全員MEPLO出身であり、かつ、生徒が通う中高一貫校(一部都立中高一貫校、都立高校)出身です。また、カリキュラムを熟知しているうえ、自身の経験をもとに、生徒たちと同じ目線で伴走できる点が大きな強みです。
--先ほど校舎長から、本郷校では過去問題や東大入試オープンなどの添削も実施されているとのお話でしたが、これは具体的にどのような指導が受けられるのですか。
伊久間氏:はい。高3になると、MEPLOのカリキュラムの一環として、東大オープンをはじめとした記述形式の模試・過去問演習を年間で11回実施します。これはもちろん解きっぱなしにはせず、クラスサポーターや講師が答案を添削し、「どこが足りなかったか」「どこを直せば得点につながるのか」をその都度フィードバックしていきます。現役生はどうしても時間が限られていますが、やはりこうした実戦演習をしっかりとやり込むことが東大合格に大きく近づく重要な足掛かりとなります。ですから、あらかじめスケジュールに組み込むことで、東大入試本番での実戦力を計画的に鍛えあげていくのです。

浪人の1年を“飛躍の1年”に変える…大学受験科が重視する「やり切った」という実感
--大学受験科では、既卒生の1年間をどのように設計しているのでしょうか。現役生とは違う難しさがあると思いますが、本郷校ならではの指導方針を教えてください。
水野氏:浪人生活は時間が増える分、たくさん勉強すれば伸びると思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。むしろ大切なのは、「理解をもう一度組み直す」ことです。1学期の「基礎シリーズ」で高校3年間の学びを再構築し、2学期の「完成シリーズ」で応用力を鍛え、1月からの「突破シリーズ」で本番形式の演習を重ねていきます。
稀に、大学受験科のテキストが「薄い」と不安視されることがあるのですが、 薄く感じるのは本当に必要な内容だけを残した結果です。深く理解すべき核をしっかりと押さえ、さらに最新の入試傾向を盛り込んだテキストをアップデートし続ける。これは東大に関するデータを蓄積し、研究し尽くしている河合塾の講師陣だからこそできることです。
とにかく量をこなすことを重視する塾もありますが、河合塾本郷校では東大が求める本質の理解につながることを意識しながら、生徒がやり切れる量を徹底して設計しています。というのも、「やり切った」という実感は「自分も解ける」と思える自己効力感につながり、メンタルの安定にも直結するからです。浪人生活は不安とモチベーションの維持との戦いでもあるので、やり切れる演習は学力・メンタルの両面で意味があるのです。
さらに、2学期からの完成シリーズでは、東大入試本番を意識した形式に徐々に移行していきます。ここでも大切なのは、量ではなく質です。解答に至るまでの思考を言語化し、改善することを目的とし、「解く→添削→復習→改善」のサイクルを徹底しています。東大入試は正解か不正解かの二択ではなく、思考の背景や論理の流れを可視化し、言語化することで点数を積み上げます。だからこそMEPLOと同様、添削には力を入れており、すべての2次試験科目で計100回以上の添削を行っています。添削後の復習・改善の段階では、講師、フェローへの質問やチューターとの対話を通じて、自分の答案を客観的に見直していきます。このサイクルを繰り返すことで、「書ける答案」の質が大きく変わっていくのです。

--浪人生として東大をめざすうえで、河合塾の大学受験科が選ばれる理由はどこにあるのでしょうか。
水野氏:いちばんの理由は、東大合格に向けてやるべきことが明確になるからだと思います。東大をめざして勉強してきた受験生には、多くの知識を吸収し、さまざまな公式を使いこなせるほど優秀なのに、「なぜこの公式を使うのか」「この現象にはどんな意味があるのか」といった本質的な問いに対し、疑問を感じたり、立ち止まってじっくり考えたりする経験をしてこなかった人が少なくありません。
先ほど功刀がお話ししたように、東大はこうした本質に踏み込んだ学びを求めるので、「そんなことはもう知っている」と感じる内容でも、もう一度しっかりと学び直しをします。繰り返しになりますが、このような本質の理解こそ、東大合格へのいちばんの近道です。
さらに、講師と職員の「なんとか受からせたい」という熱量も高いと自負しています。生徒が伸びるためにできることなら何でもやる。この講師と職員が本気で取り組む姿勢は、生徒自身の気持ちを後押ししていると思います。一例をあげると各高校のWebサイトで既卒東大合格者数を確認できますが、都内の既卒東大合格者が一番多い都立高校と私立高校ともに合格者の半数以上が河合塾生であるというのも、このような環境を信頼していただいている証だと感じています。
功刀氏:現役生・既卒生にかかわらず、私たちは毎年1人でも多く、いや、全員合格を勝ち取ってほしいと心から願っています。実際に大学受験科で東大合格率90%超のクラスもありますが、一緒に頑張って来た生徒が悔しい結果となった理由を振り返り、本郷校をあげて「東大合格率100%をめざす」という覚悟が熱量になっているのは間違いないですね。
東大は“努力で手の届く場所”
--「東大=天才が行くところ」と、めざす前から諦めてしまう親子も少なくありません。長年多くの受験生を見てこられて、東大は「努力で届く場所」なのか、そのあたりの距離感についてはどうお考えですか。
功刀氏:東大に合格する生徒が特別な才能をもっているかといえば、決してそんなことはありません。ただし、共通している点が2つあります。
1つは日々の学習の中で、「自分の理解を確かめる習慣をもっている」こと。わかったことを口に出してみる、なぜそうなるのか自分の言葉で説明してみる。そうした姿勢が、東大が求める「知識を関連づけて解を導く力」につながっていくのだと思います。
そしてもう1つは、「自分から動ける」ことです。疑問を放置せず、講師やチューターに相談し、学習計画も自ら更新していく。本郷校は自分から動いた分だけ伸びていく環境が整っているので、最初は受け身だった生徒も、主体的に動く仲間に刺激を受けてどんどん動けるようになっていきます。
--東大は、日々の積み重ねはもちろん、主体性や向上心、諦めない心、同じ志をもつ仲間の存在など、学力以外にも合格に近づくための重要な要素があるということですね。家庭ではどのようなサポートができるでしょうか。
伊久間氏:ごく当たり前のことですが、睡眠、食事をはじめ、生活の基本が崩れないようにすることが大切です。ぜひ、お子さまがメリハリのある生活ができるように、ご家庭でサポートしていただきたいですね。
水野氏:ご家庭での声かけも大事だと思います。「模試全然ダメだった…」と落ち込んで帰ってきても、「よく最後までやりきったね」などとポジティブな言葉で返してあげてください。受験が終わった生徒たちに聞くと、そうやって保護者の方が自分の努力を前向きに受け止め、応援してくれたことが何よりの励みになったと言います。

--最後に、東大をめざして走り出している、あるいは「自分には東大は無理かも」と迷っている受験生に向けてメッセージをお願いします。
伊久間氏:「成績が伸びたら東大をめざそうかな…」ではなく、まずは「東大をめざそう」と言葉にしてみてください。言葉にするとその気持ちが目標に変わり、行動が変わります。その一歩が、東大合格へのスタートです。
水野氏:受験でいちばん大事なのは「最後まで走り続ける力」です。努力し続けたという事実は必ず自分の力になります。気持ちが揺らぐこともあると思いますが、そんなときこそ私たちが全力で支え、「東大に行きたい」という気持ちを応援し続けます。
功刀氏:東大は天才だけが行く場所ではありません。努力で手の届く場所です。もちろん簡単な道ではありませんし、大きな壁が立ちはだかることもあるでしょう。しかし、正しい方向に努力を積み重ねれば、必ず前に進めます。本郷校には、努力を正しい方向に導く環境と人がそろっています。東大を本気でめざす皆さんにとって、ここでの学びが大きな飛躍につながることを願っています。
東大は努力で手の届く場所。河合塾本郷校には、その努力を支え、伸ばし、合格へと導くための確かな仕組みがある。講師、チューター、クラスサポーターと、それぞれの役割は異なっていても、すべては「生徒を東大に合格させたい」というひとつの思いでつながっている。
東大合格率100%という夢のような目標も、本郷校ならば…と、取材を通じて確かな手応えを感じた。
東大受験生向けの大学情報・受験対策河合塾東大現役進学塾 MEPLO

