旺文社教育情報センターは、旺文社刊行の「大学の真の実力 情報公開BOOK」の調査データをもとに2025年3月大学卒業者の進路状況を分析し、2025年12月24日にWebサイトで公表した。2025年の進路決定率は88.4%で、4年連続で上昇した。
旺文社では、「進路決定率」を就職率だけではわからない卒業後の進路状況を数値化するため、進学者も進路決定者として扱い、進路決定率は「(進学者数+就職者数)÷卒業者数×100」で算出している。なお、就職者(臨床研修医を含む)は自営業主等と無期雇用労働者とし、有期雇用者と臨時労働者は含めない。
2025年の進路決定率は、前年比1.0ポイント増の88.4%。2022年から4年連続で1ポイント前後の上昇が続いている。設置者別の進路決定率は、国立大学91.8%、公立大学92.5%、私立大学87.5%。国立大学は、公立・私立と比較すると理系の学生数の割合が非常に高く、進学する者が多いため、進路決定率を押し上げる要因になっているという。
男女別では、男子88.3%、女子88.6%。進路決定率に男女の差はほとんどみられないが、進路の内訳をみると、男子は進学者と臨床研修医の割合が高く、女子は就職者が高くなっている。
学部系統別で、全体の進路決定率(88.4%)を上回ったのは、高い順から、医学部、工学部、理学部、農・獣医畜産・水産学部、看護・医療・栄養学部、法学部、経済・経営・商学部(法学部と経済・経営・商学部は88.7%で同率)。医・工・理・農などの進路決定率は例年高く、医師国家試験の高い合格率や工・理・農の進学者の多さが背景にあるという。
大学の規模別に進路決定率を集計したところ、規模の大きいほうが高い傾向がみられた。エリア別では北陸・東海の進路決定率が高く、都道府県別では福井県の96.1%が最高だった。

