地元大学への進学志向が強い東海地区。中でも、学力・研究力ともに地域最高峰に位置づけられるのが名古屋大学(以下、名大)だ。その門戸を叩く受験生にとって今、大きな壁となっているのが、大学入試制度改革だ。学習指導要領では思考力・判断力が重視され、共通テストに「情報」科目が導入されるなど、現役生がこなすべき学習量は増大の一途をたどっている。現役で難関大学の合格を勝ち取るには、これまで以上に緻密で効率的な学習設計が欠かせない。
こうした受験生の切実なニーズに応えるべく、難関大・医学部入試で定評のある駿台予備学校(以下、駿台)は、名大および医学部への現役合格に特化した駿台現役フロンティア千種校を新たに開校する。名大合格への最短ルートをいかに切り拓くのか。今回は、同校の指導を統括する錦織彰氏に、独自の学習戦略と指導の全体像について聞いた。

現役不合格の要因は「無駄な学習の多さ」
--名古屋を中心とする東海地区の大学受験について、最新の状況を教えてください。
東海地区は、全国的に見ても地元大学への進学志向が非常に強いエリアです。名大の入学者データを見ると、東海地区の高校出身者が70%を超えており、他の旧帝大と比較しても地域内進学率が高い傾向にあります。
また、もうひとつの大きな特徴が、医学部志向の強さです。名大、名古屋市立大をはじめ、近隣の岐阜大、三重大、浜松医科大、福井大も身近な大学です。受験生の規模に対して選択肢が多く、必然的に医学部を志望する生徒が多くなる環境にあります。
実際、愛知県にある中高一貫のトップ校では、医学部合格者が東海高校は例年200名を超え、滝高校も100名を超える実績を上げています。これほど多くの医学部進学者を輩出する学校は、医学部熱が高いとされる関西圏と比較しても稀なケースです。
今春開校する駿台現役フロンティア千種校でも、すでに問い合わせをいただいている理系志望者の約4分の1が医学部志望で、地域特有の医学部志向の強さをあらためて実感しています。

--2026年春に開設される「駿台現役フロンティア千種校」について、名大および医学部現役合格に特化した教育環境を作られた背景についてお聞かせください。
名大および医学部志望の高校生が多く集まる千種エリアに新校舎を構えるにあたり、あらためてこれまでの予備校における進路指導のあり方を見つめ直したことがきっかけです。従来の予備校の多くは、授業を担当する講師が進路指導にまで踏み込むケースが少なく、結果として「合格から逆算した最短ルート」の提示が不十分になりがちでした。駿台の調査では、現役生の第一志望合格率は4割程度に留まっていますが、こうした指導体制も更に充実したものが必要と考えられます。
実際、開校に向けて既卒生にヒアリングを行ったところ、現役時代の敗因の多くは、無駄な学習の多さにありました。非常に多くの既卒生が、「自分なりに試行錯誤した結果、共通テスト対策が間に合わなかった」と答えたのです。
特に名大入試は、理系であっても英数理のみに偏らず、いかに全科目をバランスよく学習できるかが勝負を分けます。そのためには、全科目に対しての緻密な学習計画と日々の進捗管理が欠かせません。共通テストの試験日から逆算し、生徒ひとりひとりに合わせたきめ細やかな対応で、現役合格率を80%以上にまで引き上げる。これを目標に、名大と医学部に特化した教育指導体制を構築しました。
講師が授業から日々の学習まで一貫して指導
--駿台現役フロンティア千種校の特長について、詳しく教えてください。
最大の特長は、名大および医学部への現役合格を目標とする生徒たちに対し、それに特化した専用カリキュラムと合格戦略を提供する点にあります。
東大・京大と比べると名大は、共通テストの配点比率が高いため、共通テストの対策が重要です。共通テストで得点を積み上げ、個別試験では取るべき問題を確実に取るという戦い方を、私たちはデータと経験の両面から把握しています。その戦略を支えるのが、駿台現役フロンティア千種校の指導体制です。
駿台現役フロンティア千種校では担当講師が、授業だけでなく進路指導や日々の学習アドバイスまで一貫して担当します。生徒ひとりひとりに対して、講師自らが合格戦略を描き、今の学力に合わせた具体的な学習指示を出せる点が大きな強みです。
さらに特長的なのは、教科横断型の学習設計です。英語や数学といった各教科の担当講師が連携し、情報を共有しながらひとりひとりのために学習計画を立てていきます。たとえばある生徒について、「今は英語を重点的に伸ばしたほうが良い時期だから、数学の課題は少し抑えよう」といった判断を、講師同士が相談しあって決めていくのです。こうした教科間の連携は、他の予備校ではなかなか実現できていない取り組みだと思います。

--親世代が抱く大手予備校のイメージからは想像が付きにくい、非常に手厚い指導ですね。
そうですね。実は、この指導スタイルを、すでに関西の一部の校舎では実践しています。その結果、大阪の公立トップ校に通う生徒たちも、成績が目に見えて向上しました。上位層に食い込む生徒が増え、東大・京大合格にも十分手応えを感じています。退学者の減少や入学者の増加にもつながっており、ご家庭でも成果を十分に実感していただけていると自負しています。駿台現役フロンティア千種校でも自信をもってこの指導スタイルを実現させたいと思っています。
高1・2は共通テスト+基礎、高3から名大+医学部仕様に
--カリキュラムも名大および医学部の現役合格に特化していると聞いています。
高1・高2の段階では、共通テストで高得点を取るために必要不可欠な基礎を徹底することを重視しています。そのうえで、高3からはカリキュラムを名大または医学部向けに大きく切り替えます。特に名大の英語・数学は非常に特徴的ですので、その特性を踏まえ、得点につながる力を養う授業・演習に重点を置いていきます。
また、先ほども触れたように、名大も多くの国公立大医学部も共通テストが重要なため、国語、地歴公民、情報といった共通テスト科目全体を、いかにバランスよく学習できるかが非常に重要になります。どうしても受験生は2次試験対策に意識が向きがちですが、実際には共通テストでの失敗が合否を分けるケース多いのです。だからこそ駿台現役フロンティア千種校では、高1・高2のうちから受講教科だけではなく、全科目を含めたトータルの学習計画をこちらで設計し、無理なく、全科目を仕上げられるよう導いていきます。
--名大入試の英語や数学が特徴的と言われるのは、どのような点でしょうか。
まず数学については、どの問題を取りに行き、どの問題は捨てるかの濃淡が非常に明確です。大問が4問と少なめで、1問あたりの配点が重く、時間をかけて考えさせる問題が中心です。公式や解法の暗記では太刀打ちできず、自分なりに論理を組み立てて答えを導き出す力が強く求められます。そのため、名大の出題傾向に合わせた思考訓練を積んでいかなければ、なかなか得点につながりません。
英語は、文法理解が非常に重要で、感覚的な意訳では点が取りにくいのが特徴です。文構造を正確に捉えたうえで、名大の採点基準を踏まえた英訳や和訳を作る力が求められます。
駿台現役フロンティア千種校では、こうした数学・英語の特徴を踏まえ、名大入試で点を取れる答案を作る指導・添削ができることも大きな強みだと考えています。
目指すのは、学習のパーソナルトレーニング
--現役合格には入試から逆算した戦略的な学習設計が必要ですが、具体的にどういったサポートが受けられるのでしょうか。
駿台現役フロンティア千種校が目指しているのは、いわば学習の「パーソナルトレーニング」です。全生徒に学習計画表を作成してもらい、駿台で受講している教科に限らず、入試に必要なすべての教科を対象に、部活動のある日や帰宅時間を含め、毎日どの教科をどれくらい進めるのかまで細かく具体的に書いてもらいます。提出された計画は講師がチェックし、生徒とやり取りをしながら必要に応じて修正します。提出が滞っている生徒がいればこちらから必ず声をかけ、軌道に乗れるようアドバイスを行います。

学習計画の進捗は、コミュニケーションツール「コミル」のチャット機能を使って報告してもらいます。問題集やノートの写真を撮って添付してもらい、講師はその報告に対して迅速にフィードバックを返します。次にやるべきことを明確に提示し、できていなければ、「なぜできなかったのか」を必ず確認します。実は、生徒自身、「やるべきことができていなかったら注意してほしい」と思っているケースが多いのです。こうしたやり取りをほぼ毎日行うことで、学習が着実に積み上がるようにサポートしていきます。
--子供自身が「注意してほしい」と思っているというのは意外です。部活や通学で疲れていたり、やる気が出なかったりするときも、注意を受けてでも「ちゃんと勉強しなくては」と思っているものなのですね。
高校生だから自律的にやるべきという考え方もありますが、こうしたきめ細やかなサポートを関西で先行実施した中で実感したのは、多くの生徒が「努力を認められたい」「頑張りを見てほしい」という気持ちをもっているということです。
高校生はよく「何をして良いかわからない」と言うのですが、それがついサボりたくなったり、勉強をするのが嫌になったりする要因とも言えます。ですから、そこをプロとしてやるべきことをしっかりと明示してあげると、生徒たちは「できるようになった」と自信を感じられるようになります。そして、「よく頑張ったね」「ここが伸びているね」と、実際に教えている先生から声をかけられることが、次の学習への意欲につながるのです。このように駿台現役フロンティア千種校では、講師は教える存在であると同時に、合格というゴールに向けて励まし続けるメンターのような存在として、日々の学習に並走していく存在でありたいと考えています。
単元レベルまで踏み込んで、やるべきことを明確に提案
--公立高校や私立中高一貫校など、通っている高校によって授業進度や学習内容にばらつきが見られます。この点は駿台現役フロンティア千種校ではどのような配慮をされていますか。
高3になると、どの学校でも受験を見据えた学習に入るため、進度の差はそれほど問題になりませんが、高1・高2では、公立校と私立一貫校とで、授業内容や進み方に大きな開きがあります。そのため駿台現役フロンティア千種校では、高1の間は公立校と私立一貫校でクラスを分け、高3からは学力別のクラス編成に切り替える方針です。
公立校は私立一貫校の進学校に比べて進度が遅く、焦りや不安を覚える方もいらっしゃると思います。けれども現役生は学校生活が忙しいので、駿台現役フロンティア千種校では通塾は週3日までで十分だと考え、必要な教科のみに絞るようアドバイスします。結局合否を分けるのは、結局、家でどれだけ適切な学習ができるかなのです。
今まで多くの受験生を見てきて、私たちは「ここさえできれば合格できる」というラインを把握しています。その生徒が合格するために、今どこを強化し、どこを最低限に抑えるべきか。単元レベルまで踏み込んで、やるべきことを明確に提案できる点が、駿台現役フロンティア千種校のいちばんの強みだと思っています。

--無理・無題のない学習を実現するため、ICT教材はどのように活用されますか。
校舎には社員講師が常駐しており、いつでも質問に対応できる体制ですが、自宅学習中の疑問も即座に解消できるよう、質問アプリ「manabo」を導入しています。 わからない問題を写真に撮って送信すると、夜の遅い時間でもオンライン講師が解き方を教えてくれるアプリです。
また、英語学習では発音・スピーキングアプリ「ELSA」を活用します。駿台独自の英語教材が取り込まれたオリジナル仕様となっており、特に高1・高2の段階から活用し、正しい発音練習を重ねることで、リスニング力が確実に向上していきます。
ひとりひとりの第一志望合格に寄り添う
--東海地区のトップ大学として君臨する名大の魅力はどのような点にあると思いますか。
名大はこれまで6名のノーベル賞受賞者を輩出しており、日本の大学の中で非常に多くの受賞者数を誇っています。こうした研究成果は、名大の伝統である自由な学風から生まれたものと言われており、名大の大きな魅力だと言えるでしょう。さらに、在籍している学生はバランスの良い人が多いですね。勉強一辺倒ではなく、スポーツや趣味、課外活動も大切にしてきたうえで、学業にも真剣に取り組んできたタイプの生徒が多い印象です。また、他の旧帝大と比較しても、入学者に占める公立高校出身者の割合が高いことも特徴です。多様な背景をもつ仲間と自由を謳歌しながら切磋琢磨できる環境が、名大生のバランス感覚を育んでいるのではないでしょうか。
--名大および医学部への現役合格を目指す受験生、そしてそれをサポートする保護者に向けて、メッセージをお願いします。
受験生本人はもちろん、保護者の皆さまにとっても、最終的な願いは「第一志望に合格でできるか」に尽きると思います。その思いに、もっとも真剣に向き合い、もっとも高い精度で応えられる塾でありたい。それが、今回立ち上げる駿台現役フロンティア千種校の最大の目標であり、私たちの使命です。
駿台では、合格者数を前面に出す指導から、ひとりひとりが第一志望に合格できるかという点をもっとも大切にする姿勢へと舵を切っています。駿台が考える新しい予備校のスタイルを、ぜひ実際に体験してみてください。
--ありがとうございました。
今回の取材で印象的だったのは、駿台現役フロンティア千種校の「伴走者」としての徹底した姿勢だ。多忙な現役生にとって、学習の優先順位をひとりで判断し続けるのは不安も大きく、容易ではない。しかし、名大入試、医学部入試を熟知したプロが全教科を俯瞰し、限られた時間の使い方を明確に示してくれる駿台現役フロンティア千種校の環境は、迷いを自信に変えてくれるはずだ。受験生のみならず、見守る保護者にとっても、合格への最短距離を共に歩むうえで心強い味方となるだろう。
名大現役合格館「駿台現役フロンティア千種校」誕生!第一志望は、ゆずれない。
駿台予備学校


