セーブ・ザ・チルドレンは2026年10月19日、経済的に困難な子育て世帯を対象とした就学費用負担の実態調査結果と提言をまとめた報告書を発表した。2026年4月開始の「高校無償化」後も、授業料以外の費用が進路選択に影響していることが明らかになり、授業料以外の費用に対する支援拡充などを求めている。
同調査は「経済的に困難な子育て世帯の中学・高校の就学費用負担に関する実態調査」と題し、給付金事業「子ども給付金~新入学サポート 2026~」および「子ども給付金~高校生活まなびサポート~」の利用世帯を対象に、2026年5月27日~6月12日にオンラインアンケートで実施した。有効回答数は保護者425人、中高生125人で、回答者は全国45都道府県にわたり、大半がひとり親世帯・女性だった。調査には千葉大学の白川優治教授(専門:教育社会学)および千葉工業大学の福嶋尚子准教授(専門:教育行政学)が協力した。
卒業・入学時に実際にかかった費用をたずねたところ、私立高校に進学した高校1年生の保護者の回答において、入学金や学校納付金などほぼすべての項目で2025年調査より増額していた。特に「学校納付金」は2025年の約2倍にのぼり、「高校無償化」によって授業料の負担が軽減された一方で、授業料以外の負担が増えている実態が明らかになった。
中学・高校の入学時に学校指定の制服や運動着を個人で購入するよう求められた割合が高いほか、小学校入学から現在までに絵の具セット、書道セット、裁縫セットなどを購入した経験がある世帯は8割を超えた。また、学校に備え付けにしたほうがよいものとして、保護者・中高生ともに6割以上が「パソコン・タブレット」を選択し、学用品や端末の費用が家計を圧迫している状況が示された。
「高校無償化」によって進路選択に影響があったかを高校1年生にたずねたところ、「結局授業料以外の出費があると思ったため、私立は選択肢に入れられなかった」という回答が27.0%ともっとも多い回答となった。授業料の無償化が実現したあとも、制服代や学校納付金などの費用が私立高校への進学を阻む要因になっている。
調査結果をもとに、セーブ・ザ・チルドレンは「就学援助や高校生等奨学給付金など授業料以外の費用に対する経済的支援の拡充」「学用品の備品化(学校への備え付け化)、購入品の選択肢の拡大、私費負担は援助額内に」「高校入学前の準備金の創設」「高校のパソコン・タブレットの無償貸与・補助の都道府県ごとの実態把握と地域差のない支援」「私立高校の授業料以外の教育費の実態把握と対応策の検討」の5項目を政府、関係省庁、自治体に提言する。報告書は、同団体Webサイトで確認できる。

