【民間人校長】生徒との対話・授業・情報発信…できたこと、できなかったこと

 苦戦中ー。1学期が終わろうとしているいま、北角氏に再度伺った話から、正直に感じた印象である。「これまでのところ、できたことと、できなかったことで言えば、できなかったことのほうが圧倒的に多いですね。」

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北角裕樹校長
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 苦戦中ー。

 1学期が終わろうとしているいま、北角氏に再度伺った話から、正直に感じた印象である。

 「これまでのところ、できたことと、できなかったことで言えば、できなかったことのほうが圧倒的に多いですね。」

 学校の情報を積極的に公開したい。校長自ら情報発信していきたい。そんな北角氏の想いから始めた、彼自身のブログ「民間人校長、北角裕樹の校長工房」。最後の更新は6月15日、それ以来1か月以上、更新がストップしたままだ。最後のブログに「情報発信のあり方を見直します」とのタイトルを残し…。

 「やはり、頭の中で考えていることと、現場とは大きく異なります。やろうと思っていたことのうち、ほんの一部しか着手していません。」

 教育の世界に携わりたい、という、誰よりも強い想いを持ち、他の応募者との競争に勝って選ばれた北角氏のことだ。“考えていることと現場は違う”という想定は、十分にあったと思う。これまでの人生の中でも、ボート競技、商社勤務、そして日経記者と、「想定外」の事件・事故には何度も遭遇してきていると、容易に推測できるわけで…。

 では、一番できずに、悔しい想いをしていることは何か。

 「生徒との時間を取ろうとしていますが、まったく足りていません。校長をやってみると、結構忙しいのです。ベテランの校長ならそうでもないのかも知れませんが、僕にとっては事務処理やトラブル対応に多くの時間が割かれてしまって、授業や部活を見に行ったり、参加したりする時間がいまのところ十分に取れていません。これは大きな反省点ですので、重点を移したいと思っています。」

 生徒との対話を!という意気込みは強かったものの、実際のところ対話の時間が取れないほど、こなさなければいけない事務処理は多いようだ。もちろん公教育の世界に慣れていないこともあるだろうが…。

 先日、大阪の民間人校長が3か月もたたないうちに辞任した話題をご存じの方も多いだろう。本件、聞きにくいことだったが、さすがに触れないわけにもいかないと思い、思い切って伺ってみた。
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《寺西隆行》

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