肥満傾向児は北海道、東北に多い…文科省調べ

  文部科学省が12月13日、平成25年度(2013年度)学校保健統計調査(速報値)を公表した。平均身長は横ばいで体重は減少傾向だが、肥満傾向児が北海道、東北地方に出現率が高い傾向がみられた。世代間の発育を比較すると、現代っ子が早期に発育していることがわかった。

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肥満傾向児の出現率(小学6年男子)
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 文部科学省が12月13日、平成25年度(2013年度)学校保健統計調査(速報値)を公表した。平均身長は横ばいで体重は減少傾向だが、肥満傾向児が北海道、東北地方に出現率が高い傾向がみられた。世代間の発育を比較すると、現代っ子が早期に発育していることがわかった。

 同調査は、学校における幼児、児童生徒の発育および健康状態を明らかにすることを目的に昭和23年から毎年実施している。

 調査対象は満5歳から17歳までの児童などの一部(抽出調査)。身長、体重、座高の発育状態については全幼児、児童生徒の4.9%の695,600人。疾病・異常の有無の健康状態については全幼児、児童生徒の23.7%の3,350,512人。調査時期は学校保健安全法による健康診断の結果にもとづき平成25年4月1日から6月30日の間に実施した。

 身長の平均値は平成6年度から13年度あたりをピークに横ばいの傾向。小学6年生の男子は145センチ、同女子は146.8センチ。中学3年生男子は165センチ、同女子は156.5センチ、高校3年男子は170.7センチ、同女子は158センチ。どの年齢でも昨年度と比較して同様か、最大でも0.2センチの増減だった。

 体重の平均値は平成10年度から18年度あたりをピークに、その後減少傾向。小学6年男子で38.3キロ、同女子で39キロ、中学3年男子で54キロ、同女子で49.9キロ、高校3年男子で62.8キロ、同女子で52.9キロだった。どの年齢でも昨年度と同様か、最大で0.3キロの増減だった。

 発育状態を世代間で比較すると、中学3年男子で祖父母世代(昭和33年度)は153.6センチ、父母世代(昭和58年度)は163.6センチ、子世代(平成25年度)165センチと、各世代間で増加している。特に祖父母世代から父母世代の間の増加が大きい。

 女子の平均体重を世代間で比較すると、小学6年生で祖父母世代は31.3キロ、父母世代で37.7キロ、子世代で39キロと、祖父母世代から7.7キロ増加している。

 年間の発育量を世代間でみると、昭和15年度生まれの男子は14歳から15歳で身長が約7.5センチ伸びているのに比べ、平成7年度生まれの男子は11歳から12歳時に約7.5センチ伸びており、男子、女子ともに身長のほか体重も現代に近い世代ほど早期に増加していることがわかった。

 肥満傾向児の出現率は平成18年度以降減少傾向にあったが、23年度以降はほぼ横ばいで推移している。しかし従来、東北地方に肥満傾向児の出現率が相対的に高く、性別でみると男子のほうが肥満傾向児の出現率が高い。地域でみると、小学6年生男子で肥満傾向児出現率13%以上は北海道、青森県、岩手県、福島県、山形県、栃木県、沖縄県だった。

 おもな疾病・異常などの推移は、近年大きな変化はなく、むし歯については改善傾向がみられる。むし歯のある者は祖父母世代に比べて父母代では多くなったが子世代になって減少している。高校生の祖父母世代(55年前)でむし歯のある生徒は63%いたが、父母世代(30年前)は95.34%に増加、しかし現在の高校生においては55.12%に減少している。

 詳しい結果はホームページで確認できる。また、今回の速報をまとめた確定値の公表は平成26年3月の予定。

《田中志実》

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