子どもの発達段階に合わせた教材を、進研ゼミ小学講座の新タブレット講座
赤ペン先生で知られるベネッセの「進研ゼミ小学講座」は、2014年4月から専用のタブレットで学ぶ「チャレンジタッチ」をスタートする。従来の紙の教材を使用した「チャレンジ」も継続し、入会時にどちらかを選ぶことができるという。
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
荻原氏:タブレットで動画コンテンツを見ながら授業を受け、問題を解き、答え合わせをし、間違ったところは解説を見て確認するという一連の流れが1回の学習内容です。
小学1年生と2年生の低学年は国・算で毎月各14回分、3年生から5年生までの中高学年では国・算・理・社・英の5教科で各18回分の教材が配信され、1か月で無理なく終えられるようデザインされています。教科別にどこまで終わったかなどといった学習状況もタブレットで簡単に確認できるため、やり残した問題を過去にさかのぼって解くことも可能です。さらに、早くやりきった子には、応用問題を追加で提示し、1か月でペースに合わせて使いきれる仕掛けもあります。
また、子どもたちのやる気を引き出すための仕掛けも用意しています。たとえば、3~5年生では1回の学習が終わると、ごほうびとして、遊びながら学べる学習アプリのコーナーで遊ぶことができます。使い過ぎないよう30分経過すると「休けいしよう」という画面が出るため、子どもがゲームをしすぎるという保護者の心配にも配慮しています。
上田氏:学習内容はもちろんですが、学習習慣の定着も大切なことです。従来の「チャレンジ」の付録でも促していたことですが、「チャレンジタブレット」では、予め学習開始時間を設定しておくとチャイム音が勉強のスタート時間を知らせてくれる機能を設けております。時間通りに学習をスタートするとスタンプがもらえるなど、子どもたちのやる気をアップする仕掛けを設けることで、自然と自分で勉強を始める習慣が身につくのです。
--低学年(小1~小2)と中高学年(小3~小5)とで教材が大きく異なっていますが、その違いの理由を教えていただけますでしょうか。
上田氏:小学校2年生と3年生の発達段階は大きく異なるため、子どもの発達に合わせて教材を作っています。2年生までの低学年は、一般的にファンタジーの世界を素直に受け入れる年代なので、コラショとその仲間たちをキャラクターとして登場させ、一緒に教室で学んでいくというストーリーの世界で学習が進みます。
ファンタジーの位置づけが中高学年になると極端に変化し、一般的には3年生くらいからファンタジーの世界を卒業し始めます。そのため、コラショたちと一緒に学校で学ぶというストーリーを通じて子どもの学習意欲を上げることが難しくなります。
その一方で、子どもたち自身が「わかるようになりたい」「テストの点数を上げたい」といった目標を持ち始めます。そのため、3年生からは、よりダイレクトに学習効果を追求することで子どもたちの学習意欲を上げることができるよう設計しています。
--子どもが学習に使うタブレットという観点から、開発時に気をつけた点や、搭載した機能などはありますか。
荻原氏:タブレットは、指でタッチすることもできますが、正しい鉛筆の持ち方が身につくように、専用ペンを使用しています。グリップは正しい持ち方ができる三角形で、握りやすい素材を採用しています。
画面が滑って書きづらいということがないよう、ペン先の素材にも工夫をしています。9.7インチと大き目の画面は、低学年のお子さんでも見やすく、書き込みやすいためです。タブレットで漢字の練習などを行うことを想定した上での設計です。
また、通常のタブレットは、ホームボタンが画面下中央にありますが、作業中にうっかり触ってしまうことが多いので、画面上部中央においています。タブレットの専用カバーは、耐久性のある素材を使用しるだけでなく、すべての部品において弊社の厳しい安全基準をクリアしています。
--チャレンジタッチを使うにはどのような環境が必要ですか。また、セキュリティ面はどのように配慮されているのか教えてください。
荻原:チャレンジタッチには、光ファイバーやADSLなどの無線LAN環境が必要です。セキュリティ面では、タブレットを通じて直接インターネットに接続することはできないよう設計されているため、子どもが有害なサイトにアクセスするなどの心配はありません。
--ありがとうございました。
2014年4月以降の受講に関し、ベネッセは現在既存の会員に従来の「チャレンジ」の継続か「チャレンジタッチ」への移行の判断を促しており、チャレンジタッチへの移行希望者が4割だという。この数字は、タブレット講座の導入が保護者や子どもたちのニーズに合っているという一面と、これまで提供してきた「チャレンジ」の満足度の高さの両方を表している。従来の「チャレンジ」、タブレットの「チャレンジタッチ」の両方を提供することで、子どもに適した講座の選択肢を保護者に与える。
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