本物の学力や問題解決力につながる幼児期の学び…ドラゼミ×Z会 対談

 いつでも家庭でできる、送迎の負担がない、無理なく続けられる料金設定などの理由から根強い人気がある幼児向けの通信教育。どう選んで、どう利用すればよいのか、また幼児期の学びに親はどのように関わればよいのか。

教育・受験 学習
対談出席者の皆さん
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--通信教材の特徴
遊びを楽しみながら自然に学び、次のステップへ(ドラゼミ)
豊かな実体験で先取りよりあと伸び(Z会)

石山さん(ドラゼミ):もじ・かずの学習のための主教材「もじかずブック」と、右脳左脳を鍛える副教材「ちえトレーニングブック」を毎月お届けしています。子どもたちの大好きなドラえもんと仲間たちがナビゲーター役となって登場するので、ただ機械的に文字や数字を学ぶのではなく、お話の世界で遊ぶ感覚で、自然と文字や数字に親しめるようになっています。

 今までの幼児教育の考え方は、「何歳までにこういう力をつけさせたい」というゴールから逆算して、今何をやらせなければならないのか、という発想でした。でも、今では、子どもが今できることを踏まえて、次のステップへとつなげていくという発想に変わっています。

 お子さんが、「楽しい!」「できる!」と目を輝かせる瞬間をたくさん提供することが、教材の役割だと思っています。幼児期の間に、どれだけたくさんの成功体験、達成感を得られたかで、その後の長い学びのステップが変わってくると考えるからです。

鈴木さん(Z会):「Z会は難しい」という印象をおもちの方もいらっしゃると思いますが、幼児教材では、先取りよりも「あと伸び」する子どもを育てることを念頭に置いて、教材を作っています。

 教材は、工作や実験、料理などの体験課題を集めた「ぺあぜっと」と、親子で取り組めるワーク教材「かんがえるちからワーク」の2冊を毎月お届けしています。

 特に大切にしていることは、将来の学びにつながる「豊かな実体験」です。たとえば、ヤジロベエを作るという課題では、ヤジロベエを作って遊びながら、「つり合うとは何か」「つり合わせるためにはどうすればいいか」といったことを自然と学んでいきます。小学校に入って理科の授業で「つり合い」を学ぶときに、実体験があるとないとでは理解度に大きな開きが出ます。このように、将来につながる「先行体験」をたくさんさせてあげたいのです。

安西さん(Z会):体験型教材は、工作でも、付録をつけるのではなく、ご自宅にあるものを材料にして作るようになっています。親御さんからは「最初は自分が材料を揃えていたけど、そのうちお子さんが自分で材料を揃えたり、材料がなければほかのものを工夫して代用するようになった」というお声も届いています。これも「あと伸び力」の一つだと考えています。

--教材を選ぶポイント
子どもに合っていることが一番大事(ドラゼミ)
どんな親子関係になりたいかから発想する(Z会)

堀越さん(ドラゼミ):お子さんに合っているかどうかが何より大事です。無料の教材サンプルがありますので、ぜひ試していただきたいですね。お子さんが楽しんで取り組めるのが一番だと思います。

安西さん(Z会):難しい問題に取り組ませて先生と生徒のような関係になりたいのか、動画をお子さん一人に見せておとなしくしていてもらいたいのか、親子で向き合いいっしょになって考えたいのか…。親子のあり方を考えたときに、通信教材を使って、どんな親子の風景になっていたいかを考えて選ばれるとよいと思います。

堀越さん(ドラゼミ):親御さんの多くが、教材を全部終わらせなければならないという強迫観念に悩まされています。やりきれないことに罪悪感がある。でも、必ずしも教材を全部やる必要はないのです。ぜひあまり不安に思わずに取り組んでいただきたいですね。

安西さん(Z会):Z会でもそういう会員様が多いです。でも、全部終わらなくても「ここはできたんだね!」と、できたことを認めてあげることが大事だと思います。

◆出席者
・小学館集英社プロダクション 通信教育事業部 教育課
 堀越邦子さん
 石山絵麻さん
・Z会 遠隔指導部 幼児教育事業課
 安西優子さん
 鈴木貴子さん

 出席者は異口同音に、幼児期は親子の会話が大切で、成功体験の積み重ねによる自信が将来の学ぶ力や問題解決力につながると話してくれた。また、特に教育熱心な親御さんは先取りや完璧を目指しがちだが、幼児期はお子さんの成長を見守りながら、気負わず無理なく学習を続けていくことも大切なのではないだろうか。
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《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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