使いやすさや機能に拘ったシャープの電子辞書「Brain」、3つの開発ポイントとは

 顧客満足度で表彰する「イード・アワード2014 電子辞書」で、シャープの「Brain」が中学生・高校生ともに最優秀賞を受賞した。さらに、操作性や機能性など8部門のうち7つの部門でも好評価を得た。

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喜びの表情を見せる辰巳剛司氏
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 顧客満足度で表彰する「イード・アワード2014 電子辞書」で、シャープの「Brain(ブレーン)」が中学生・高校生ともに最優秀賞を受賞した。さらに、操作性や機能性など8部門のうち7つの部門でも好評価を得た。Brainの進化や機能、高評価の理由について、シャープ デジタル情報家電事業本部 モバイルソリューション事業部 事業部長の辰巳剛司氏に聞いた。

--最優秀賞の中高ダブル受賞おめでとうございます。Brainの魅力、強みはどんなところにあるのでしょうか。

辰巳氏:ありがとうございます。3年連続で賞をいただくことができて、非常にうれしく思っています(注:高校生の部では2012年から3年連続受賞)。

 Brainの2014年モデルは、開発段階から「究(きわみ)」というコンセプトで、ハード、ソフト、コンテンツすべてを一新するつもりで取り組みました。使いやすさ、機能にこだわった開発ポイントは3つあります。

 まず、液晶画面をハーフVGAからワイドVGAに対応させました。解像度でいうと2.5倍のドット数となり、細かい文字や高精細な写真の表現を可能にし、動画再生の品質も向上させました。次に、従来のクラムシェルタイプ(ヒンジ部分で2つに折りたためる構造)の画面開閉から、360度開閉が可能なフルオープンタイプのボディに変えました。これにより、タブレット・電子書籍端末のような使い方が可能になりました。UI(ユーザーインターフェース)も見直しを行いました。シンプルで大きいアイコンのホームメニューや、大きなファンクションキー、「調べる」ボタンの導入で、検索の手順を簡素化し、調べたい語への到達を短くしました。

--今回は中学生、高校生の両方のモデルで受賞していますが、これらのモデルの違いや特長を教えてください。

辰巳氏:中学生向け、高校生向けの違いは、それぞれのレベルや学習指導要領にあった辞書コンテンツが収録されている点です。高校生モデルは大学受験だけでなく、大学入学後も、第2外国語の辞書を追加するなどして、使える内容になっています。また、中学生向けは、小学校高学年から使えるよう、辞書・コンテンツ構成を工夫しています。学習指導要領が改訂され、小学校の英語学習が開始されたことを考慮して、特に英語の辞書を強化しました。

 たとえば英検対策のための問題集は2級まで対応しています。オリジナルコンテンツとして聞く、話す、読む、書くを総合的に学習するため「ATR CALL for Brain」というアプリも用意しました。「ATR CALL」は、ATR(国際電気通信基礎技術研究所)の音声言語学習の研究成果をベースにした英語学習システムです。中学生モデルにはBrainのアプリとして収録されています。また、高校生モデルでは追加購入することもできます(2014年9月30日まで50%割引の2,490円で販売)。
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《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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