【大学と就職】転職情報サイトで見抜くブラック企業

就職活動生の多くは、基本的に就職情報サイト(リクナビやマイナビなど)しか見ないが、実は転職情報サイト(リクナビNEXTやDODA、マイナビ転職など)だからこそ手に入る有益な情報もある。

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 社員の退職という観点から見た場合、ブラック企業には主に2種類ある。1つは「大量に雇うも激務などで人が辞めていき、常時人が足りない企業」。そしてもう1つは「大量に雇って一部だけを重用し、あとは退職に追いこむ企業」だ。つまり「辞めていく企業」に対して、「辞めさせる企業」が存在する。

 教育・研修の手間をかけずに優秀な社員を雇いたい企業は、後者のようなスタイルで採用を行うことが多い。大量の石を拾い集めて、偶然ダイヤの原石が混じっていることを期待するイメージだ。なお、雇用形態が「契約社員」の場合には、さらにこの採用スタイルの可能性が高いので注意しておこう。

◆求人広告を見るべきポイント5、平均年齢が高い

 平均年齢が40歳前後の場合、若手がどんどん辞めている可能性が高い。退職理由や業界の特性にもよるが、30代後半から40代前半くらいの数字の場合には注意しておこう。ただ、社員数の多い企業や離職率の低い企業も、平均年齢が高い傾向にあるため、あくまで参考程度にしておくのが望ましい。

◆求人広告を見るべきポイント6、高額年収アピール

 「入社後1年で年収1,000万」のような、やや不可解な高額年収をアピールしている企業も要注意だ。そのクラスに達しているのは実は一握りで、大半の社員が1,000万に遠くおよばないということもある。大量の応募を集めるために、ほんの一握りの社員の華々しい実績を謳っているわけである。

◆求人広告を見るべきポイント7、仕事内容の詳細がない

 仕事内容の欄を確認したとき、やりがいなど抽象的な話が大半を占めて、具体的な業務内容が書かれていない企業も注意したい。仕事内容が曖昧では、転職志望者が描くキャリアにマッチするのかイメージできないため、応募者を集めることができない。よって、少しでも応募者を集めたいなら、仕事内容は可能な限り具体的に書く。それがないということは、詳細に説明すると人が集まらない可能性が高いと考えられる。

 また、仕事内容に限らず、全体的に表現が抽象的だったり、精神論が多かったりする場合には、同じ理由で注意しておいてもらいたい。

◆求人広告を見るべきポイント8、急募表記

 求人原稿のタイトルに「急募」と入っている求人原稿も注意しておこう。少人数採用であれば、特に問題はないが、急募で大量募集をかけている企業だ。この場合、求人広告に特別感を出して応募を煽っているケースがある。注意しておいてもらいたい。

 このように、転職情報サイトからは、ブラック企業である可能性を示す多くのサインを手に入れることができる。多少コツはいるが、眺めているうちにイメージが掴めてくるので、就職活動では是非、転職情報サイトも覗いてみてもらいたい。

<大学と就職連載>
 就職活動を行う学生を取り巻く状況は、当然のことながら、常に変化している。就活生のお子様を持つ保護者世代が学生だった頃と比べると、その変化は大きい。連載では、就活生と日々接しているキャリアスタッフが、大学や就職にまつわるデータを参考にしつつ、今の学生の就職事情について紹介していく。

<著者紹介>高嶌悠人(キャリアコンサルタント)
 慶應義塾大学法学部政治学科卒。株式会社電通を経て、教育系ベンチャー企業の株式会社ガクーに入社。そこでは新卒学生を対象とした就職活動支援スクールの運営に携わってきた。現在は独立し、高校や大学、塾、予備校などでキャリアをテーマとしたセミナーなどを開催したり、メディアにてキャリアに関するコラムなどを書いたりしながら情報発信している。著書に、「人気NO.1「内定塾」が教える エントリーシート 履歴書の書き方(高橋書店)」や、「これだけ覚える!一般常識&最新時事(高橋書店)」、「人気NO.1「内定塾」が教える!今までなかったエントリーシート 履歴書の文章講座」などがある。
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《高嶌悠人》

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