薬学部の編入学、基準や選抜方法に課題も…文科省

 文部科学省は3月20日、「6年制薬学部への編入学・転学部について」と題した報告書を公表した。調査結果を基に編入学や転学部の実態や課題をまとめる一方、受け入れ基準や年次の明確化、適切な選抜方法や受け入れ後の教育などを求めている。

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6年制薬学部への編入学・転学部について
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 文部科学省は3月20日、「6年制薬学部への編入学・転学部について」と題した報告書を公表した。調査結果を基に編入学や転学部の実態や課題をまとめる一方、受け入れ基準や年次の明確化、適切な選抜方法や受け入れ後の教育などを求めている。

 「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」のワーキンググループが、6年一貫の薬学教育の編入学と転学部の状況について調査し、課題などを整理。2月24日開催の検討会で報告した。

 調査は平成25年12月、6年制薬学部を置く全国の大学を対象に実施。編入学は、1年次から4年次まで行われており、29学部において7年間で540人の編入学生が受け入れられていた。転学部は、3大学において7年間で5人だった。

 編入学生の出身学科は、薬学科や薬科学科のほか、人文社会系も含め多岐にわたっていた。また、一部の大学では、専門基礎の知識を問う筆記試験を行わず、面接や小論文のみで合否を決めていた。受け入れ後の編入生への配慮として、個別の履修指導や必要科目未履修者に対する集中講義などに対応していない大学もあった。

 ワーキンググループでは、6年制薬学教育の質を担保するためには、編入学生の受け入れ基準の設定、編入学に関するアドミッション・ポリシーの明確化などが必要と指摘。志願者の学修暦を精査し受け入れ後の学修の見込みを判断できる編入学試験の実施、未履修科目への配慮なども求めている。

《奥山直美》

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