【NEE2015】八尾図書館、なかまちテラスに学ぶ「知」×「地」の図書館づくり

 「New Education Expo 2015(NEE)」で、八尾市立八尾図書館館長 南昌則氏と小平市仲町図書館館長 上田滋氏は事前申込み式セミナー「まちづくりの中核施設としての『図書館の役割』とは?」を行った。

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八尾市立八尾図書館館長 南昌則氏
八尾市立八尾図書館館長 南昌則氏 全 11 枚 拡大写真
◆市民、学生、地元企業・団体一丸で育てた「なかまちテラス」…仲町図書館

 小平市立仲町公民館・仲町図書館は、老朽化した公民館と図書館を合築し2015年3月14日に複合施設「なかまちテラス」としてリニューアルされた小平市の「人と情報の出会いの場」。設計には公募により世界的建築家の妹島和世氏が携わり、公民館、図書館として望まれる在り方は市民や地元企業・団体、大学生に意見を募ったという、地域一体でつくりあげた図書館である。

 なかまちテラスは、多くの図書館も同様に抱えているであろうさまざまな課題を解決するため、地域に関わる人々が連携した協働事業「なかまちテラスLiNKSプロジェクト」を発足させた。解決が望まれた課題は、子どもを含む「若者~子育て世代の利用者の開拓」と、地域情報提供の場としての役割達成のふたつ。プロジェクトの一環で武蔵野美術大学の学生が行った調査によると、仲町公民館や図書館は利用者の少ない世代をもち、また、地元住民が仲町について詳しくないという現状があったという。

 セミナーでは、上田氏によって、なかまちテラスが学びの場を提供する図書館としての役割を果たし、地域情報が集まる拠点になるまでの過程が紹介された。上田氏によると、なかまちテラスは現在、プロジェクトを通してうまれたオリジナルキャラクター「あっちこっちナカマッチ」と、「なかまちテラスまつり」が成功したことで、地域に親しまれる施設になったという。同氏は、利用者数の増加はもちろん、来館する層にも変化が訪れ、父子での来館が目立つようになってきたことを報告した。

 上田氏はさらに、「オープン後も『来てよかった』『また来たい』と思ってもらえるようになるには、まだまだこれから」と語る。「『みんなでつくるなかまちテラス』を合言葉に地域みんなで協力してできたなかまちテラスだからこそ、ハードに負けないようソフトの面でも頑張っていきたい」とコメントし、セミナーを締めくくった。

 両館の詳細は各市のWebサイトで閲覧できるほか、八尾図書館で導入されている「読書手帳」はNEE2015の展示ブース29「図書館(ユビキタスライブラリー)」で実物を見ることができる。
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《佐藤亜希》

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