【NEE2015】筑波大附属小、タブレットやデジタルペン等ICTを効果的に活用
6月4日-6日に開催された「New Education Expo 2015(NEE)」で、筑波大附属小学校による国語と算数の公開授業が行われた。1人1台のタブレット端末やマルチスクリーンを整備した教室では、子どもたちが自身の考えを深め、理解を進めていた。
教育ICT
小学生
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◆国語と算数で1人1台のタブレット端末を活用
6月6日に実施された「教科教育の研究を基盤とした1人1台のタブレット端末を活用した公開授業」では、筑波大附属小学校の青山由紀先生による6年生の国語と、山本良和先生による4年生の算数が行われた。
国語の授業では、高畑勲著「『鳥獣戯画』を読む」を教材に、筆者のものの見方を捉えて自分の考えをまとめ、表現することが行われた。児童1人1台のタブレット端末にはデジタル教科書が収録され、「説明・着目点」には青、「評価(ほめ言葉)」には赤、「作者の言いたいこと」には緑のマーカーを引くという作業を行い、なぜその色を引いたのか根拠を発表した。タブレット端末や電子黒板を授業に取り入れることで、教科書への書込みや修正、発表がスムーズに行われていた。他の人の発表を聞きながら、マーカーを引き直すといった試行錯誤もタブレット端末では容易にできる。
◆紙にも書けるデジタルペンも活用
算数の授業では、折れ線グラフの機能や特徴を学ぶため、1人1台のタブレット端末で折れ線グラフを書き、デジタルペンの再生機能を使って折れ線グラフの書き方を確認することが行われた。新潟市と那覇市の気温調べを例に、新潟市の気温を高い月順に並べた棒グラフを見て「何か変だな」という違和感を意識し、時系列に並べ直した棒グラフから読み取れることを確認するのにICT(内田洋行のスクールプレゼンター)が活用されていた。
また、時系列の推移を表すには、棒グラフよりも折れ線グラフの方が適していることや、2つの市の気温グラフを重ねて表示したほうがわかりやすいことを電子黒板で掲示しながら、折れ線グラフの特徴を説いていた。さらに、紙にも書けるデジタルペンを使って折れ線グラフを書き、「いきなり線を書いたらグラフがずれてしまった」「最初に月の気温を点で記しておいたらグラフが正しく書けた」といった書き方の違いを電子黒板に表示し、デジタルペンの再生機能を使って確認した。
国語と算数の公開授業を通じて、試行錯誤しながら自分の考えを深めたり、自分の意見を発表したり、例を掲示したりするのにICT機器が有効に使われているようすを伺うことができた。また、定規を使って線を描く場面では、タブレット端末ではなく紙を使うなど、場面に応じて使い分けていたのが印象的だった。
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