子どもの貧困率が増加、就学援助率は過去最高の16%

 子どもの相対的貧困率は1990年代半ば頃からおおむね上昇傾向にあり、就学援助を受けている小中学生の割合は、平成24年度に過去最高の15.6%となったことが、内閣府が6月11日に公表した「平成27年版子ども・若者白書」より明らかになった。

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小中学生に対する就学支援の状況
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 子どもの相対的貧困率は1990年代半ば頃からおおむね上昇傾向にあり、就学援助を受けている小中学生の割合は、平成24年度に過去最高の15.6%となったことが、内閣府が6月11日に公表した「平成27年版子ども・若者白書」より明らかになった。

 「子ども・若者白書」は、各種統計資料などにより、子どもや若者の置かれた現状を紹介する「第1部 子どもや若者の状況」と、子ども・若者育成支援施策の実施状況を紹介する「第2部 子ども・若者育成支援施策の実施状況」の2つの部に加え、特集「地域のネットワークによる子ども・若者支援の取組み」から構成される。

 30歳未満人口は、昭和50年以降ほぼ一貫して減少している。平成26年10月1日時点の30歳未満人口は3,512万人で、総人口の27.6%を占める。男女別にみると、男子は1,800万人、女子は1,712万人で、女性よりも男性のほうが多い。

 小学校と中学校の在学者数は、1980年代前半以降減少し続けており、平成26年度には1,012万人となった。高校の在学者数は1990年代から減少傾向となり、平成26年度は335万人。大学・短期大学・高等専門学校の在学者数は1990年代半ばからほぼ横ばいで、平成26年度は305万人となった。高校への進学率は、1970年代半ばに9割を超え、平成26年度には98.4%。大学・短期大学への進学率は、これまで長く上昇傾向が続いていたが、近年は横ばいとなっており、平成26年度の現役進学率は53.9%であった。

 子どもの相対的貧困率は、1990年代半ば頃からおおむね上昇傾向にあり、平成24年には16.3%となった。子どもがいる現役世帯の相対的貧困率は15.1%で、そのうち大人が1人の世帯の相対的貧困率が54.6%と、大人が2人以上いる世帯に比べて非常に高い水準となっている。

 経済的理由により就学困難と認められて就学援助を受けている小中学生は、平成24年度に約155万人で、平成7年度の調査以降初めて減少したが、その主な原因は子どもの数全体の減少によるものである。就学援助率は、この10年間で上昇し続けており、平成24年度には過去最高の15.6%となった。

 今回の白書では特集として、平成26年度に内閣府が行った調査結果をもとに、地方公共団体による困難を有する子ども・若者の実態把握の状況や先進的な取組み事例を紹介している。

《工藤めぐみ》

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