はやぶさ2、12/3今夜19:07地球に最接近…小惑星「Ryugu」に向け軌道制御

 2014年12月に宇宙へ旅立った小惑星探査機「はやぶさ2」が12月3日、地球に接近し、引力を利用して軌道制御する地球スイングバイを行う。地上から探査機を直接肉眼で見ることはできないが、シミュレーションソフトなどを利用して軌道や位置を体感することができる。

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スイングバイの概念図 (c) JAXA
スイングバイの概念図 (c) JAXA 全 4 枚 拡大写真
 2014年12月に宇宙へ旅立った小惑星探査機「はやぶさ2」が12月3日、地球に接近し、引力を利用して軌道制御する地球スイングバイを行う。地上から探査機を直接肉眼で見ることはできないが、シミュレーションソフトなどを利用して軌道や位置を体感することができる。

 「はやぶさ2」は、2014年12月3日の打ち上げ後1年間は、地球の軌道と似た軌道に沿って、太陽の周りを公転していた。2015年12月3日に地球に接近したあとは、名称募集で決定した小惑星「Ryugu(リュウグウ)」を目指す。

 地球にもっとも近づく時刻は、午後7時7分ごろ(日本標準時)。高度は約3,100km。場所は太平洋上空。最接近時の地球に対する速度は、約10.3 km/s。地球の引力を利用して軌道制御を行う「地球スイングバイ」により、太陽に対する「はやぶさ2」の速度は、約30.3km/sから約31.9 km/sに増速するという。

 探査機は、地上からは直接肉眼で見ることはできないが、パソコンに軌道を表示させて、探査機の旅のようすを見ることができる。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、地球スイングバイを行う「はやぶさ2」の軌道や姿勢(ともに計画値)をパソコン上でインタラクティブに3次元表示できるソフトを公開。12月5日まで、現在時刻に合わせて実時間で再生すると、地球に近づいたあとに加速して遠ざかっていく「はやぶさ2」の現在位置や姿勢(計画値)と地球の関係をリアルタイムで俯瞰(ふかん)することが可能だという。

 アストロアーツでも12月2日、「はやぶさ2」の位置を正確にシミュレーションするため、天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ10」のアップデータを緊急公開した。11月26日に行われた軌道修正後の情報が緊急更新されているため、正確な位置を確認することができるという。

 JAXAのホームページではこのほか、「はやぶさ2」に対応したソフトウェアをいくつかピックアップして紹介している。また、小惑星「Ryugu」を目指す「はやぶさ2」への応援メッセージも募集している。

 12月1日にはスイングバイのために地球に接近している「はやぶさ2」が、光学航法望遠カメラ(ONC-T)で撮影した地球と月の画像が公開された。撮影時刻は、2015年11月26日12時46分(日本時間)。撮影時の「はやぶさ2」と地球の距離は、約300万km。画像の右に地球、左に月を見ることができる。

《奥山直美》

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