孫名義貯金に落とし穴、祖父母の入学金・学費負担に注意

 合格発表のあとには新生活に向けた準備が必要だが、なかには両親に代わり祖父母が入学金や授業料を負担する家庭もあるだろう。受け取ったお金にかかる贈与税や節税方法について、家庭の問題に詳しい篠田弁護士に話を聞いた。

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弁護士 篠田恵里香氏(東京弁護士会所属)
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◆孫名義貯金で「毎年110万以下」に落とし穴…莫大な相続税に注意

 祖父母の方が、毎年110万円の範囲内で孫の名義で貯金をしている、というケースはよく聞きます。しかし、これには危ない落とし穴があります。お金をあげるというのも、「贈与契約」なので、もらう側が「お金をもらう」ことを理解し同意していなければなりません。したがって、一方的に孫名義で貯金をしているだけでは、孫は理解できていないという判断になり、「別人口座」で預金をしただけと税務署に評価される可能性があります。

 となれば、結局相続が発生したときに莫大な相続税がかかってしまいますね。仮に孫に贈与の意味で渡すのであれば、しっかり贈与契約書を法定代理人との間で締結し、かつ、孫が自由に管理処分できるような形で通帳印鑑を保管してもらうことが重要です。

 孫の教育のために役に立ちたいという祖父母のお気持ちは温かく受け取るとともに、税金の扱いについてもしっかり知っておくことが重要ですね。
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篠田恵里香(弁護士)
 東京弁護士会所属。外資系ホテル勤務を経て、新司法試験に合格。債務整理をはじめ、男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。夫婦カウンセラー(JADP認定)資格保有。独自に考案した勉強法をまとめた「ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた夢がかなう勉強法」(あさ出版)の執筆ほか、「Kis-My-Ft2 presentsOLくらぶ」(テレビ朝日)などメディア出演も多い。

協力:アディーレ法律事務所
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《編集部》

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