子どもの虐待死、毎年350人程度の可能性…日本小児科学会
毎年350人程度の子どもに虐待死の可能性があることが3月22日、日本小児科学会がまとめた「2011年の小児死亡登録検証報告」からわかった。日本小児科学会では、小児死亡の検証によって虐待死の見逃し防止などにつながると期待している。
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「2011年の小児死亡登録検証報告」は、日本小児科学会子どもの死亡登録検証委員会が、東京都、群馬県、京都府、北九州市の4地域における2011年の小児死亡例を検証したもの。人口動態調査と比較した死亡把握率は、「5歳未満」78.6%、「5歳以上15歳未満」67.5%。
登録された全小児死亡事例368例のうち、予防可能性が中等度以上と判断された事例(予防可能死:PD)は27.4%。このうち、虐待可能性が中等度以上と判断された事例は27例、虐待の可能性が高いと判断された事例は11例あった。
日本小児科学会子どもの死亡登録検証委員会では、この検証結果を年間約5,000人弱の小児死亡数に掛け合わせると、毎年350人程度が虐待死の可能性ありとして積極的な検証を考慮すべき事例と指摘。さらにこのうち150人程度は虐待の可能性が高い事例になるとしている。
報告では、「検証が包括的に実施されることで、虐待死の見逃し防止、有用な予防施策提言実施、不詳死の包括的な精査・情報共有システム整備につながることが期待される」としている。
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