子どもを見守る安心と喜び、園と保護者を繋ぐ連絡帳アプリ「mimory」の効果とは

 保育現場と家庭を繋ぐアプリ「mimory(みもりー)」を導入した経緯や効果、そして保護者からの反応を、つるみAsa保育園の佐藤千景園長に聞いた。

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園が実際に保護者に送った写真の例
園が実際に保護者に送った写真の例 全 7 枚 拡大写真
◆現場の作業負担も軽減…すきま時間にスマホで撮影

 普段は見ることのできない園でのようすを見られることは保護者にとって喜ばしいこと。しかし、子どもたちのようすを写真に収めたり、文章を打ったりと、現場で働く保育士やスタッフの作業負担は増えていないのだろうか。

 佐藤園長によれば、鶴見Asa保育園では、午前中に1人につき1枚、保護者に向けて写真を送っている。時間がない場合はクラス全体の写真を撮影したり、数人で遊んでいる子どもたちを一緒に撮影したりすることもある。「 スマートフォンから簡単な操作で連絡できますし、現場からも特に作業が増えて困っているといった声はありません。(佐藤園長)」本分である保育を最優先しつつ、スタッフ8名が柔軟に対応しているようすがうかがえた。

 実際に「mimory」で情報を送信している保育士に話を聞くと、操作は難しくなく、「スマホを使うのと特に変わりない」という。スマートフォンさえあれば、遊戯の最中や寝かしつけの合間、給食の時間に簡単に情報を送信できる手軽さが業務負担軽減に一役かっているようだ。

◆食事や遊びを家庭に応用、子どもの成長速度を共有

 夫婦で積極的な育児に取り組む中澤さん夫婦は、「mimory」に届く情報を家庭での子育てに生かしている。給食のようすで離乳食の進み具合や量がわかるため、園から届く写真やメッセージを食事の参考にしているそうだ。遊んでいるようすの写真は「家でもやってみよう」と思うきっかけになる。

 仕事の休憩中に子どものようすを見ることが楽しみと語るのは、角谷香菜さん。以前も連絡帳で日中のようすはうかがい知れたが、「mimory」ではリアルタイムで、しかも写真で表情やどんな遊びをしているか、何を食べているかを見られるため安心できるという。さらに、平日は一緒に過ごせなくて寂しかったが、「mimory」を利用することで「共に時間を過ごせているように感じられる」ようになり、今では連絡が届くのを心待ちにしているという。

 「mimory」利用園アンケート報告によれば、「mimory」を利用している保護者の80%以上が「mimory」の機能を評価し、満足していることがわかっている。回答した保護者によれば、「mimory」の導入で子どもの日々の成長を感じられるようになり、それをきっかけに子どもや夫婦間でのコミュニケーションが増えていったそうだ。

◆孫の顔を見せてあげたい…遠方にいる祖父母との共有機能に期待

 機能に慣れてきたことで、機能に対する保護者からの要望も増えてきた。現状、「mimory」は園と保護者が相互に利用できる掲示板や投稿へのコメント欄といったSNS機能は備えていないが、メッセージを送信する機能や動画に対する要望もでてきている。

 佐藤園長によれば、もっとも多いのは「遠くにいるおじいちゃん、おばあちゃんにも子どものようすを伝えたい」という要望。実際に、こども未来研究所が実施した調査でも、利用保護者の70%以上が「祖父母にも『mimory』の情報を共有したい」と考えていることがわかった。

 「お孫さんの姿はもちろん、甥っ子、姪っ子のようすを見たいという方もいらっしゃいます。現代は、ひとりの子どもの成長を家族や親戚、地域みんなで見守る社会だからこそ、お母さまやお父さまだけではなく、遠く離れた親戚とも共有できるような機能があると良いですね。

 保育園は子どもにとって"社会"。利用料はいくらかかっても良いから、ひとりひとりのスマートフォンで子どもの成長してゆく姿を見たいとする声は多いですよ。」(佐藤園長)

【次ページ】親子と園の連携で子どもの「自己肯定感」を高めさらなる成長へ
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《佐藤亜希》

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