【EDIX2016】「大規模システム基盤」と「監視・警備」がセキュリティの両輪に
「第7回 教育ITソリューションEXPO(EDIX:エディックス)」では、「学校業務支援」「eラーニング」「教材・教育コンテンツ」など、教育に直結したジャンル以外に、「ICT機器」「セキュリティ」などのゾーンも用意されている。
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そのなかでも「セキュリティ」ゾーンは、比較的出展数が少ない一方でバラエティに富んでいる。その理由として、情報漏えい対策、ウイルス対策といった一般的なセキュリティに加え、「監視・警備」の範疇のセキュリティも扱っているからだ。また企業と違い、システム管理者を置かないこともある教育現場では、個別にソフトウェアを導入するような対策より、根本的なハードウェアによる対処のほうが扱いやすいという側面もある。
今回のEDIXでも、IT系展示会に出展するような大手セキュリティ企業の出展はほとんどない。青少年向けフィルタリングソフト「i-FILTER」で定評のあるデジタルアーツ、遠隔データ消去「TRUSTDELETE」やモバイル端末監視ソフト「OneBe UNO」といったソフトを扱うOneBeぐらいだ。
プラットフォーム型のセキュリティ発想や、監視・警備セキュリティシステムでは多彩なメーカーが出展。まずワッセイは、ワークブート方式シンクライアント「Phantosys 5」、iPad環境復元・展開ソフト「iRecoveryPlus」など集中管理システムを展示。日立電線ネットワークスは、検疫・認証・ログ管理などを行うアプライアンス「@Adapter」を展示し、大規模ネットワークを安全安心に運用している事例を多数紹介。クラウド認証、遠隔講義・講義集録配信システムを含めたソリューションが、筑波大学、北海道教育大学、東京学芸大学などの教育機関のほか、聖路加国際病院、公立陶生病院、足利赤十字病院といった医療機関にも導入されているという。
IT資産管理・PC監視ツールでは、MOTEXの「LanScope Cat」、ディー・オー・エスの「SystemSupportbest1」などが、PCを管理し、学生情報や研究内容の情報漏えいに対処する提案を行っていた。なお、ハードディスクなどを物理破壊し、情報漏えいに対処する機器なども他ゾーンで展示されていた。
監視・警備セキュリティシステムでは、大手のセコムの展示もあったが、こちらは「学校業務支援」ゾーンでの、クラウド型学生証・職員証の管理システムを使った内容だった。元ALSOKの吉田沙保里がPRキャラクターを務める「スクールポリス」は、警察OB、弁護士等によって組織された新しい学校支援サービスだ。マスコミや父兄、SNSトラブルへの対応、警備体制見直しなどを支援するという内容だ。
より直接的なものでは、録画一体型防犯カメラや指紋認証ロッカーなども見かけられた。パーソナルの「指紋認証ロッカー」は、指をすべらせればカギがかかり、以降は、他の人の指では開けられなくなる。自分の指を再度すべらせればオープンする、というシンプルながら使いやすい仕組みで、すでに大学や自治体での採用が進んでいるという。物理的なカギが存在しないため、借りた人がカギを紛失することもない。料金を徴収しない施設内利用などでは重宝しそうだ。
「教育ITにおけるセキュリティ」と聞くと、つい「セキュリティソフト」のような、身近なサイズ感で考えてしまうが、「ITを使って、子どもと情報の安全を守る」と言い換えれば、その適用範囲と可能性はかなり広がる。そうした視点で、今後新たな出展企業も出てくるかもしれない。
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