【EDIX2016】来場者が熱視線、アクティブラーニングを加速するタブレット活用
日本最大、教育分野の専門展「第7回 教育ITソリューションEXPO(EDIX:エディックス)」。「ICT機器ゾーン」では、タブレットを活用したアクティブラーニング手法に関するミニセミナーが開催されている。
教育ICT
先生
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
◆タブレットを使う場面、そして選び方とは
富士通は、ICT機器ゾーンでタブレットを活用しアクティブラーニングを行う模擬授業を実演。教育現場の声から生まれたという「ARROWS Tab Q506/ME(文教モデル)」を用い、参加者らは「日本の特産品を海外に売り込んで旅行客を増やそう」というテーマに沿って活発な意見交換を行った。
児童・生徒同士が議論する、いわゆる「話合いの時間」は従来型の授業にも存在していたが、意見の回収や発表資料の作成にばかり時間がとられ、十分な意見交換ができなかった、ということも多いだろう。面倒なワークシートの回収や書いては消すといった作業に時間がかかっているなら、話合いの時間へのタブレット導入は、児童・生徒のアクティブラーニングを促すうえで意味のあることかもしれない。なお、タブレットの操作性が学びの妨げにならないよう、機器を選ぶ際は費用はもちろん、使い勝手も重要視したい。文字の書き心地や防塵・防水性能、付属ペンの使いやすさも気を払うポイントだろう。
◆集団行動の延長であっては意味がない
東芝のミニ講義には東京学芸大学の森本康彦准教授が登壇。「『タブレット』と『学習記録データ』を活用した新しい学び」と題した講義の中で、アクティブラーニングという言葉が独り歩きしていることに警鐘を鳴らした。
「はい、タブレットの電源をつけて。意見を書いて。終わったら先生に送信して…。こういった活用は、ただの『集団行動の延長』。それでは意味がない。」(森本氏)
森本氏によれば、ICT機器を導入したからといって授業が劇的に変わることはありえない。教師ひとりひとりが授業デザインを持った状態で教壇に立ち、時には疑問を投げかける「おとぼけ役」や司会進行役を担うなど、そもそもの授業スキルがなければICT機器の有効活用も望めない。タブレットはあくまでも教具のひとつ。タブレットがなければ上手にアクティブラーニングを促せない、できないということではない。
大阪府から参加したという小学校教師は、「アクティブラーニングを実現するICT新製品を探しにきましたが、まずは自分の授業手法も振り返りたい」と語っていた。
《佐藤亜希》
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