小学校のプログラミング教育、2020年実施に向け目的や条件を整理
文部科学省の有識者会議は6月16日、「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方」について議論の取りまとめを公表した。プログラミング教育の目的を「プログラミング的思考を育む」と明確にし、効果的に実施するために必要な条件や指導実践例などをまとめている。
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2020(平成32)年から小学校でのプログラミング教育の実施を目指して議論を続けてきた「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」が、6月16日の会合でこれまでの議論を取りまとめ、公表した。
議論の取りまとめでは、小学校段階におけるプログラミング教育について「子どもたちにコンピューターに意図した処理を行うよう指示できることを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての『プログラミング的思考』などを育むこと」と定義。プログラミング言語を用いた記述方法「コーディング」を覚えることが、プログラミング教育の目的ではないと明示している。
小学校で効果的なプログラミング教育を実施するために必要な条件には、「ICT環境の整備」「教材の開発」「教員の養成・研修」「指導体制の充実」「社会との連携・協働」を挙げている。
教育内容の具体的な在り方については、各小学校の実情に応じて、プログラミング教育を行う単元を位置付けていく学年や教科などを決め、地域などと連携体制を整えながら、指導内容を計画・実施していくことが求められるとした。国に対しては、2020年からの新しい教育課程の実施に向けて、指導事例集をまとめることや、各教科の教育の強みとプログラミング教育の良さが結びついた教材などの開発・改善が求められるとした。
具体的な指導実践例としては「電気の性質や働きを利用した道具があることをとらえる学習を行う際、プログラミングを体験しながら、エネルギーを効果的に利用するためにさまざまな電気製品にはプログラムが活用され、条件に応じて動作していることに気付く学習を取り入れる」(理科)、「図の作成などにおいてプログラミングを体験しながら考え、プログラミング的思考と数学的な思考の関係やそれらのよさに気付く学びを取り入れていく」(算数)などを示している。
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