学生×エンジニア×地域で産業活性化、スマホサイト開発のハッカソン
まつえOSS(おいしい酒と蕎麦)協議会は、9月10日から11日にかけて、島根県松江市の古民家「風神坊」でハッカソンイベント「ひやおろしGO」を開催した。参加者がイベントを楽しむためのスマートフォン用Webサイトの開発を行った。
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
「ひやおろしGO」には、島根県内の高専生、大学生、専門学校生を中心に、北は北海道から南は沖縄まで11人と、そのサポート役としてIT企業のエンジニアや地元自治体関係者ら18人、合計29人が参加。プロのエンジニアから助言を仰ぎつつ、プログラミング言語Ruby(ルビー)を用い、サイト開発を行うチーム、サイト画面のデザインを行うチーム、ハッカソンや飲み歩きイベントのPRを行うチームの3チームに分かれ、各開発に取り組んだ。PRチームは、「ひやおろしGO」の過程や成果にとどまらず、続けて行われる「ひやおろしde総選挙」の宣伝活動の企画立案を行った。
開発チームは、Ruby開発の中心的な開発者の1人で、Ruby「コミッタ」である前田修吾氏のもと、日本酒への投票機能やイベント参加店舗の地図や空き状況の表示といった、おおまかな仕様に基づいて開発を進めた。特に松江市は行政、IT企業、教育機関が連携して地域ブランド「Rubyの街」の育成に力を入れており、開発にあたって参加者たちは最前線のRuby開発者からの助言を得られる機会となった。
参加者らは「プロのエンジニアと肩を並べて開発することはとても刺激的。また、Rubyコミッタから直接指導してもらえる機会があるのは松江市ならでは。学ぶことが多くあり、技術力が高まるのを感じた」と、貴重な経験に興奮を隠せないようすだった。
参加した学生たちの多くは夏休みを利用して「ひやおろしGO」に参加していた。最年少参加者の年齢は19歳。主催者は「ハッカソンを通し自らのスキルを高めることも重要だが、実際の企業でもサービスは作ったら終わりでなく、使ってもらわなければ意味がない。通常のハッカソンでは、成果物をPRすることは稀。PRチームを組むことで、開発から社会との関わりを垂直統合したプロジェクト実践を体験してもらえれば」と語った。
ハッカソン中には、主催者による手打ち蕎麦が夜食として振る舞われたが、蕎麦の出汁は地元の蕎麦屋から、眠気覚ましのコーヒーは地元の喫茶店から、それぞれ提供された。IT企業のエンジニアと学生だけでなく、地域を巻き込んで開催されるハッカソンは珍しい。
島根県職員は、「島根県では約10年前からRubyを軸としたIT産業の振興、県外からのIT企業の誘致に取り組んでいる。今回のハッカソンは、ITと島根の日本酒をキーワードにした地域活性化の試みであり、開催は企画・運営・会場提供した県外からの進出IT企業メンバーの力によるところが大きく、IT企業誘致の成果の一つと言える。こうした取り組みが増えることで、県内産業に広く影響を及ぼすことを期待している」と話した。
◆ひやおろしGO参加企業(順不同)
・モンスター・ラボ
・ガリレオスコープ
・ネットワーク応用通信研究所
・ミラクル・リナックス
・テラテクノロジー
・イード
・ビタリー
・日本ワイドコミュニケーションズ
《佐々木太陽》
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