世界のプログラミング教育ツールを検証、G7Programming Learning Summit2016
早稲田大学とフジテレビKIDSは11月12日、早稲田大学理工学部キャンパスで「G7 Programming Learning Summit 2016」を開催した。早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所所長の鷲崎弘宜教授に、開催の経緯や目的について聞いた。
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
このイベントは、Viscuit(ビスケット)、Minecraft(マインクラフト)、Scratch(スクラッチ)、CodeMonkey(コードモンキー)といった国内外のプログラミング学習用ツールの展示およびワークショップの体験イベント。当日は会場内の教室を使って、小・中学生をおもな対象とした6つのワークショップを実施した。中にはPCやタブレットを使わず、ハードウェアだけのツールやボードゲーム形式のツールなどのワークショップも見られた。
開催の背景には、言わずもがな2020年の小中学校におけるプログラミング教育の必修化されることがあるが、イベントの目的について鷲崎教授は次のように語る。
「イベントとしては、展示やワークショップで実際に子どもたちにプログラミング学習ツールを体験してもらうことで、それがどんなものを身近に感じてもらえるようにしていますが、実は開催目的はもうひとつあります。
それは、国内外6つのツールを横並びで評価し、それぞれの特徴を明確にしよう、というものです。世界中にはすでに50以上のプログラミング学習用のツールが存在しています。グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所では、これらの定性分析、定量分析を行い、それぞれの特徴、利用のポイントなどを整理・分類しています。」
教授によれば、現在プログラミング教育に向けて教育機関や企業などがさまざまな取組みを始めているが、そもそものツールや教材の基本的な情報は整理されていない状態だという。これらのカタログを作るだけでなく、どんなツールや方式がどんな効果があり、どのようなスキルアップにつながるのか。そのための情報収集と分析が行われたのが、同イベント「G7 Programming Learning Summit 2016」である。
ワークショップの前後では、理解度やスキルの違いを調べるようなアンケートも実施した。同様のイベントは今後も続ける予定で、主催者らは2017年3月までに第2回を開催する意向だという。なるべく多くのツールを、このようなワークショップ形式で展示する予定だ。ただし、目的はツールの分類・分析であって、優劣を評価するものではないと鷲崎教授は念を押す。
このような取組みの成果は、論文として発表し、研究者や教育関係者に共有してもらうとともに、ガイドラインのようなものや提言として広く発表していく。そして、ツールの分析が終わったら、それらの活用方法、教え方の研究につなげるのが、次の目標だという。
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