読解力低下、科学的リテラシーは2位…PISA2015
経済協力開発機構(OECD)は12月6日、国際的な学習到達度テスト「PISA(Programme for International Student Assessment)」の2015年調査結果を公開した。
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
PISA2015は、72か国・地域、約54万人の15歳児を対象に実施。2000年の第1回目実施以降、3年ごとのサイクルで調査を継続しており、2015年調査は第6サイクルにあたる。調査分野は科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーの3分野。今回は、科学的リテラシーについて重点的な調査を行った。
科学的リテラシー全体の平均得点はシンガポールがもっとも高く、ついで日本、エストニア、台湾、フィンランド、マカオ、カナダが並ぶ。日本の得点は538点で2番目。OECD加盟国の中では1~2位の間に位置している。文部科学省国立教育政策研究所によると、統計的な有意差はないが、2015年調査の得点は2006年調査よりも7点高く、2009年調査と2012年調査との比較ではそれぞれ1点、8点低い。
読解力に関する日本の平均得点は516点。国際比較では8番目だが、2012年調査と比較すると22点低下している。2015年調査は参加国の一部を除きコンピューター使用型調査へ全面的に移行したが、国立教育政策研究所はこれを点数低下の要因のひとつと分析。生徒がとまどうなど、解答に影響があったとしている。また、公開された資料「読解力の向上に向けた対応策について」によると、高校生を中心に読書量や新聞を読む機会が減少傾向にある一方、スマートフォンを活用したインターネット利用時間が増加傾向にある。国立教育政策研究所は、児童・生徒が一定量の文章と接する機会が変化していると指摘している。
PISA2015年調査に関するポイントや松野文部科学大臣コメント、結果要約や調査問題例は国立教育政策研究所Webサイトで公開されている。
《佐藤亜希》
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