公立学校施設、法定義務なしでは点検実施4割程度

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公立学校施設における点検の実施状況
公立学校施設における点検の実施状況 全 3 枚 拡大写真
 文部科学省は2月21日、全国の国公立学校施設における維持管理点検状況調査の結果について公表した。小中学校、高校などの公立学校のうち、法定点検の実施義務がある学校のほぼすべてが点検を実施・実施見込みとなった。一方で、義務がない学校では、4割にとどまった。

 公立学校施設は、その7割について、建築基準法にもとづき定期的な点検を実施することが学校施設の所有者などに対して義務付けられている。また、法定点検が義務付けられていない学校を含むすべての学校施設の所有者は、同法にもとづき建築物を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。

 しかし、会計検査院の行った調査により、一部の公立学校において法定点検が実施されていないことなどが指摘され、平成28年5月25日、参議院本会議において公立学校施設の不適切な維持管理に関して警告決議がなされた。

 文部科学省では、これらの状況を踏まえて、全国の国公立学校施設における法定点検の実施状況などを調査。公立学校は幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、高等学校などを、国立学校は大学や大学共同利用機関法人および高等専門学校の各主要団地(キャンパス)を対象に、平成28年10月1日時点の状況を取りまとめた。

 公立学校で法定点検の実施義務がある学校のうち、99.9%が「点検を実施」または「点検を実施する見込み」となった。残りの0.01%(3校)はmすべて平成30年度までに廃校などの予定。一方で、法定点検の実施義務がない学校で「点検を実施」または「点検を実施する見込み」とした割合は40.0%だった。実施義務がない学校については都道府県の差が大きく、東京都や福井県、長野県など実施・実施見込みが100%の地域もあれば、静岡県4.6%、千葉県8.0%などの低い地域もある。

 公立学校施設設置者の一元的な管理の実施率をみると、青森県78.6%、埼玉県73.4%、兵庫県95.5%、香川県100%などが高く、愛知県9.1%、鳥取県9.5%、広島県4.3%、熊本県6.4%などが低い。そのほか、東京都は33.3%、大阪府は20.5%となっている。なお、調査における一元的な管理とは、所管する学校のおおむねすべてについて点検の結果などを集約し、その情報を一覧形式で比較・参照できるなど、修繕の優先順位付けなどに活用可能な形式で管理することを指す。

 国立学校で法定点検の実施義務がある主要団地は、100%が「点検を実施」または「点検を実施する見込み」で、実施義務がない主要団地では82.4%となった。実施義務がない主要団地については、国立大学の84.8%、国立高等専門学校の76.9%が実施・実施見込みとなっており、大学共同利用機関には該当する施設がなかった。

《黄金崎綾乃》

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