【母親座談会】有名中高生のPC活用…マイパソコンを持つ意味とは

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【母親座談会】有名中高生のPC活用…マイパソコンを持つ意味とは
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 人工知能(AI)は日進月歩。2045年にはAIが人間の知能を超えるとの予測もある。いよいよ日本でも、2020年からの新学習指導要領に小学校でのプログラミング教育が盛り込まれ、プログラミングスクールも低年齢化が進んでいる。果たして我が子にも自分のパソコンを持たせるべきか、親としては悩ましいところだ。マイパソコンを持つことの有用性はどういったところにあるのか。学力の伸長に繋がるのか。マイパソコンを持つ有名中高生のパソコン活用について、お母さま方に話を聞いた。

1)伊藤さん(成蹊学園・共学校・中学校男子のお母さま)
2)池田さん(麻布学園・男子校・中学校男子のお母さま)
3)志村さん(桐光学園・共学校・高校生男子のお母さま)
4)谷口さん(女子学院・女子校・高校生女子のお母さま)
※いずれも仮名

◆パソコンとの出会いは小学生時代

--パソコンはいつから使っていますか。

伊藤さん(成蹊):小学校1年生からです。ゲームの攻略方法を知りたいというのがきっかけでした。

池田さん(麻布):うちは公立小学校の授業で初めてパソコンに触れました。当時、際立って興味が湧いた訳ではなかったようですが、その後、小学校のクラブ活動でパソコン部に入りました。

志村さん(桐光):うちは2、3歳からマウスをいじっていましたね。父親の仕事の関係で、アメリカの現地校に小学校2年生から5年生まで通いましたが、そこではWordやPowerPointを使ってプレゼンテーションをする機会があったようです。帰国後は、公立小学校でタイピングを一通りやり、中学に入ってからは親のパソコンで小説を書いたりするようになりました。

谷口さん(女子学院):小学生の頃は、私のパソコンで遠くの友達にメールするかホームページを見る程度で、ほとんど使うことはありませんでしたが、中学に入ってから、長文の課題が出されることが多く、提出物をWordで作るようになりました。


◆プログラミングや部活をきっかけにマイパソコン購入

--お子さまがマイパソコンを持ったのはいつですか。きっかけは何でしたか。

伊藤さん(成蹊):小学校4年生のとき、父親からのお下がりが初めてのマイパソコンでした。小学校3年生の頃から、初心者向けのプログラミング言語である「Scratch(スクラッチ)」がブームになり、親子でワークショップ巡りをし、小学校4年生の夏から定期的にスクールに通い始めました。ちょうどTech Kids CAMPというスクールが立ち上がったタイミングで、子どもがプログラミングを学ぶ草分け世代として、いろいろな人に会えたり、プレゼンしたりするチャンスに恵まれました。5年生でプログラミング関係で奨学金を頂いたので、お下がりではない新しいマイパソコンは、息子が自分で買いました。その後、いくつかのコンテストに出場し、賞金でグレードアップして行くという感じで、親はまったく投資していません。

池田さん(麻布):中学では理系の部活に所属しています。部活の先輩たちが皆、学校にマイパソコンを持って来ているのが当たり前の環境だったので、息子もそれに憧れたのでしょう。当初は携帯もガラケーでしたが、まずスマートフォンに買い替え、中学2年の夏休みが終わる頃、一緒に家電量販店に行こうと誘って来ました。全額自分で払えるからパソコンを買いたい、と言うのです。実はマイパソコンが欲しくて、ずっとお小遣いを貯めていたそうです。

志村さん(桐光):息子は文章を書くのが好きで、編集のしやすさなどから、手書きではなくパソコンで書きたいと言い出したのがきっかけです。当初は家族の共用パソコンを使うよう促していたものの、父親自身が小学校6年生でパソコンを買い与えられた経験から、子どもにも同じようにしてやりたいと言って中学2年生の冬に買いました。

谷口さん(女子学院):娘は学校で、チラシやポスターなど、友達と共同作業をしながら文化祭などのイベントの準備をすることに夢中で、徐々に私のパソコンを占領する時間が長くなり、次第に自分のパソコンを欲しがるようになりました。初めて買ったのは中学3年生のときです。


--パソコンは主に何に使っていますか。

伊藤さん(成蹊):小学校時代に通っていたプログラミングスクールのTech Kids CAMPを卒業して、今は中高生向けのLife is Tech !に通っていて、プログラミングは長く続けています。それに伴う資料を作ったり、あとは普通に動画を見たりもしますね。

池田さん(麻布):ゲームを作ったり、部活で共用の3Dプリンターを使い、樹脂で作ったロボットを動かすためのプログラムを書いています。妹がぬいぐるみを可愛がるように、息子は自作のロボットを溺愛しています(笑)。

志村さん(桐光):息子は文章を書くのがとても好きなのですが、特にテーブルトークRPG(ロールプレイングゲーム)に夢中のようです。これはゲーム機などのデジタル機器を使わずに、紙や鉛筆、サイコロなどの道具と人間同士の会話のみを用いて、ルールブックに記載されたルールに従って遊ぶ“対話型”のゲームなのですが、このゲームのシナリオをよく書いています。

谷口さん(女子学院):娘は美術や音楽、映像に興味があり、そういった入り口からプログラミングの世界に入りました。NPOのプロジェクトでコンサートを開催し、ホームページを作ったり、Twitterで発信したりと、その宣伝ツールで使うこともありました。また、チームラボの猪子さんの展示を見て触発されて、Life is Tech !のキャンプにも参加しました。アートや音楽、映像として表面的に捉えていたものが、プログラミングを学ぶことによって裏側の技術的なからくりを知ることができ、とても興味が湧いたようです。


◆プレゼンに協働学習に、文房具のようにPCを活用

--学校ではパソコンをどのように活用していますか。

伊藤さん(成蹊):息子は小学校も成蹊でしたが、そこでは映像を編集させたり、プレゼン資料を作らせたり、活用には積極的だったと思います。中学では、幾何学の授業で、一部動画が使われているようです。

池田さん(麻布):中学1年生でタイピングを学び、夏休みにWordで社会科のレポートを作成しました。またIchigo Jam(プログラミング専用子どもパソコン)とBASICという基本ソフトでプログラミングの勉強もしたそうです。中学3年生では現代文の授業の一環で、日本の近現代文学作品を扱った卒業論文をグループでまとめるのですが、グループのメンバーでチャットをしながら編集するといった使い方もしていました。

志村さん(桐光):パソコン室で情報の授業が行われており、内部構造やN進法を教わったり、企業インターンもあるので、PowerPointを使って本格的なプレゼンを行うこともあるそうです。

谷口さん(女子学院):高校生は情報の授業の一環で専門学校へ行き、基本的なプログラミングの言語を教わっています。何か課題を出すときにはインターネットも活用し、調べた情報はきちんとリファレンスを付けて提出するように指導されています。


◆PC利用ルールとファミリー機能

--パソコンを使わせるにあたって気をつけていることはありますか。

伊藤さん(成蹊):うちは基本的にリビングで生活しているので、あまり心配はしていません。自室には持ち込ませていません。

池田さん(麻布):スマホを購入した際にはフィルタリングをかけていましたが、パソコンを買うとそれはないに等しいものになってしまいました。自由な校風の学校に身を置いているからこそ、何がダメでどこまでなら許されるかということを自分で判断できていると信頼することにしています。

志村さん(桐光):ペアレンタルコントロール(ファミリー機能)は購入当初からしっかりかけています。マイパソコンを買い与える前に家庭の共用パソコンを使っていたのですが、ネットサーフィンの履歴を見ると、親である私たちが知らない世界まで辿り着いてしまっていることもあり…。ウイルスのトラブルもありますし、無防備なのは怖いねと夫と話し、ガードをかけることにしました。今は自室で使っていますが、「もう高校生なのでフィルタリングはいい加減に外してくれ」「僕のことを信頼してほしい」と言われていますが。

谷口さん(女子学院):無料のものをダウンロードするときには一言相談してねと言ってあります。私のパソコンに娘が無料だからとダウンロードしたものが原因で、動きが遅くなってしまった経緯があるので、気をつけるように言っています。


◆一般的になった映像授業、将来の夢にも

--マイパソコンは学習にも役立っていますか。

伊藤さん(成蹊):スタディサプリを使っています。独自カリキュラムなので、わからない単元だけを見るという活用法です。飛ばしたいときは早送りもできますし、便利ですよね。また、学習と直接は関係ないのですが、うちは夫がプレゼン資料のデザインを息子に相談することがあるんです(笑)。息子のほうがITの最前線にいる方々のプレゼンを聞く機会が多く、彼らのスキルやデザインに触れることが多いからです。そうすると息子も、自分の父親が一体どんな仕事をしているのかを知るきっかけになり、親子のいいコミュニケーションになっていますね。

池田さん(麻布):うちも学校がお休みの期間だけ東進ハイスクールの講習を受けているのですが、特典で家でも授業が見られるので利用しています。パソコンさえあれば、部活が忙しくて通えないとか、距離的に遠方で通えない地域のお子さんにはとてもいいサービスですよね。あとは、肌身離さずパソコンを持ち歩くくらい、のめり込めるものに出会えたという点で、息子にとっては将来の夢や目標にもつながっているのかなと思います。

志村さん(桐光):何でも辞書代わりにパソコンで調べています。また、オンライン英会話も便利ですよね。Skypeで、60か国以上の先生から選べるとか。世界中どこかしら昼間ですし、先生方のプロフィールなどの情報も充実しているようですね。

谷口さん(女子学院):学力への効果はよくわからないですけれど、パソコン1台で自分の世界が無限に広がるということに気づけて良かったと思います。知人の大学生曰く、今や自分の研究を実証するためには、自分でプログラミングしてそこにデータを載せられないと検証できないのだそうです。「専門はプログラミングでなくても、プログラミングを自分でできることが前提になっている」という話を聞くと、今の子たちは大変だなぁと思います。だから将来、プログラマーになるわけではなくても、どんな分野でもプログラミングがベースとして必要である以上、中高生時代からプログラミング的な思考に触れておくことは、すごく重要なのではないかと思います。


 子どもたちは親が知り得ない未開の地へ向かっている。親は自分に経験がないからと、安全が保証されない新しいものから我が子を遠ざけがちだ。だが親も、子どもと同様に今から未開の地へ向かえばいいだけのこと。時には先を行く子どもに、手を引いてもらうことがあってもいい。

 才能や興味を潰されることなく、うまく時代の波に乗れている子どもたちの親からは、そんな大らかさと賢明さを教えられた。

《加藤紀子》

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