「継続的に投票参加する主権者」を育成、総務省がとりまとめ公表
総務省は3月28日、「主権者教育の推進に関する有識者会議」について、これまでの検討をとりまとめた内容を公開した。主権者教育は、「社会の出来事を自ら考え、判断し、主体的に行動する主権者」を育てるもので、選挙および選挙権年齢と密接に関係している。
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同会議は2017年1月から開催されており、選挙権年齢引下げ後に初めて行われた第24回参議院議員通常選挙の結果を踏まえて、あらためて現状と課題が検討された。
まず、初の国政選挙における18歳と19歳の投票率は、関係者の努力が奏功し、「今後の投票参加も期待できる」と前向きに評価された。一方で、18歳と19歳の投票率差のほか、学校における主権者教育、選挙管理委員会における主権者教育、学校と外部との連携協力による主権者教育それぞれに課題が浮き彫りとなった。
投票率差については、地域の高校生である18歳に比べ、大学生・新社会人である19歳は、地元への愛着などから、引っ越し後の居住地などの現住所で投票を行わないといったケースが見られたという。不在者投票制度の認知度不足、手続きが煩雑との指摘もあった。
また、学校での主権者教育においては、知識学習や体験学習に重点が置かれ、「十分に議論し、意思決定する取組み」は少なかったとのこと。現場の教師からは、公選法や政治的中立性の観点から、授業で扱いにくいという意見が出された。外部と連携を図ろうとしても、地方公共団体が十分に対応してくれないケース、議員を招くのが難しいケースなどがあった。
こうした指摘や意見を踏まえ、今後は、「考える力、判断する力、行動していく力」を育て、継続的に投票参加する主権者の育成に注力するという方向性が提示された。高校入学前、高校生、高校卒業後(有権者)の各段階で、年代や環境に応じた題材を使った教育、企業からの教育などが望ましいだろう。
「主権者教育の推進に関する有識者会議」とりまとめは、概要・要約・本文のPDFファイルが、それぞれ総務省のWebサイトよりダウンロード可能。
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