小学校英語「早期化」約8割肯定、中学校改革の認知度低く

 小学校英語教育の「早期化」および「教科化」について、それぞれ7割以上の保護者が肯定的であることが、英会話教室イーオンが実施した「子どもの英語学習に関する意識調査2017」で明らかになった。一方で実施に向け不安点や課題も浮き彫りになっている。

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英語教育の変化に関する認知度
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 小学校英語教育の「早期化」および「教科化」について、それぞれ7割以上の保護者が肯定的であることが、英会話教室イーオンが実施した「子どもの英語学習に関する意識調査2017」で明らかになった。一方で実施に向け不安点や課題も浮き彫りになっている。

 調査は、全国のイーオンキッズに通う小学生の子どもを持つ保護者500人と、全国の英会話教室に通っていない小学生の子どもを持つ保護者500人の計1,000人を対象に、インターネットにて実施したもの。調査期間は4月1日~4月2日。2020年度から施行される新学習指導要領が3月31日に告示されたことを受け、大きな変革を迎える英語教育について保護者がどう認識し考えているのかを把握するねらい。

 新学習指導要領で今後変更が予定されている英語教育のおもな4点について現時点での認知度を調査したところ、「小学校英語の教科化」についての認知度は比較的高く74.6%が「知っている」と回答。一方、もっとも認知度が低かったのは「中学英語では2020年より原則英語で英語の授業を行う」という項目で36.8%にとどまった。「小学校英語の早期化」は認知度59.5%、「大学入試センター試験の廃止と新テスト導入」の認知度は53.3%であった。

 小学3~4年生から英語教育を開始する「小学校の英語教育の早期化」については、64.2%が「よいこと」と回答。さらに「もっと引き下げるべき」との意見が14%あり、78.2%の保護者が小学校での英語教育早期化に肯定的であった。理由としては、「世の中のグローバル化に対応するため」「英語への抵抗を早くからなくすため」との意見が多かった。

 小学5~6年生からの英語「教科化」を早ければ2018年度から先行導入することについては、59.5%が「よいこと」と回答。「3年から教科にしてよい」との意見も12.3%あり、7割を超える保護者が肯定的であった。教科化については、「現在の外国語活動の内容が十分でない」との意見が圧倒的に多く、そのほか「中学校からの英語で英語を教える授業のために必要」といった意見があがった。

 また、新学習指導要領の軸のひとつでもある、発表やグループ活動などの「主体的・対話的で深い学び」が求められることについては、全体では74.6%が「よいこと」と答えたものの、イーオンの保護者では86.6%、一般の保護者では62.6%と差がひらく結果に。残りの意見としては、「従来の知識伝達型の授業の方が重要」「わからない」がそれぞれ半々となった。

 小学校英語教育の「早期化」「教科化」および、中学校での「原則英語で英語を教える授業」の実施について不安に思うことを聞いたところ、ともに「これまで英語を教科として(または英語で英語を)教えた経験のない教員に授業ができるのか」がほかに差をつけてトップとなった。ついで「指導内容や授業のレベルについて、学校によって差が出るのではないか」「授業についてこられない(またはまったくついてこられない)児童・生徒へのフォローができるのか」が上位にあがり、保護者の不安や現場の課題が浮き彫りとなった。

《畑山望》

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