「大学入学共通テスト(仮称)」案、国語と数学で記述式3問を出題
文部科学省は5月16日、高大接続改革の進捗状況について公表。平成32年度から大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト(仮称)」では、国語と数学で記述式問題を出題し、英語で民間の資格試験を導入するなど、思考力・表現力などが評価される。
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現行の大学入試センター試験は、受験生の「学力の3要素」について多面的、総合的に評価する入試に転換する。「大学入学共通テスト(仮称) 」実施方針(案)では、実施開始は平成32年度(2020年度)。出題教科・科目は国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、専門学科に関する科目。マークシート式問題は、思考力、判断力、表現力を一層重視した作問となるように見直しを図る。
「国語」「数学」では記述式問題を出題する。記述式問題の作問、出題、採点は大学入試センターで行う。採点結果をマークシート式問題とともに大学に提供し、各大学で結果を活用する。
国語は古文・漢文をのぞく「国語総合」の内容とし、出題は文字数80~120字程度の問題を含めて3問程度とする。マークシート式問題と記述式問題の大問は分けて出題し、試験時間はマークシート式と合わせて100分程度と想定している。大学入試センターによる記述式問題の例としては、行政機関の広報誌を題材に景観保護の意見を80字~120字以内で述べる問題があげられている。
「数学」の記述式問題の出題科目は「数学I」「数学I・数学A」とし、出題範囲は記述式問題の意義が大きい「数学I」の内容とする。数学的な処理を行って解決して結果を得るために数式や図表、グラフなどで表現するなどの3問程度で、大問の中にマークシート式問題と記述式問題を混在して出題。試験時間はマークシート式と合わせて70分程度と想定している。問題例として、銅像の高さや鋭角を確かめるために式を用いて記述する問題をあげている。
「英語」では、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を適切に判断するため、民間の資格・検定試験を活用する。試験内容、実施体制が必要な水準を満たしているものをセンターが認定し、試験結果を国際標準「CEFR」の段階別成績表示を要請があった大学に提供する。受験者の負担や学校教育への影響などを配慮し、高校3年生の4月~12月の2回までの試験結果を各大学に送付する。
また、共通テストの英語試験の取扱いについては、「平成32年度以降は共通テストの英語試験を実施せず、認定試験を活用する(A案)」と「共通テストの英語試験は平成35年度までは実施し、各大学の判断で共通テストと認定試験のいずれか、または双方を選択利用することを可能とする(B案)」の2案を提示。大学、高校などの関係団体の意見を聞きつつ検討していく。
高大接続改革の進捗状況については文部科学省のWebサイト、「大学入学共通テスト(仮称)」モデル問題は大学入試センターのWebサイトに掲載している。
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