「重複レシピ」投稿者を検出、筑波大・楽天の研究グループが対処

 筑波大学 図書館情報メディア系 関洋平准教授らの研究グループは8月20日、レシピランキングサービス内に表示される低品質なレシピの出現への対処法を発表した。ユーザーの目的にそぐわない「重複レシピ」の投稿者を検出する手法を開発した。

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重複レシピ投稿者の検出 出展:重複レシピ投稿者の検出方法に関する研究 ~レシピランキングサービスの向上を目指して~(筑波大学 2017年8月20日)
重複レシピ投稿者の検出 出展:重複レシピ投稿者の検出方法に関する研究 ~レシピランキングサービスの向上を目指して~(筑波大学 2017年8月20日) 全 1 枚 拡大写真
 筑波大学図書館情報メディア系 関洋平准教授らの研究グループは8月20日、レシピランキングサービス内に表示される低品質なレシピの出現への対処法を発表した。楽天ならびに楽天技術研究所との共同研究により、調理手順の類似度と料理画像の類似度とを組み合わせ、重複するレシピの投稿者を検出する手法を開発した。

 料理レシピは、調理するユーザーや好み、手持ちの食材などの制約に応じて多様に提供されることが望ましいが、ユーザーの中にはレシピの投稿記事を作成する手間を省くため、以前に投稿したレシピの調理手順の一部や料理画像を再利用して投稿するケースがある。調理の目的に対して本質的でなく、他料理レシピの「改変」でしかないレシピの提供は好ましくない。よって、このような低品質なレシピは検索結果から排除されることが期待される。

 研究グループは、いわゆる「再利用レシピ」を「重複レシピ」と呼び、投稿したレシピと過去に投稿されたレシピ集合との間で調理手順間の類似度と料理画像間の類似度とを組み合わせることにより、重複レシピを検出する手法を提案。その有効性を実験により示した。研究グループによると、短期間に多数のレシピを投稿するユーザーほど重複レシピを投稿する場合が多い。

 研究グループは今後、レシピランキングサービスの向上を目指し、研究成果を生かし「より独創性の高いレシピを上位にランキングするなどの取組みを検討」する予定。また、ディープラーニングなどの最新のAI技術を取り入れることにより、「ユーザーフレンドリーなレシピランキングサービスの提供」につなげるとしている。

 研究の一部は、楽天が助成する筑波大学共同研究「スパムレシピのフィルタリングに関する研究」によって実施された。研究期間は平成28年度から29年度まで。

《佐藤亜希》

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