360Channel、VR技術を学校教育へ…中学社会科で研究授業

 360Channelは、総合VRプロデュース事業「VR PARTNERS」においてVR技術を活用した新たな学校教育モデルの創出に参画したと発表した。平成29年9月27日には愛知県内の中学校でVR技術を活用した研究授業を実施している。

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 360Channelは、総合VRプロデュース事業「VR PARTNERS」においてVR技術を活用した新たな学校教育モデルの創出に参画したと発表した。平成29年9月27日には、すでに愛知県内の中学校でVR技術を活用した研究授業を実施している。

 VR PARTNERSは、VRに関するさまざまなクライアントのニーズに対して、プランニングディレクションやイベントプロモーション、効果測定などの施策を提案する総合VRプロデュース事業。360Channelが年間500本以上のVR動画制作・配信を通じて蓄積したノウハウを生かし、VR動画制作にとどまらないサービスを提供している。

 VR技術を活用した新たな学校教育モデルの創出は、NTTメディアサプライ、西日本電信電話名古屋支店、豊田市立浄水中学校が主催したもの。NTTメディアサプライは平成24年度より公衆無線LANの普及促進を行っており、地域社会の課題解決に貢献できるようVRなど映像コンテンツ事業を新たに検討してきた。また、「主体的に行動できる子どもの育成を目指した地域ぐるみの教育」を目標に掲げる浄水中学校は、ICT機器を活用した「主体的に学習に取り組み、わかる授業」を目指している。

 今回、VR技術の教育分野への応用による取組み姿勢の変化や探究的な学習による習熟度効果の測定を行いたいという思いが一致し、取組みが実現。9月27日に豊田市版コミュニティ・スクール研究発表会にて、社会科の地理的分野の研究授業を実施した。

 授業では、事前に撮影されたフィリピン、中国、マレーシアの特徴的な建造物や商店街、民家、衣装、農産物などのVR映像を班全員で共有。生徒たちは閲覧した動画がどこの国か、どのような根拠で判断したかを班で相談し、タブレットで回答した。その後、回答とどこで判断できるのかを教諭と動画を見ながら振り返ったという。

 授業を行った教諭からは、「まるで現地に行っているかのような体験をさせることで、社会科が苦手な生徒に対する導入部に使うなど学習に対して興味・関心を引き立て、主体的な取組みを促す効果がある」や「単元として生徒の記憶に残りやすく習熟効果が高いと感じた」といった感想が寄せられた。

 生徒へのアンケート調査では、全員が「楽しく、前向きに授業に取り組めた」と回答。同様の授業が再びあった場合には「積極的に受けてみたい」という回答も9割以上にのぼった。「紙の資料では伝わらない雰囲気が伝わり記憶に残る」という感想も寄せられており、一定の学習効果があったと推測されるという。

 360Channelは今後もNTTメディアサプライと連携し、教育分野におけるVR技術の活用を積極的に進め、観光促進や地域社会の活性化にも寄与していきたいとしている。

《外岡紘代》

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