【高校受験2018】千葉県公立入試前期2/13<国語>講評…選択肢難度高く、やや難化か

 平成30年度(2018年度)千葉県公立高等学校入学者選抜の「前期選抜」が2月13日(火)、全日制課程128校205学科で実施された。リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。

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2018年度 千葉県公立高校前期 <国語> 講評
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 平成30年度(2018年度)千葉県公立高等学校入学者選抜の「前期選抜」が2月13日(火)、全日制課程128校205学科で実施された。予定人員22,482人に対し、39,064人が志願していたところ、2月13日の欠席者は196人。受検者数は38,868人で、受検倍率は1.73倍だった。

 リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

◆<国語>講評(京葉学院 提供)

 大問構成や大問毎の配点は例年通りでした。読解問題での記述問題は3問で、それぞれ10~15字以内で答えるものでした。細かい部分を吟味して正解肢を選ぶ選択問題が多いこと、抜き出し問題の設問部分と解答語句が離れていること、さらに書きにくい記述問題が2問あることから、平均点はやや下がるものと思われます

1.放送聞き取り
 中学校の創立五十周年記念式典に向けて作った詩を朗読する生徒とその友人の会話を聞いて、設問に答えるものでした。朗読される詩や選択肢は問題用紙に印刷されていて、それを見ながら放送を聞くことができました。設問は、読み方や話し方に関するものがそれぞれ1問ずつ、表現技法に関するものが2問の計4問でした。設問形式別に見ますと、選択問題が3問、抜き出し問題が1問で、この抜き出し問題は、提示されている詩の中から反復表現が使用されている箇所を解答するというものでした。放送内容を把握できていればさほど難はなかったものと思われます。大問の配点は例年通り10点でした。

2.漢字の読み
 例年通り、中学校配当漢字の読みが4問出題されました。「巧拙」「暫定」はやや難しかったと思われます。また配点は各2点、合計8点と例年通りでした。

3.漢字の書き
 例年通り、小学校配当漢字の書きが5問出題されました。毎年三字または四字熟語が出題されますが、今回は「油断大敵」が出題されました。また配点は各2点、合計10点と例年通りでした。

4.国語の知識
 主語に対して適切な述語に書き換えるもの、助動詞「た」の意味用法を問うもの、適切な敬語に書き換えるもの、内容に合致することわざを選択するもの、が出題されました。助動詞「た」を出題する例はあまりなく、敬語の問題も選択式ではなく書き換えることが求められたため、難しく感じる受験生もいたことと思われます。また配点は各2点、計8点と例年通りでした。

5.説明的文章の読解
 「日本語の語彙が減少しているということは、私たちの感性が鈍くなっているということであり、私たち自身が自分の心を鍛える必要がある」という趣旨の文章を読んで設問に答えるものでした。選択問題が2問出題されましたが、どちらも選択肢の細かな内容を吟味し判断するものでした。抜き出し問題は3問出題されましたが、3問とも設問の箇所と解答語句が書かれている箇所が離れていたため、正解語句を発見できたとしても時間を多く要したものと思われます。他方1問出題された記述問題は、本文を参照する箇所さえ発見できれば、それを解答形式に合わせて書き換えることで正解を得ることができるものでした。大問の配点は例年通り20点でした。

6.文学的文章の読解
 「兄に対して強い対抗心を持っていた主人公が長い闘病生活をおくっているときに、その兄が毎日のように訪ねてくれたために孤独を感じずにすみ、兄への感情が変化していく」という文章を読んで設問に答えるものでした。本文は江戸時代を背景にしたもので、このような時代小説が出題されるのは前期入試では4年ぶりです。選択問題が4問出題されましたが、選択肢中の細かな語句の意味により正誤を判断するものが多かったため、自信を持って正解肢を選択できた受験生は少なかったのではないでしょうか。抜き出し問題は1問出題されました。解答となる語句の内容を想起することはそれほど難しくありませんでしたが、説明的文章と同様に設問の箇所と解答語句が書かれている箇所が離れていたため、時間がかかったものと思われます。記述問題は1問で字数は10字以内と短いものでしたが、本文を参照してその部分を書き換えて解答を作成するというものではなく、本文全体から書くべき内容を推察し、それを10字以内でまとめるという難度の高いものでした。大問の配点は例年通り20点でした。

7.古典の読解
 「本番前にほとんど練習せずに遊び歩いていた大鼓(おおづつみ)の名人が本番では見事な演奏をするので、弟子たちはこの人にはかなわないと思うが、その弟子たちに名人が秘訣を話す」という古文を読んで設問に答えるものでした。現代仮名遣いに直す問題、抜き出し問題、選択問題、記述問題がそれぞれ1問ずつ出題されました。現代仮名遣いに直す問題は平易であり、また抜き出し問題と選択問題も本文内容がおおよそつかめていれば解答できるものでした。例年の古文の記述問題は、本文を参照してその部分を現代語に直すことで解答を作成することができるものでしたが、本問では参照箇所をそのまま現代語にすることができないため難度はかなり高いと思われます。大問の配点は例年通り12点でした。

8.条件作文
 図書館に掲示されたポスターを張り替えた結果、マナーの改善が見られることなったことについて、自分の考えを10行以内(1行は20字)で書く、というものでした。2つのポスターの違いをふまえて新しいポスターの工夫点を指摘して、マナーが改善された理由を書くことが求められており、近年の作文としてはやや難度が高いといえるでしょう。配点は例年通り12点ですが、採点基準の細部については各学校で定めることになっています。
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 このレポートは2018年2月13日(火)に速報として京葉学院により作成されたもの。

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協力:京葉学院

《編集部》

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