学校でのいじめ、7年連続3,000件超え…人権侵犯事件

 学校でのいじめに関する事件数が平成29年に3,169件にのぼり、7年連続して3,000件を超え高水準で推移していることが、法務省の人権擁護機関の「人権侵犯事件」に対する取組み状況より明らかになった。

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学校におけるいじめ案件の推移
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 学校でのいじめに関する事件数が平成29年に3,169件にのぼり、7年連続して3,000件を超え高水準で推移していることが、法務省の人権擁護機関の「人権侵犯事件」に対する取組み状況より明らかになった。

 法務省の人権擁護機関は、人権侵犯事件調査処理規程に基づき、人権を侵害されたという申告などを端緒に、その被害の救済や予防に努めている。平成29年の取組み状況は、新規に救済手続を開始した人権侵犯事件数が1万9,533件(対前年比0.5%増)、処理した人権侵犯事件数が1万9,722件(対前年比0.9%増)にのぼる。

 学校でのいじめ事案は3,169件で、全事件数の16.2%を占める。前年と比べて6.0%減少したものの、7年連続して3,000件を超えており、依然として憂慮すべき高水準の状況で推移している。

 教育職員関係事案は1,284件(対前年比5.3%減)で、全事件数の6.6%を占める。このうち、体罰事案は263件(対前年比41.3%減)だった。

 子どもをめぐる人権問題は、周囲の目につきにくいところで起こっていることが多く、被害者である子ども自身も身近な人に話しにくいことから、全国50のの法務局・地方法務局に専用相談電話「子どもの人権110番」を設置。いじめや体罰、児童虐待といった子どもの人権問題をめぐる相談を専門的に受ける体制を整備している。フリーダイヤル「0120-007-110」のほか、インターネットでも相談を受け付けている。

 子どもの人権110番の利用件数は、平成29年に2万2,122件にのぼる。相談の内訳は、「いじめ」3,029件、「体罰など」2,756件、「暴行・虐待」511件、「その他」1万5,826件。利用件数は平成20年以降、10年連続して2万件を超えている。

《工藤めぐみ》

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