私大入学費用、借入額は過去最高197万5,000円

 私立大学入学費用の借入額が、過去最高の197万5,000円となったことが2018年4月4日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査結果からわかった。受験から入学までの費用負担を「重い」と感じる家庭は9割を超えている。

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「借入れあり」と「借入額」の推移
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 私立大学入学費用の借入額の平均が、過去最高の197万5,000円となったことが2018年4月4日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査結果からわかった。受験から入学までの費用負担を「重い」と感じる家庭は9割を超えている。

 東京私大教連は東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木、長野、新潟、山梨の1都9県の私立大学・私立短大・私立高専の教職員組合を対象とする連合体。「私立大学新入生の家計負担調査2017年度」は、2017年4月に首都圏の私立大学・短大に入学した新入生の家庭を対象に実施した。有効回答数は4,554人。

 「受験から入学までの費用」は、自宅外通学者が前年度比2万9,500円増の216万816円、自宅通学者が前年度比5,400円減の154万6,416円。「受験から入学までの費用」に占める初年度納付金の割合は、自宅外通学者60.9%、自宅通学者85.2%。

 自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」は、前年度比3万3,900円増の296万6,516円。このうち、「仕送り額(4~12月)」は、前年度比4,400円増の80万5,700円。自宅外通学者世帯の平均税込収入900万7,000円に占める「入学の年にかかる費用」の割合は32.9%と、3分の1にのぼる。

「受験から入学までの費用」の推移と各費目の構成比
画像:「受験から入学までの費用」の推移と各費目の構成比

 入学費用を借入れした家庭は17.9%。自宅通学者16.1%に対し、自宅外通学者は21.1%と2割を超えている。借入額の全体平均は、1983年度の調査開始以来もっとも高い197万5,000円となり、前年から15万円増加した。住居別では、自宅外通学者233万9,000円、自宅通学者167万6,000円で、いずれも過去最高額となった。特に自宅外通学者の借入額の増加が顕著で、前年度から22万円増えている。

 受験から入学までの費用の負担感は、9割を超える家庭が「大変重い」「重い」と回答。入学費用を借入れた家庭では99.0%、自宅外通学者では93.2%が「重い」と感じており、家庭に及ぼす教育費負担の大きさが浮き彫りとなっている。

《奥山直美》

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